裏窓 (1954)【映画】

      2014/10/31

サスペンスの巨匠の結婚観、なのかな?

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photo credit: thefoxling via photopin cc

A・ヒッチコック監督の映画『裏窓』を観ました。数日前にNHKのBSプレミアムで放送 (字幕版) してたのを録画で。『ヒッチコック』(2012) 観に行った後にTVでやってたら、そりゃ観たくなるよねって話です。

かれこれ10年くらい前だったか、1度観てるはずなんですが、あらすじこそ覚えてるものの細かいところはけっこう忘れていました。改めて観たら何この映画すごい。

ストーリーとか

ニューヨークのグリニッジ・ヴィレッジ。中庭を囲んで建つアパートの一室に住むジェフ (ジェームズ・スチュワート) は報道カメラマンだが、今は足を骨折して車椅子の生活。窓から近所の人々の様子を眺めて退屈しのぎをしている。ある暑い夜、ジェフは女の悲鳴を聞いた。そしてその深夜、向かいのアパートに住む宝石商 (レイモンド・バー) が雨の中を大きなトランクを抱えて二度も外出するのを見て不審に思ったジェフは、翌日から宝石商を観察する。病気で寝ていたはずの妻の姿が見えないこと、妻の指輪が部屋に残されていることなどから、ジェフは宝石商が妻を殺害したのではないかと思い始める。看護婦ステラ (セルマ・リッター) と恋人リザ (グレース・ケリー) に話すが相手にされず、友人の刑事に捜査を依頼するが怪しいことは何もみつからない。だがその後も続く宝石商の不審な行動で、リザとステラも宝石商の犯行を確信。リザは証拠を探そうと宝石商の留守宅に侵入するが戻って来た宝石商に見つかってしまう。ジェフが警察を呼びリザは難を逃れるが、そのとき、ジェフの存在が宝石商に気づかれる。ジェフが部屋に一人になったところへ宝石商が彼を殺そうとやって来る。そこへ警察が踏み込むが……。

via: P469, それはまた別の話 (三谷幸喜・和田誠)

「ベスト・オブ・ヒッチコック」に挙げられることも多い名作で、たくさんの映画マニアの方々がすげーすげー言ってたりします。実際僕もすげーと思います。

全部セットで撮影してるとかちょっと信じらんないし、さりげなく映ってるものに意味があったりだとか、いろいろ語りだしたらキリがないです。

とにかく無駄がないというか、かなり計算されてるなあという感じ。そういうの観てるだけで楽しいですし、観るたびに発見がありそう。

映画の技術だったり脚本だったりのどんなところがすごいのかとかは、いろいろな本だったりサイトだったりでたくさん言及されているので、調べてみると面白いかもしれません。

ストーリー紹介を引用した三谷幸喜さんと和田誠さん対談本は、アパートの全体図とか載っててわかりやすいですし、気楽な感じが良いです。

あと何かいろいろ見てたらそのものズバリなタイトルのこんな本もあるみたいで、すごい気になります。今度読んでみようっと。

ジミー・スチュワート

主演はジェームズ・スチュワート。めちゃめちゃハンサムってわけでもないのに、あのモテる感じは何なんでしょう。

上半身裸のシーンがありますが、けっこうダラしないお腹まわりです。どこにでもいそうなおじ様って感じ。モテる理由、ますます意味わからないですね。

何だろ、優しそうだからかなあ。実際優しいところあるし、ユーモアもあるし。お金はそれほど持ってなさそうだけど。

190cm以上あるデカい人らしいんですけど、この作品では全編車椅子なのであんまりわからないです。

グレース・ケリーが結婚したがってるのに渋ってるとか、ホント意味わかんないです。僕なら即効でオッケーするのに。でも全然厭味でもないんだよなあ。

覗きとか、やってることはかなり陰湿だし、実際いろんな人にたしなめられてるんだけど、どことなく爽やかなんですよねえ。不思議な俳優さんです。

ギプスの中の脚を痒くとこの演技とかお茶目な感じでけっこう好きです。人によってはくさい感じになっちゃいそうなところでもけっこう自然というか、軽快な会話もハマってるので、やっぱりヒッチコックの映画と合うなあと思います。

クライマックスのシーンは確かにドキドキするんですが、あのフラッシュ攻撃の必死な感じには思わず笑っちゃったなあ。無茶だってそんなんじゃ。気持ちはわかるけど。

あー何かこの「気持ちわかっちゃう感じ」が良さなのかなあという気がしないでもないです。良い意味で庶民的というか。

そう考えると何となくだけどモテる感じがわかったかも。巧く言えないけど。何かあのだらしないカラダもちょっとセクシーな気がしてきた。

グレース・ケリー

美人の代名詞的な存在のグレース・ケリー。やっぱりキレイです。

昔は、というかイメージではただただ美人な人って感じでしたけど、今回観た感じでは、基本的に綺麗なんだけど時々ハッとするようなカワイイ瞬間があって、とにかくすげーカワイイです。

このときいくつなんだろ?て気になったので調べてみたら、25歳とかそれくらいなんですね。うわあ年下かあ。グレース・ケリーが年下って、何つーかサザエさんが年下って気づいたとき並みの衝撃です。

つーかジミー・スチュワートが45歳くらいで、何なんだこのカップル。結婚渋ってるとかますます意味不明です。逆ならわかるんだけどなあ。

キレイでカワイイ上にセクシーでもあります。服とかもステキだし。何つーかあの肩甲骨の美しさはヤバイ。

けっこう活動的でムチャするところとかも好きです。アパートの外からガツガツ昇ってく感じとかイメージになくて意外でした。もう完璧すぎ。

グレース・ケリーを観てるだけでも楽しめちゃいます。

サスペンスと結婚観

前半は特に何事もなく過ぎていきます。ストーリーもあるんだかないんだかわからない感じで。

昔だったら退屈に感じたかもしれません (つか実際前観たときは退屈だった気がします) が、今回はそんなことは全くなく最初っから楽しめました。

ここでさりげなく出てくるいろいろが後々効いてきますし、何が起こるのかなという感じで集中して観てたらそんなに気になりません。

会話中心なんですが、これがなかなか楽しいです。特にステラおばさんとのやり取りは最高。

このセルマ・リッターて誰かに似てるんだよなあ?日本人の女優さんだと思うんだけど誰だろ?気になったので調べたら、佐々木すみ江さんだ、ちょー似てる!

この前半での会話とかの感じで、ああこの映画のテーマって「結婚」なのかなあという気がしました。

いろんな男女の関係や結婚観みたいなのが出てくるし。うまくいったりいかなかったり。結婚したい人したくない人。別れたい人付き合いたい人……。

ヒッチコックといえばサスペンスなので、結婚とか恋愛とか全然結びつかなかったけど、そういうのテーマにするとこういう感じになるのかあ、なんて思ったりしました。

というかヒッチコックが撮ると何でもサスペンスになっちゃうってことなのかもしんないですけど。

結婚て何なんだろ、そういう男女の仲こそ最大のサスペンスでありミステリ。「サスペンスの神様」はそう考えていたのかもしれません、なんてね。

モヤモヤするラスト

ラストはちょっとモヤモヤします。え、おわり?て感じというか、結局どうだったのかよくわからないというか。

いや、モヤモヤするのはラストだけじゃないか。そもそも何か事件が起こってるのかどうかすら、ずーっとよくわからないで進んでいくって、それ自体が他に例を見ないというか、凄まじいことです。

結末は観客の想像に任せるよ、てことなのか、それともその辺りはどうでもいいじゃん、ドキドキしただろ?てことなのか、

何となくモヤモヤする不安感みたいなのがジワジワと積もっていくことでサスペンスが生み出されてるというか、積もり積もってラストのハラハラドキドキが高まるというか。

たぶんそういうの全部計算して作ってんだろうなあという感じなのが空恐ろしいです。

ヒッチコックの映画としてはけっこう地味だなあと思うんですが、ちょっと暗い感じの怖さも残ってて、そういうのとかもすげーなあと思います。

何か今でも十分通用する面白さというか、いや今でもここまで作り込める映画人てそういないんじゃないかな、という感じです。

 -1989年以前の映画 , ,

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