トラッシュ!-この街が輝く日まで- (2014)【映画】

      2015/01/06

ぼくたちはゴミ山で、世界の”希望”がつまったひとつのサイフを拾った。

トラッシュ! スティーヴンダルドリー

試写会にて『トラッシュ!-この街が輝く日まで- (Trash) 』鑑賞。2014年アメリカ。スティーヴン・ダルドリー監督。114分。

ゴミ山に暮らす3人の貧しい少年が、ある財布を拾ったことから絶望の街に奇跡を呼び起こしていくドラマ。監督は『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』などのスティーヴン・ダルドリー、脚本を『ラブ・アクチュアリー』などロマンス・コメディの名手リチャード・カーティスが手掛ける。過酷な環境でたくましく生きる少年たちには、オーディションで選び出された無名の少年たちを起用し、名優マーティン・シーン、『ドラゴン・タトゥーの女』などのルーニー・マーラが脇を固める。

via: シネマトゥデイ

脚本はリチャード・カーティス。主演はリックソン・テベス。共演にエデュアルド・ルイス、ガヴリエル・ウェインスタイン、ルーニー・マーラ、マーティン・シーンほか。1月9日公開。

観る前は正直あんま期待してなかった (だって、脚本がリチャード・カーティスなんだもん。『アバウト・タイム』が全然ハマらなかったもんで、不安しかなかった笑) んだけど、めちゃめちゃ面白かったー!爽やかな感動!これぞ映画笑!

何だか宣伝ではやたらと「感動推し」してて、その手の映画ってロクなことないから心配してたんだけど、想像してたよりもずっとスリリングな展開で、全く飽きなかった。

宝探しアドヴェンチャー

タイトルの「トラッシュ (trash) 」とは、「ごみ」のこと。

冒頭、ワケありげな男 (殺されてしまう) が投げ捨てた財布を、ごみ山 (街全体がごみ山のような、ブラジルの最下層) でごみ拾いをして生活する少年が拾ったところから、物語ははじまる。

悪徳警官たちが、その財布を躍起になって捜していることを知ると、隠された秘密を探るべく、少年たち (3人組だ) は「宝探し」の冒険へと乗り出す。

そう、本作はこの宝探しを主軸とした、アドヴェンチャーでありスリラーなのだ。

子供たちと侮るなかれ。いやむしろ、子供であることを逆手にとったような軽やかな身のこなしが素晴らしい。

軽快な音楽 (本作は音楽も素晴らしい) をバックに繰り広げられる追いかけっこは、迫力満点で本作一番の見どころと言っていい。スラムを駆け抜ける疾走感!

少年たちの正義

財布に残された手がかりをヒントに、「宝」へと迫っていく少年たち。この謎解き感覚もなかなか練られていて、グイグイ惹き込まれた。

前半の何気ないシーンが伏線になってたりして、なかなかニクい。暗号解読のシーンなんて実に見事な畳みかたで、「勉強しててよかったね!」と素直に感動した。

「宝」が何なのか、てのは最初わからないのだが、物語が進むと次第に明らかになっていく。この「次第に」てのが実にいい。少年たちだって、最初は何だかわからないで追いかけている。

映画の中の大人たち (あるいは映画の作り手) が、少年たちの動機をとかく「正義」にしたがっていたのだが、ぼくはちょっと違うように感じた。

それよりは、「好奇心」。何だかわからないけど面白そう。そんな純粋な「楽しいこと」への探求が、彼らを突き動かしているように思えてならない。

あるいは「反骨心」。自分たちのキラいなヤツら (悪徳警官) の鼻を明かしてやろうとか、底辺にいるおれたちを甘く見るなよとか、そーゆう負けん気が動機になっていたようにも見えた。

少年たち自身が「正義」を語るシーンもあるが、あれは方便なのではないか。何しろ彼らの英語は拙いし、複雑な感情を表現するのが気恥ずかしい、とゆう気持ちもあるだろう。

あるいはそんな感情を全部ひっくるめて「正義」と言うなら、それでもいい。子供にとっての正しいこと、それは「楽しく遊ぶ」ことなのだから。

大人たちの物差し (価値観) を、少年たちは軽々と越えていったような気がしてならない。それが実に心地いい。

西田敏行と宮﨑あおい、のような笑

主役の少年たち3人は、オーディションで選ばれたそうだ。三者三様のキャラが立っていて、役割分担も明確。子供っぽさと狡賢さが同居していて、見事だった。

彼らの保護者的な存在が、神父のマーティン・シーンと英語教師のルーニー・マーラ。

このふたり、とゆうか主にルーニー・マーラ (大好き!) 目当てで観にいった映画なんだけど、意外と (とゆうかほぼはじめて笑) 普通な美人さん、て感じの役で、あんまり面白味のないキャラクタだったなあ。

少年たちのウソ (刑務所に忍び込むあたりとか) を簡単に信じすぎだし、ビデオ録画の提案も、唐突すぎてポカンてなった笑。

何だかね、この親子 (親子なんだよね?) 、西田敏行さんと宮崎あおいちゃん、て感じだった笑。普通にいいひとたち、だけど無力笑

そいや、わかりやすいイイ話、だけど展開がちょっと雑、てあたりとかも、すっごい (日本の) TVドラマみたいだなあ、なんてふうにも思った。

何だろ、全体的に軽いんだよね。いいひとはいいひと、悪いヤツは悪いヤツ、みたいな感じでハッキリしてて、キャラクタの奥深さみたいなものを微塵も感じない笑。まあ、だからこそ見やすいんだけど。

さいごに

ラスト、ちょっと破綻したような感じで終わるところは、爽快感があって好き。お金ばらまいたりとかね、ありえないでしょ。けどそれが良いの。

“trash”は動詞で使うと、「壊す、むちゃくちゃにする」て意味にもなるみたい。丁寧に繋いできた物語を、最後に壊す、て意味もあったりして。なーんてのは深読みか。

女のコがゴミ箱にジュースを捨てるカットも好き。ごみ山にはじまり、ゴミ箱で終わる

最後にはさらっと、オリンピックやW杯に対する批判も暗示していて、政治的なメッセージも込められていたのかってことにも気づかされる。

これ、ぼくが無知なだけかもしれんけど、映画観てるあいだは、そーゆう社会問題をこれっぽっちも考えなかったの。

んで終わるころ余韻のように、あーブラジルってそーゆう歪みも抱えてんだったなあ、てことに気づかされた。このあんまり押しつけがましくないスタンスも素晴らしかった。

あくまでエンタメだけど、メッセージもちゃんと伝わってくる。これぞ良い映画!

おわり。

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作品情報

映画の公式ページはこちら。

映画『トラッシュ!-この街が輝く日まで-』 2015.1.9[FRI]

あらすじ

ブラジル・リオデジャネイロ郊外でゴミ拾いをして暮らす3人の少年は、ある日ゴミ山で一つの財布を見つける。その財布には世界を揺るがすとんでもない秘密が隠されていたことから、警察も総力を挙げて捜索に乗り出す。少年たちは「正しいことをしたい」と財布に隠された謎を解明すべく、警察のしつこい追跡をかわし命懸けで真実を追い求めていくが……。

via: シネマトゥデイ

予告編

貧しい少年がサイフを拾ったことで……!映画『トラッシュ!−この街が輝く日まで−』予告編 – YouTube

原作本

原作もちょっと気になる。作者のアンディ・ムリガンは、フィリピンやブラジルで英語を教えてたんだとか。劇中のルーニー・マーラ的な?

 -2010年代の映画 , ,

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