エクソダス: 神と王 (2014)【映画】

      2015/02/23

戦う者だけに、「奇跡」は訪れる。

エクソダス 神と王 リドリースコット

『エクソダス: 神と王 (Exodus: Gods and Kings) 』の試写会に行ってきた。2014年製作、リドリー・スコット監督 & クリスチャン・ベール主演の歴史スペクタクルだ。150分と、やや長め。3D字幕版で鑑賞。

予備知識はほとんどなし (モーゼのはなしだってことは、会場についてから知った笑) 、さして期待もせずに観たのだが、はなしはわかりやすいし映像は迫力あるしで、長尺でも飽きることなく楽しめた。

この手の超大作って久しく観てなかったけど (小規模な映画が好き) 、たまに観るのと面白いね笑。

Exodus

タイトルのエクソダス (Exodus) とは、旧約聖書の『出エジプト記』のことで、本作はまさにこの物語が下敷きになっている。

英単語の”exodus”には、転じて「 (民族) 大移動、大量出国」などという意味もあるが、ヘブライ人 (イスラエル民族, ユダヤ人) たちの大移動は、物語のクライマックスでもある。

旧約聖書は知らなくても、モーゼの『十戒』といえばピンとくるかたもいるのではないか。チャールトン・ヘストン演じる予言者モーゼが、海を割るシーンはあまりにも有名だ。

といっても実はその『十戒』、ぼくはちゃんと観たことがない。だって4時間近くもある超大作なんだもん笑。『未知との遭遇』でも、『十戒』は長すぎるから”五戒”くらいまでにしておけ、なんてセリフが出てくるくらい。

そーいう意味では本作の上映時間150分てのは、『十戒』からみたらちょうど半分くらい、五戒くらいの尺で、コンパクト (?) にまとまっていると言えなくもない。

てわけで、あらすじはほとんど知らずに観たわけだけど、それでも本作は十分楽しめるようにできている。信仰に対する感覚はちょっとピンとこない部分もあったけど、特に何か予備知識がないと困る、とゆうわけでもない。

※以下、ストーリーを追いながら、ネタバレとか気にせずに思ったことを書くので、読む読まないは自己責任で。

まあ、ネタバレ云々で言えば、本作は3,300年前から知られている有名な物語なわけで (てぼくは知らなかったけど笑) 、すでに大昔からネタバレされてるとも言える。本作の見どころはストーリーにあらず、といったところか。

モーゼとラムセス

エジプト王の後継者ラムセス (ジョエル・エドガートン) と、兄弟同然に育てられたモーゼ (Cベール) が主人公。勇猛果敢にして頭脳明晰、ラムセスよりも王としてふさわしいように見えるが、あくまで補佐役に徹している。

モーゼは先王セティ (ジョン・タトゥーロ!) の信頼も厚くて、ラムセスはちょっと嫉妬しているふしもある。オープニングの戦さでは、ラムセスがモーゼに命を救われちゃったりもして、それが後々決裂する微妙な伏線にもなっている。

先王と後継者、勇猛果敢な補佐役、みたいな構図は、リドリー・スコット監督の『グラディエーター』とだいぶ似ている。けど『グラディエーター』のほうが、内面的な葛藤はよく描けていたように思う。

ラムセスもかなり気持ち悪いけど (褒め言葉な) 、ホアキンのルキウスにはやぱ負けるよね (ホアキンどんだけキモいんだ笑) 。

つかこの映画、エジプトメイクが濃すぎて誰が誰だかよくわからない!ジョン・タトゥーロとか大好きなんだけど、全然気づかなくていつ出てくんのかとずっと思ってた笑。

まあ、ベン・キングスレーとかシガニー・ウィーヴァーとかはすぐわかったけど、ビッグネームのわりにはあまりに端役で見せ場も乏しい。何だかもったいないキャストだったなあ。

それと、本作はリドリー・スコットにしてはだいぶ「痛く」ない。ぼくはエグい描写苦手だから、「痛い」のイヤだなあと思ってたんだけど、そーゆう点でもだいぶ観やすかった。

放逐

この時代、ヘブライ人はエジプト人 (?) の奴隷として虐げられている。その奴隷の街へ視察に訪れたモーゼは、街の長老ヌン (ベン・キングスレー) と出会い、驚くべき出生の秘密を知らされる。モーゼは実は、ヘブライ人の血を引く者だというのだ。

やがて先王が死に、ラムセスが新たに王となる。モーゼは最高顧問として彼を補佐していたが、ラムセスもモーゼ出生の秘密を知り、嫉妬心も相まってモーゼを都から放逐してしまう。

この映画、世界史オンチのぼくでもだいぶわかりやすく作られてるけど、たとえばヘブライ人がどうこう、みたいなはなしは、感覚として今ひとつピンとこない部分もあった。

この辺りのはなしって、イスラエルとパレスチナの宗教的な問題とも関わってくるんだけど (映画とは関係ないけど) 、今ひとつ漠然としか理解してないんだよね。

そーゆう現代との繋がりだとか、地理的な位置関係なんかの知識もちゃんと持っていると、また違った楽しみかたができるのかな、なんてふうにも思った。いずれ勉強しよー。

神との対話

都を追われたモーゼは旅を続け、とある村に腰を落ち着け、一気に9年が経過する。なんと急展開!モーゼは妻子に恵まれ、羊飼いとして平和に暮らしている。

ある日、村の裏手にある神聖な山に登ったモーゼは、滑落事故に遭い、生死を彷徨う朦朧とした状態で、神のお告げを聴く。同志のヘブライ人たちが、依然として虐げられているのを無視していいのかと。

この神様が、子供の姿ってのがなかなか面白い。何百年も放っといたくせに、いきなりモーゼに立ち上がれってゆうのはだいぶ酷だけど笑 (モーゼ自身も劇中でツッコむ!) 。

十の災い

仲間のために立ち上がることを決意したモーゼは、ヘブライ人の奴隷街に戻り、ラムセスに宣戦布告!ヘブライ人たちを組織して、小さな戦闘を繰り返す。

ちなみに、戻る途中の旅路だったり、あるいは村での息子との暮らしだったりは、緩い伏線にもなっていてなかなか巧い。

戦闘は一定の成功を収めるが、神様にそれじゃ時間が掛かりすぎると諭される。ずっと放ったらかしといたくせに何を今さら笑!

突如本気を出す神様。世に言う「十の災い」である。ココが本作の肝だろう。最新の映像を駆使したおぞましい災いの数々!ワニ!カエル!虫!ゾワゾワー!

宣伝のポスターにも「10の奇跡!」とか書かれてたから、観ながら数えてたんだけど、10コも見つけられなかったから後で調べた笑。

参考 ▷ 十の災い – Wikipedia

3と4, 5と6, 9と10は一緒くたなのかと思ってたよ。後に出てくる海割れやら崖崩れやらも含まれるのかと思ってた。

何気に一番気持ち悪かったのは、腫れ物のあざ、かなあ笑。地味だけど、痛痒い〈いたがゆい〉よね。あーやっぱリドリー・スコットだわ、て思った。

約束の地へ

さてさて、災いの結果、息子 (赤ちゃん) が死んでしまったラムセスは、モーゼたちヘブライ人に街から出て行けと叫ぶ。とゆうわけで、約束の地を目指して、50万人の大移動が始まる。

ちなみに大群衆の移動って、画は地味だけどけっこう好き。動物ドキュメンタリーとかでも群れが出てくるとテンションあがるし笑。てかこの映画、古代エジプトの街並とかもなんだけど、空撮の感じがすごく雰囲気出ててステキ。

出て行け、とか言ったわりに後から追いかけていくラムセス。復讐心から彼らを皆殺しにしようとゆうのだ。この辺りの心理はよくわからんかったな。どんだけツンデレなんだとは思うけど。

一方、別れ道に差し掛かるモーゼ一行 (一行、と言うには大所帯すぎだけど笑) 。遠回りだけど安全な海沿いを行くか、急峻だけど近道な山道を行くか。

岩陰に隠れて神様に聴こうとするモーゼ。チートですね笑。けっこう可笑しみもあって好きなシーン。けど現れない神様。肝腎なときに!まあ最後は自分で何とかせい、てことなんだな。

テキトーに山道を選ぶモーゼ。だんだんヤケクソになっていく感じが巧いぞCベール。

何とかして海に辿り着くも、満潮なのか、全然渡れる気配なし。前は渡れたのに!てかココは前来たとこなのかそもそも……。

後ろからはラムセス軍が迫る。追いつめられたモーゼ。もう知らない!とばかりに剣を海に投げ、まさかの不貞寝笑!

海割れ、とゆうか海閉じ

朝になって目覚めてみると、なんとゆうことでしょう!潮が引いて渡れるようになってる!ラムセスが来る前に、向こう岸へ、急げ急げ!

ラムセス軍は、急な山道を馬車で攻める攻める!と思ったら崖が崩れて一気に半分以上落ちたー!けど構ってられねえ、放ったらかしてモリモリ追うラムセス。クライマックスに向って、みんなヤケクソ笑

岸まであとちょっと、てところでついに現れたラムセス軍。追いつかれちまった!が、海の彼方から津波も迫ってくる!

『十戒』は海がパックリ割れるけど、それとは逆に、海が閉じるスペクタクル、てのが何とも巧い。

ヘブライ人たちは向こう岸へ、ラムセス軍は諦めて引き返すも、モーゼとラムセスのみ猛然と海のど真ん中へと向かう。最後の対峙、と思いきや、もろとも津波に飲まれたー!

津波の描写って、やっぱりまだ大震災を思い出してしまうな、なんてこともちょっと思った。日本人にとっては別種の感情も甦ってしまうとゆうか。ちょっと痛ましかったな。それくらい真に迫っているとも言えるけど。

何とか生き残ったモーゼとラムセス。それぞれ逆サイドに流れ着いたのは完全にデキすぎだけど、もうおわりだからいいや笑。

さいごに

海は何とか渡ったけど、まだまだ旅は続く。家族との再会し、十戒を定めるあたりを駆け足で描き、旅の途中で最期を迎えたことを暗示するような描写で、映画は終わる。

それにしてもCベールは何やってもカッコイイなあ。前半の勇猛な戦士から、後半ヨレヨレの小汚い旅人まで、キャラクタを見事に演じ分けている。

ともすればチープにもなりそうな題材にあって、ある種の重厚感を与えているのは、このCベールの佇まいによるところも大きいように思う。

壮大なシーン、特に十の災いや海割れなんかは、劇場の大画面で観てこそだけど、わざわざ3Dにまではしなくてもよかったのになあ、2Dでも十分な迫力のような気がするんだけどなあ、なんてことも思ったりした。

おわり。

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作品情報

『エクソダス: 神と王 (Exodus: Gods and Kings) 』。2014年イギリス / アメリカ / スペイン。リドリー・スコット監督。150分。

旧約聖書の出エジプト記に登場する、モーゼのエピソードをベースにしたアドベンチャー。紀元前のエジプトを舞台に、王家の養子として育てられた男モーゼがたどる数奇な運命と壮絶な戦いを活写する。メガホンを取るのは、『グラディエーター』『プロメテウス』などのリドリー・スコット。『ザ・ファイター』などのオスカー俳優クリスチャン・ベール、『華麗なるギャツビー』などのジョエル・エドガートンを筆頭に、実力派やベテランが結集。

via: シネマトゥデイ

主演はクリスチャン・ベール。共演にジョエル・エドガートン、アーロン・ポール、マリア・バルベルデ、ジョン・タトゥーロ、シガニー・ウィーヴァー、ベン・キングスレーほか。1月30日公開。一部劇場で前夜 (29日) 特別上映あり。

あらすじ

紀元前1300年。最強の王国として名をはせるエジプトの王家に養子として迎えられて育ったモーゼ (クリスチャン・ベール) は、兄弟同然のような固い絆で結ばれていたはずのエジプト王ラムセス (ジョエル・エドガートン) とたもとを分かつ。その裏には、苦境に立たされている40万にも及ぶヘブライの人々を救わねばならないというモーゼの信念があった。そして、彼らのための新天地「約束の地」を探し求めることに。過酷な旅を続ける一方で、彼はエジプトを相手にした戦いを余儀なくされていく。

via: シネマトゥデイ

予告編

映画『エクソダス:神と王』予告編 – YouTube

 -2010年代の映画 ,

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