人体工場 (仙川環) 【読書】サンデル先生でも読めよ笑

      2015/05/14

治験バイトの裏に恐るべき計画が!?

人体工場

仙川環著『人体工場』読了。2010年PHP文芸文庫刊 (2009年初出) 。349ページ。

尿に多量のたんぱくが出ているのに、腎機能にはまったく異常がない__。美人医師・若松みなみの検査を受けた大学生の真柴徹は、以前に軽い気持ちで参加した治験のアルバイトに疑いを抱く。一緒に治験を受けた火野美紀とともに真相を探り始めるが、彼女は突然行方不明になってしまった。美紀を救うべく、単身敵地に乗り込んだ真柴は、恐るべき計画の存在に気づいたのだが…。医療ミステリー最新作。

via: 人体工場 (PHP文芸文庫)

てな内容の医療ミステリで、はじめて読む作家さんでした。家族が読んでいたので、つられて読んでみたんですが、まー軽い軽い笑。

展開もキャラクタも文章もすべてが雑、のわりには読みやすいんで、サクッと読み終えてしまいました (読みはじめてから実質24時間かからなかった、てのはぼくにしてはかなり早いです )。

ツッコミどころが満載すぎて、イチイチつっこんでらんない笑。んで読み耽ったわりには、あんまり残っていないなあ……。

おんなじ医療ミステリなら、似たタイトルの帚木蓬生著『臓器農場』のほうが遥かに読み応えがあってオススメです。『エンブリオ』あたりも問われているテーマはわりと似ています。

本作もテーマは悪くないんですが、残念ながらほとんど掘り下げてられていません。浅瀬をちゃぷちゃぷ、とにかく浅い笑。読みやすさを優先したのかもしれませんが、ここまで来るとリアリティに疑問が出てきてしまいます。

これ、「人体工場」はマクガフィンとゆうか、後半はもはや「医療」である必要なくねーか、とゆうやっつけ展開で笑えます。もうちょっと何とかならなかったんだろうか。

キャラクタも全然描けていなくて、行動原理がかなり御都合主義なのもイチイチ引っ掛かりました。グダグダすぎて逆に先が読めないとゆうナゾ展開も手伝って、グイグイ読んでしまいました笑。マイナス掛けるマイナスはプラス!

エライお医者が実はマッドサイエンティストで、対する治験者の主人公はへっぽこ文系大学生、だけど全うな感覚を持っている、つーコントラストが良いのに、その設定がまったく活かされてないんですよねえ。何とも惜しい。

医療は理系分野ですが、倫理面は文系の領分だと思うわけです。哲学の課題ですからね。そのあたりの理系 vs. 文系みたいな構図になってくるなら、まだしも納得感のある「解」が提示できて深みが生まれたよーな気もするんですが、小説のオチじゃ単なる反知性主義じゃんか!

つかこれ、書かれたのは「ハーバード白熱教室」が放送されてたころで、わりとこの手の「正義論」て流行りだったよーに思うんですよねー。それを全然取り込めていない笑!

つーわけで本書で提示される「人体工場」の是非について考えてみたいかたは、サンデル先生の著書『これからの「正義」の話をしよう』(や、映像だったら「ハーバード白熱教室」とその書籍版) あたりを読んだらいいと思います。

いずれにしても、頭使わないでサクッと読むにはピッタリの小説でした (実際、偏頭痛で何もやる気でないときでも本書だけは読めた笑) 。空港とか新幹線のホームとかで買って、車中の手持ち無沙汰を埋め合わせる、そんなシーンが合いそうです。暇つぶしにはもってこいな一冊。

おわり。

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 -小説

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