四つのサイン (コナン・ドイル)【読書】

      2015/01/06

ホームズ長編の最高傑作!

四つのサイン 四つの署名 シャーロックホームズ

アーサー・コナン・ドイル著『シャーロック・ホームズ全集2 四つのサイン (The Sign of The Four) 』読了。2014年河出文庫刊 (1890年原著初出) 。小林司 / 東山あかね訳。クリストファー・ローデン (高田寛訳) 注・解説。320ページ。

ある日、ホームズのもとを小柄で気品のある、ブロンドの若い婦人が訪れる。十年近く失踪中の父、毎年のように届けられる真珠の箱、そして突然届いた謎の招待状…。死体の傍らに残されたサインをめぐり、追跡劇が幕をあける。円熟期のホームズ物語をあじわえる、「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い」傑作。

via: Amazon内容紹介 (「BOOK」データベースより)

三谷幸喜さん脚本の人形劇「学園ミステリー シャーロックホームズ」に感化されて、原作も読み進めている。

緋色の研究』に続く2冊目は、『四つのサイン』。『四つの署名』というタイトルのほうが馴染みが深い。とはいえ本作をちゃんと読むのははじめて。

前作同様、ミステリとして読むとやや物足りない部分もあるが、追跡劇や宝探しといったアドヴェンチャーとして読めば魅力十分で、グイグイ惹き込まれた。

特に後半のボートチェイスは迫力満点。トンガの侵入劇や犬のトビーの件なども含めて、前作にアクション性が加味されたような雰囲気で、楽しさは一層増している。

ワトスンと、依頼人メアリ・モースタン嬢との恋物語も良いアクセントになっている、とゆうかこれ主題じゃね?ふたりのラヴ・ストーリーとして読んでも面白い。

事件の背景にある怨念や確執は、歴史的事象との関連もあるみたいで (東インド会社絡みの叛乱?よく知らないから勉強にもなった) 、物語に深みを与えている。

ホームズってけっこう軽い物語が多いのかと思ってたけど、『緋色の研究』もモルモン教が絡んだ復讐譚だったし、長編だと動機が恨み辛みで、けっこう重たいのね。

前作の後半は、犯人の過去に視点がガラッと変わる形式だったけど、本作はある程度繋がりを保ったまま過去を振り返る、とゆう形式に改まっている。

読みやすくなってはいるものの、前の形式もキライじゃなかったんだよなあ。つかこれは訳の問題なんだけど、犯人の口調がエラい田舎もんみたいな調子なのにも、何だかちょっとモヤモヤした。

あとトンガの描写は今読むと差別が甚だしくてちょっと残念。まあ、著者を含めた当時の英国人の、マイノリティに対する認識 (とゆうか無知) が分かって面白い、みたいな価値はあるのかもしれない。

それとこれも訳絡みだけど、訳者あとがきや解説は、どうにもマニアックすぎる感じで、ぼくみたいなホームズ初心者にはちょっと馴染めないなあとも思ったり。とはいえ、シャーロキアンてこんな感じなのか、て空気が知れたのは大いに参考になった。

いろんな読みかたがあっていいとは思うけど、いかにもこじつけっぽい深読みで、作品そのものの楽しみを損なってるんじゃないかとさえ思ってしまった。

訳そのものの言葉遣いは現代風に改まってて、すこぶる読みやすいんだけどなあ。何だか惜しい。

てまあ、広く知れ渡っている『四つの署名』てタイトルを、敢えて変えるセンスのなさは正直どうかと思うけど。

おわり。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

 -小説

ad

スポンサーリンク

  関連記事

ゴーン・ガール (ギリアン・フリン)【読書】「不快」が滲み出る「文芸」

男と女のサイコロジカル・スリラー。

容疑者Xの献身 (東野圭吾)【読書】

運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪。

夜歩く (横溝正史)【読書】古神家の一族

金田一読破への道、9冊目。

緋色の研究 (コナン・ドイル)【読書】

シャーロック・ホームズ、デビュー戦!

がんばらないために、がんばる。

伊坂幸太郎さんの『あるキング』を読んで、「がんばる」ってことについてちょっと考えてみました。

悪魔の手毬唄 (横溝正史)【読書】

一羽のすずめのゆうことにゃ。

回想のシャーロック・ホームズ (コナン・ドイル)【読書】

宿敵モリアーティー教授登場!第2短篇集。

複製された男 (ジョゼ・サラマーゴ)【読書】

彼がオリジナルで、自分が複製された男なのか!

プラチナデータ (東野圭吾)【読書】

東野圭吾さんの小説『プラチナデータ』を読みました。ミステリとしてはイマイチでしたが、近未来の世界観が良く出来てて楽しめました。

世に棲む日日 (一) (司馬遼太郎)【読書】松蔭吉田寅次郎、読書の旅

吉田松陰と弟子高杉晋作を中心に、変革期の人物群を鮮やかに描き出す長篇!

ad

スポンサーリンク

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

スポンサーリンク

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

no image
横山秀夫の警察小説にハマる

いまさらですが、横山秀夫さんの小説にハマっています。 サクッと気楽に読める小説を、と手元にあった『深

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

迷路荘の惨劇 (横溝正史)【読書】

角川文庫・金田一耕助ファイルの8冊目『迷路荘の惨劇』を読みました。子どものころハマった金田一を、1年

ゼッタイ押すなよ!【映画】人生スイッチ (2014)

押したら、さいご。

  • ランキングに参加しています。当ブログの順位は以下から確認できます。

    にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

    ブログランキングならblogram track feed コタノト!



  • follow us in feedly