アホー鳥が行く 静と理恵子の血みどろ絵日誌【エッセイ】大人の遊びの流儀
2014/02/13
週刊大衆で連載された人気ギャンブルエッセイの文庫化第一弾です。
内容は10年以上前のものですが、まったく古びていませんでした。ギャンブルはときを越える、です。
カッコいい大人
今では少なくなってしまったカッコイイ大人、伊集院静先生のギャンブルエッセイです。大先生の文章を書籍として読むのは今回が初めてです。
カッコイイ大人って、何がカッコイイんだろう、てことについてちょっと考えてみました。
ひとつは「遊び方を知っている」てことなんじゃないかと思います。いろんな遊びを知ってるし、その楽しみ方がカッコイイんだと思います。
もうひとつは、働いてんだか遊んでだかわからない、というのもカッコよく見えるポイントな気がします。仕事と遊びの境界が曖昧とでもいいましょうか、どっちが本業なのかわからない、みたいな。
遊びである(?)ギャンブルをエッセイにしちゃってる大先生は、まさにカッコイイ大人そのもの。こっちが何歳になっても、この人オトナだなあ、て思ってしまいます。
大人になったらギャンブルのひとつでも
大人の遊びの最たるものがギャンブルです。
麻雀、競輪、カジノ、競馬。本書ではあらゆるギャンブルが登場します。カッコイイなあ。
僕はまだまだひよっこなので、詳しいのは競馬くらい、それも嗜む程度です。麻雀とかルールもよくわかんない。
けどルールとか全然分かんなくても、読んでると面白いから不思議です。「何かわかんないけどそれ面白そう」と思えるし、ちょっとやってみたいなあ、て気になってしまいます。危ない危ない。
ギャンブルこそ人生
人生はギャンブルだ、なんて言いますが、この本を読んでいると、ギャンブルこそ人生なんじゃないかと思えてきます。
僕自身競馬が大好きなので、そのことを人に言ったりするのですが、ときに失笑されたりシロい目で見られたりすることがあります。賭け事なんかやってないでマジメに生きろ、といったような。
でもギャンブルやってるからこそ見えてくることってたくさんあると思います。
もちろんギャンブルで儲かったらそれはスバラシイことですけど、やる目的はそれだけじゃないように思います。
予想でいろいろ考えたり、失敗から学んだり、勝負事の流れとかの数値化できない感覚を磨いたり。
ギャンブルやってると、そういうのが最高に楽しいなあと思える瞬間がときどきあって、ほとんどこのためにやってるようなところもあります。お金儲けは二の次。
本書には、そういったギャンブルを通して見えてくる人生哲学みたいなものがたくさん散りばめられていて、そこが最高に面白いです。単なる大先生の焦げつきエッセイじゃない笑。
作家と搦むサイバラが好き
サイバラさんの挿絵マンガが大好きです。サイバラさん自身の作品はもちろん面白いですが、作家と組んだ仕事も結構好きで、僕はそっちの方がたくさん読んでるくらいです。
清水義範さんとの「お勉強シリーズ」とか大好き。
伊集院先生が文章でそれっぽいエラソーなこと言ってるのに、サイバラさんがマンガでチャチャ入れたりツッコミ入れたり。その掛け合いが素晴らしいです。
お互い相手の文章だったりマンガだったりはあんまり気にしないで作ってると思うし、たまに文と画が全然関係ないときもあるんですが、それでもなんか息ピッタリな感じがすごいです。
大先生の小難しい文章に唸りながら、サイバラさんのマンガで笑って一息つく、という具合で、いいペースで楽しく読むことができます。
まだまだシリーズがたくさんあるみたい。今も連載中なのかなあ?最近のとかどんな感じなってるのか、ちょっと気になります。
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