【EURO2012】なぜドイツは”いつも”勝てないのか?

      2014/02/14

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photo credit: SpreePiX – Berlin via photo pin cc

EURO2012、優勝候補筆頭と目されていたドイツですが、準決勝イタリア戦であまりにもアッサリと負けてしまいました。

なんでこう”いつもいつも”、良いところまでいくけどコロッと負けちゃうんでしょう?ちょっと考えてみました。

ドイツの”惜しい”歴史

ここ数年、ドイツは国際大会でいっつもいいところまでいくんですが優勝にまで手が届きません。

参考までに、最近のEUROとW杯の成績を並べてみると、こんな感じです。

  • 2006W杯ドイツ 3位
  • 2008EUROオーストリア&スイス 2位
  • 2010W杯南アフリカ 3位

うーん、惜しい……。

誰しもが「今回こそは」と思っていたでしょう。連覇を目指すスペインにケガ人などの不安もあって、今回のEURO2012は優勝候補の筆頭でした。

ところがまたしても、準決勝でイタリアに敗れてベスト4止まり。

なぜいつも惜しいところまで行くけど勝ちきれないのでしょうか?何か理由がありそうです。

苦手意識はアテにならない

準決勝の試合前、「公式戦におけるドイツとイタリアに対戦成績は3分4敗でこれまで勝ったことがない」なんてデータが話題になりました。ドイツはイタリアに苦手意識があると。

だからイタリアが勝ったのは必然だ、なんて話を試合後けっこう見かけたんですが、僕はこの手のジンクスはあんまりアテにならないと考えています。

何十年もの間に7回しか対戦してないとかほとんどデータとして意味がないですし、まあ勝つときは勝ちますからね。

負けたときの言い訳というか、「ああやっぱりダメだったか」みたいなサポーター心理は生まれるでしょうが、まあその程度でしょう。負けた理由にはなりえないと思います。

驚くべきデータ

最後に勝った、つまり優勝したのっていつなんだろう、てのが気になったのでちょっと調べてみました。

  • W杯 1990年イタリア大会
  • EURO 1996年イングランド大会

いずれも90年代。それほど昔ではないですね。

ところで国内クラブはどうでしょう。クラブの国際大会と言えるチャンピオンズリーグ(CL)とヨーロッパリーグ(EL)で、ドイツのクラブチームが優勝したのはいつなんでしょう?

  • CL 2000/01 バイエルン
  • EL 1996/97 シャルケ

こちらもそれほど大昔ではないですが、代表もクラブも21世紀に入ってからはほとんど優勝できてない、てのはちょっと気になります。

じゃあ他の国はどうなのか、てのが気になるところです。

EURO2012ベスト8の中で、ドイツよりも”最近”国際大会で優勝してる国はどこか。ナショナルチームでは以下の4ヶ国です。

  • スペイン 2010W杯, 2008EURO
  • イタリア 2008W杯
  • ギリシャ 2004EURO
  • フランス 2000EURO, 1998W杯

ドイツは5番目ですが、クラブレベルまで広げるとどうでしょう、上記以外の国に絞って見てみます。

  • イングランド 2011/12CL チェルシー
  • ポルトガル 2010/11EL, 2003/04CL ポルト

驚くべきことに、ナショナルチームでもクラブチームでも、ドイツはチェコに次いで2番目に国際大会で勝っていない国、ということになります。

選手も国民も勝利の味を知らない、という意味ではベスト8の中でもかなり下の方です。

経験ちょー大事

それでも毎回惜しいところまで行っているのは事実です。あと一歩を突き破れないのはなぜなのか。

優勝の仕方を知る選手がほとんどいない、というのは心理面でかなり大きいと思います。

どのスポーツでも、最後の最後では経験がものをいうことが多いですから。例えばNBAでは、シーズンでほとんど活躍しなかったベテラン選手がプレーオフのゲームで試合を決めるようなビッグショットを毎試合連発する、なんてシーンをよく見かけます。

ドイツを破ったイタリアには、W杯優勝を知るアンドレア・ピルロやジャンルイジ・ブッフォン、ダニエレ・デロッシがいました。

ドイツは若いチームで勢いはありますが、メンタルが大事になってくるベスト4以上の試合になると、ちょっと萎縮してしまっているように思えます。落ち着きもありません。

経験豊富な選手というと、スタメンではフィリッピ・ラームやバスティアン・シュバインシュタイガーになってしまいます。いずれも20代です。

ドイツの試合を見ていると、U23など世代別のチームを見ているような錯覚をおぼえます。

ノッてるときは押せ押せで素晴らしいプレーを連発するのに、ひとたび逆境にたたされるとチーム全体がシュンとなってしまいます。みんながおんなじ方向を向いてしまっている。チーム全体が精神的にも若いのです。幼いといってもいいかもしれません。

ミロスラフ・クローゼのような、よりベテランのフィニッシャーをもっと重用してもよかったように思います。あくまで結果論にすぎませんが。

象徴的だった試合直前と終わり方

敗れた準決勝のイタリア戦、試合開始前のセレモニー、国歌斉唱のシーンがあまりにも印象的でした。

選手全員が、聞こえんばかりの大きな声で歌っていたイタリアに対して、ドイツの選手で歌っているのは半分くらいでした。

若い選手が多いので、「国のためにやってんじゃねえ」みたいな尖った気持ちがあったりして歌わないのかなと思ってしまいますが、ちょっと違うようです。

彼らは歌”わ”ないのではなく、歌”え”ないのではないでしょうか。

かつてのドイツは、最後まで諦めない闘志あふれるプレーで「ゲルマン魂」と畏れられました。

ところが最近のドイツ代表は、トルコやポーランド、スペイン、ガーナなど他国にルーツを持つ選手が半数を占めていて、”ゲルマン”ではなくなっています。

若い勢いとエレガントなトランジションサッカーを手に入れたかわりに、プレーは何か淡白になってしまいました。

後半ロスタイムのラストプレー、1点ビハインドでFK、全員ゴール前に上がって後は放り込むだけという場面で、あろうことか繋いで組み立てようとして終了のホイッスルを吹かれてしまいました。あまりにあっけない幕切れには勝利への執念みたいなものを感じませんでした。

かつての「ゲルマン魂」は失われてしまったのでしょうか。

失敗を糧に

それでも将来を見据えたときに、若いということは間違いなくプラスです。

これまでの失敗を糧にして、順調に行けばメスト・エジルが円熟期を迎える次のW杯とEUROは、今回以上に期待できるのではないでしょうか。ラームやシュバインシュタイガーも中堅からベテランの域に達しますし。

いい加減、勝ちきるドイツがそろそろ見たいです。W杯だと日本の前に立ち塞がってしまう可能性もあるので、願わくば次回のEUROで、ということで。

オマケ

大会前のNumberに掲載されていた記事が興味深かったです。負けたのはまさか、この十字架を背負っていたせいではないでしょうが……。

ドイツ代表が背負う、アウシュビッツの十字架。~EURO開催地ポーランドで議論~ – Number Web : ナンバー

 -Sports

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