本気で5アンペア / 5アンペア生活をやってみた (斎藤健一郎) 【読書】365日の5アンペアライフ

      2015/05/08

3.11を忘れない。節電、足下からの脱原発と快適な都会暮らしを目指す日々を紹介。

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朝日新聞記者の斎藤健一郎さんが書いた『本気で5アンペア』と『5アンペア生活をやってみた』を立てつづけに読みました。

電気に極力頼らない暮らしをしたい。東日本大震災をきっかけに節電生活を決意した記者が始めたのは「普通の生活はできなくなる」という5アンペア生活。エアコンや電子レンジはもう使えない。冷蔵庫やテレビは? 身の回りにあふれる電化製品と決別して試行錯誤の末に辿りついた本当に豊かな生き方とは。

via: Amazon内容紹介 / 『5アンペア生活をやってみた』

てな内容で、2冊ともほとんど同じ内容です。例えば『〜やってみた』の目次は以下の通り。

  • はじめに
  • 1章 省エネ、エコってなんだろう
  • 2章 福島での震災・原発被災体験
  • 3章 5アンペア生活を決意する!
  • 4章 電気を見えるようにしてみた
  • 5章 エアコンなしで夏を過ごしてみた
  • 6章 家電を手放してみた
  • 7章 エアコンなしで冬を過ごしてみた
  • 8章 自然エネルギーを味方につける
  • おわりに

つー感じで、3.11のときに福島にいて「被災者」となった著者が、原発とそれに支えられた大量消費生活に疑問を抱くようになり、電気に頼らない暮らしを目指して始めた「5アンペア生活」の全貌が、ほぼ時系列で書かれています。

著者は朝日新聞の記者さんで、新聞での連載を下地にしているみたいです。わが家は朝日なんですが、連載時はまったく気づきませんでした (ごめんなさい!) 笑。暮らし面 (?) て、普段ほとんど読まないからな笑……。

感想!

2冊の比較

2冊はほとんどおんなじ内容なので、どーしても時間が惜しいってかたはどちらか一冊だけ読めばいいと思います。

読みやすさでいったら、より後に書かれた『〜やってみた』。文章が洗練されている印象を受けました。あと『本気で〜』の後日談的エピソードもちょっとだけ加わっていて微笑ましいです (ちなみにぼくは、刊行年に従って『本気で〜』→『〜やってみた』の順に読みました) 。

んでもまあ、それが微笑ましいと思えるのは『本気で〜』を読んでたからのような気もします。キレイにまとまっている『〜やってみた』に対して、『本気で〜』のほうはライヴ感とゆうか、文章に勢いを感じます。より自伝的な構成で、ストーリー性も高いです。さまざまな局面で悪戦苦闘する様子が面白おかしく描かれています (もちろん著者さん本人は必死です。やってるひとが大マジメ、てのはコメディの鉄則ですね) 。

一方、『〜やってみた』のほうは、「5アンペア生活」の実態を「説明」してる感じです。自分もやってみよう!て読者向きといえるかもしれません。やろうと思わなくても十分面白いですが。

つーわけで、2冊それぞれに良さがあるので、結局のところ読み比べるのが一番面白いと思います。まあ2冊ともコンパクトにまとまってますし、平易な文章でスイスイ読み進めることができます。

「狂気」が生む「本気」

昨年観たドキュメンタリー映画『365日のシンプルライフ』がぼくはわりと好きなんですが (去年の年間ベスト映画にも選びました) 、この「5アンペア生活」も多分に似たところがあるように感じました。どっちかにハマったかたは、もう一方も楽しめるんじゃないかと思います。

『〜シンプルライフ』のモノを手放したいとか、本書の電気に頼らないとかって、わりと思いつきはしますしけど、ここまでストイックにやろうとするひとは、まあほとんどいないわけです。その実行力にはある種の「狂気」さえ感じます。

本書の著者さんはなるべくストイックにはならないようにユルくやっていこう、てコンセプトですが、とっかかりではやっぱり「一線」を越える必要があって、そのエネルギー源が「狂気」なんではないかと思うわけです。

『〜シンプルライフ』のペトリの原動力は、女にフラらるとゆうわりとしょうもない (けどわりと男の本質だったりもします笑) 理由でしたが、本書の著者さんは「3.11」とゆう (ペトリからみたらかなり笑) マジメなきっかけです。

それなのにエピローグでは「家族が増える」というかなり似た「オチ」だったのにも何だかホッコリしました。

「狂気」からはじめた極端な生活なのに、その結果として見えてくるのが、周囲の「常識」がおかしいのでは?みたいな問題提起もなかなか考えさせられます。

さいごに

新聞連載時、「そんなことをしても意味がない」とか「偽善だ」といった批判が一部であったそうです。

意味はないかもしれないけれど、自分の手が届く範囲でできることをやろう、という著者のスタンスにはかなり共感できるので、わりと的外れな批判だなあと思いながら読んでいました。

人生は多くの「無意味なこと」の積み重ねで成り立っている、とぼくは思っているので、結局のところ楽しんだもん勝ちです。

偽善だっていいんです。どっかの電力会社や政府がやってるような「隠蔽」や「嘘の神話」に比べたら遥かにマシだと思います笑。

脱原発を叫ぶ「だけ」ならたやすいですが、できることなら行動も伴っていたいものです。どんな小さな行為でもいいので、少しずつやっていけたら……。そんな、ユルくてもいい節電意識を、5アンペア分くらいは高めてくれた一冊 (とゆうか二冊笑) でした。

おわり。

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オマケ

鍋でお米を炊く

何気に一番へえ!と思ってやってみたくなったが、鍋でお米を炊く方法。参考のために引用しておきます。

「水の量は米の1.2倍。米2合 (360cc) ならば水は430cc、3合ならば650ccくらい。最初は強火にかけて、沸騰したらごくごく弱火に。15分したら火を消して、10分蒸らせば、はい、できあがり」

via: P148 /『5アンペア生活をやってみた』

弱火の間はフタを開けない、てのがポイント。朝ドラ「マッサン」で相武紗季さんが言ってた「はじめチョロチョロ、なかパッパ、 赤子泣いても蓋とるな」ですね。今度ヒマなときにやってみよう!

作品情報

『本気で5アンペア 電気の自産自消へ』。2014年コモンズ刊。174ページ。

3.11をきっかけに、家電大好き人間が、電力会社との契約アンペアを一般的な40アンペアから5アンペアに切り替えて1年半。1カ月の電気代は平均224円。ガスでの炊飯、電子レンジから蒸し器へ、ソーラー充電器の活用、冷蔵庫をめぐる試行錯誤……。節電、足下からの脱原発と快適な都会暮らしを目指す日々を紹介。

via: Amazon内容紹介

目次は以下の通り。

  • プロローグ さよなら東電
  • 第1章 天国から地獄へ
  • 第2章 断・電気宣言から5アンペア契約へ
  • 第3章 家電版事業仕分けで不安解消
  • 第4章 励まし、批判、苦闘
  • 第5章 5アンペア生活の成長
  • 第6章 自然を味方につける
  • 第7章 電気の自産自消へ
  • エピローグ 5アンペア生活が普通の暮らし
  • あとがき

『5アンペア生活をやってみた』。2014年岩波ジュニア新書刊。217ページ。

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