真夏の方程式 (東野圭吾)【読書】

      2014/07/17

その夏、少年が出逢ったのは、〈博士〉だった__。

真夏の方程式

東野圭吾著『真夏の方程式』読了。

ドラマや映画が大爆発だったんで、もはや説明不要かと思いますが、物理学者湯川学が活躍する『探偵ガリレオ』シリーズの6冊目です。長編小説としては3作目。僕は全部読んでます。大好きなシリーズ。

だって物理とミステリーですよ。これおれのために書かれたんじゃね、て思えるくらいドハマり。うん、そう思ってる人、世の中にきっとたくさんいるはず。

もう新作は出ないだろうな、なんて、何となく勝手に思い込んでました。なので余計にうれしい。東野さんサービス精神旺盛。

冒頭から感じる「空気」

この新作が出るにあたって、作者さんはこんなこと言ってます。宣伝広告に載ってた。巧いんだよなーこーゆうの。

執筆にあたり、前二作の『容疑者Xの献身』や『聖女の救済』とは全く雰囲気の違うものにしようと考えました。まずは空気です。少し陽性にしたいと思いました。そこでまず思いついたキーワードは、「少年と科学者」でした。

あれ、ガリレオ先生て子供嫌いだったんじゃ・・。

まあ細かいことはさておき、「空気」、確かにちょっと違いました。てか、東野作品のキーワードて「空気」なんじゃない?なんて久しぶりに読んでみて思いました。

なんてゆーかこう、冒頭から「匂い」とか「色」とか浮かんでくるんです。夏の匂い。海の色。巧い。

冒頭といえば、湯川先生の登場シーンがオシャレ。オープニングがカッコいい映画て、それだけで何かカッコつくじゃないですか。たとえば「ルパン三世」シリーズや「007」シリーズ。タイトルがバーンて出る前にちょっとひと暴れ、みたいな。

とにかくオシャレでカッコよくて、しかもこれは面白くなりそうだみたいなワクワク感。この小説でもこの感じがすごく出てます。この最初の数ページで思わずニヤリ。立ち読みででも読んでみることをお薦めします。うん、きっと買いたくなるはず。

王道とオマージュ

全体通しての感想はというと、王道で来たな、という感じです。ミステリーの王道。

田舎の鄙びた旅館なんて舞台設定は横溝正史ぽいし、裏っ側にある事件の安っぽさとか人探しなとことかは松本清張入ってる。コテコテのザ・ジャパニーズ・ミステリーといった趣き。

これは子供の頃どっちにもハマったことある僕としてはかなりうれしくて、ほとんどオマージュなんじゃないかと思ったとこもちょいちょいありました。こういうとこも読んでてニヤニヤできたポイント。

ミステリーと数学

作者さん自身が言ってるように、前二作とは確かに全然違います。

何が?ってゆうと、僕が感じたのは、前二作は例えて言うなら「証明問題」。それが今回は何てゆうか、難解な方程式を紐解いてく感じかな?なんてこと考えながら読んでたら、タイトルに「方程式」って入ってんじゃん!て気づいて、一人で繋がった感じしてテンション上がってました。作者さんの真意は不明ですけどね。

今作のこの「方程式」、超難解な上に解き方間違うとドエライことになります。どうドエライことになるかは読んでのお楽しみです。

東野圭吾スゲェ

それにしても東野圭吾はほんと巧いなあ。見せ方が。読んでて全部計算されてる感じがします。巧すぎてちょっとキライ。

あとこの作品はとにかくテンポがいいです。「どうなんのどうなんの?」てのが高まってきたとこで、パッと視点変えられるから、気になっちゃってどんどん先読みたくなっちゃう。ん?てことはテンポは悪いのか?まあ何が言いたいかというと、夜読むときはご注意下さい、てことです。僕は何度かやっちまって寝不足気味になりました。こんなのは「24<twenty four>」以来です。編集賞ものですね。

まとめ

タイトルにもなっているように、作中の季節は夏です。僕が読んだのは6月頃で、季節もマッチしていましたが、今だと真逆なのでちょっとイメージが合わないかもしれませんね。逆に暖かさを感じられて、また違った味わいがあるかもしれません。いずれにしても面白いことに変わりはないので、そんなの全然気にならないかもしれません。とにかくオススメな一冊です。

ガリレオシリーズは他にもたくさん出ています。まだ読んでない、という方はこれを機に読んでみることをオススメします。基本的にはそれぞれのお話は独立しているので、どの作品から読んでも大丈夫です。個人的には映像化されている3冊のどれかから読むのが良いかと思います。また、映画やTVドラマもなかなかいい感じなので、そちらの方でチェックしてみるのも良いかもしれません。

 -小説

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