街の灯 (1931)【映画】

   

盲目の花売娘のために奮闘するチャーリー。無償の愛を笑いと涙で描く不朽の名作。

街の灯 チャップリン

何だか久しぶりにチャップリンを観たくなった。つーわけで、『街の灯』。

1931年製作のサイレント映画だ。数年前にTVで放送されたものを、録画で鑑賞。BSだったのでおそらくノーカット。字幕版で87分。これくらいの長さの映画って、とても心地いい。

サイレントなので (当たり前だけど) セリフはないが、のちに再構成 (?) されたヴァージョンとみえて、音楽付きだった。

おなじみチョビひげ紳士然とした男 (チャップリン) が主人公。身なりはそこそこだが、ホームレスだ。まあ、チャップリン映画の主人公は、いつだって社会的には弱者 (貧しかったり、マイノリティだったり) だけど、心は清らかな好人物。本作もそのご多分に漏れず、とても清々しい。

そんな男が、路上で出会った盲目の花売り娘 (ヴァージニア・チェリル) に恋をする。一方では自殺願望の大富豪 (ハリー・マイヤーズ) と知り合い、彼の援助 (?) を受けて、生活が苦しい娘を救おうと奮闘する。そんなおはなしだ。

盲目の花売りなんて設定でもわかるように、本作はけっこうペーソスが強い。何となくのイメージで、もっと幸福感に溢れたおはなしなのかと思っていたので、ちょっと意外だった。

それでも大富豪とのやりとりなんかは喜劇色タップリで、楽しませてくれる。愉快だと思ったらふっと物悲しくなったりと、感情の揺さぶりはなかなか激しい。

つかこの大富豪、だいぶムチャクチャだよね笑。躁鬱病とゆうか健忘症とゆうか、とにかくお酒を飲むと性格が劇変する。忠実な執事 (アラン・マイヤーズ) と合わせて、なかなか良いキャラクタだった。

一番楽しいのは、賞金を手に入れるために出場するボクシングのシーン。審判と対戦相手を合わせた掛け合いは、いかにもチャップリンらしい軽快な動きで、ずっと観ていても飽きない。

あとあと、最終的には強盗に間違われて捕まってしまうんだけど、これもチャップリンの映画ではお決まりな気がする。どの作品でも、だいたい一回は捕まるよね笑。

大富豪から貰った (盗んだ笑?) お金は、花売り娘にすべてあげてしまう。んで無実 (?) の罪で収監されるんだけど、その間に娘は目の手術をして、お花屋さんも開いてすっかり良い暮らしを送っている。

そこに出所してきたチャップリンが現れて、お金をくれたのはこのひとだったんだ!て気づくところで映画は終わるんだけど、この娘、そんなにいいひとってわけでもない感じなのが、何だかすげー悲しいんだよなあ。

正体に気づくまでは、身なりのヒドいチャップリンを街の子供と一緒になって小バカにしてるようなふしもあって、至って普通の人間なんだよね。

そんな娘のために奮闘してたのかと思うとなあ、何であんなに入れあげてたんだろう、なんてふうにも思っちゃう。盲目だったから?それってちょっと逆差別のような気もするんだが……。

いや、いかんいかん、チャップリンはそーゆう歪んだ眼で観たらいかん笑。もっと真っ直ぐな心で観なくちゃ。

そーゆう純粋さを、知らず知らずに求めていたからこそ、チャップリン映画を観たくなったよーな気もするし。現代の (良い意味でも悪い意味でも) 技巧的すぎて複雑な映画に疲れたとき、心の歪みを矯正するために観るチャップリン映画。サプリというか何というか、癒しであることは間違いない。

これ『街の灯』てタイトルの意味は、チャップリン演じる男のこと?娘に光を与え (盲目を治す) 、なおかつ自分の手柄は誇示しないとゆう、まるで街灯のような存在、そんな意味合いなのかなあ。そー考えると、しみじみ良い映画だわ (今さら笑)

おわり。

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作品情報

『街の灯 (City Lights) 』。1931年アメリカ。チャールズ・チャップリン監督・製作・脚本・音楽・主演。87分。共演にヴァージニア・チェリルほか。

チャールズ・チャップリンが手掛けた、不朽の名作と名高いロマンティックなドラマ。ある日、街で出会った盲目の花売りの娘 (ヴァージニア・チェリル) に心を奪われてしまった放浪紳士 (チャップリン) 。彼女に金持ちだと誤解された彼は、目の治療費を稼ぐために悪戦苦闘するが…。

via: Amazon内容紹介 (「キネマ旬報社」データベースより)

 -1989年以前の映画 ,

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