探偵はBARにいる (2011)【映画】

      2014/10/31

何かあったら電話してくれ。

ススキノ ラーメン横町

photo credit: MIKI Yoshihito (´・ω・) via photopin cc

大泉洋さん主演の映画『探偵はBARにいる』を観ました。橋本一監督。

笑いあり涙あり愛あり友情ありのハードボイルド探偵アクション。盛りだくさんです。

あらすじ

流れはこんな感じ。

札幌の歓楽街ススキノで活躍する探偵のもとに、コンドウキョウコと名乗るナゾの女から「ある男に会い、彼にひとつ質問してほしい」という依頼が舞い込む。簡単な依頼のはずが、探偵はその直後に命を狙われ、不可解な事件に巻き込まれていく。

via: 映画.com

予告編はこちら。まとまってて分かりやすい。

キャスト

大泉洋

主人公の探偵「俺」役は地元北海道のスター大泉洋さん。コミカルもシリアスもこなせてる大泉さんにピッタリの役柄です。「地元」じゃなくてもハマり役だったんじゃないかと思います。

程よいテキトーさと裏がありそうな感じは、騙したり探ったりする役が似合います。探偵じゃなかったら詐欺師とか。でもあんまり知的な感じはしないんですよねえ。ホントに頭のいい人は、頭良いことそのものを表に出さないようにするから、その辺も含めてうまく騙されてるのかもしれません。

何でも一人で出来て、生命力もかなり強そう、てゆう一匹狼なイメージは確実に『水曜どうでしょう』の影響。つか『どうでしょう』では文句ばっかり言ってたんで、単に協調性ないイメージなだけかも。実のところ一番まともなこと言ってる常識人だと思うんですけどね。てこのあたりは「俺」の正義漢にも繋がるなあ。

何だかどこまでが演技でどこからが大泉さんの素なのかわからなくなるほど、どハマりな感じです。

松田龍平

「俺」の相棒兼運転手高田役は松田龍平さん。理系の研究者で空手の師範代、てかなりの文武両道なのにグータラ。めちゃめちゃカッコいい設定です。

探偵ものに「松田優作の息子」て組み合わせだけでもニヤニヤしてしまいます。キャラは全然違うし、そもそも探偵の「助手」なんですが。

それにしても、『あまちゃん』でも『舟を編む』でもそうなんですが、松田さんは合わせるのがけっこう難しめなメガネを見事に掛けこなしています。メガネ業界への貢献はかなりのもんなんじゃないかなあ。メガネドレッサーあげないのかなあ。

豪華な脇役

脇役で気になった人たちに一言ずつ。

西田敏行さん。出演シーンはちょっとだけなのにすごい存在感。西田さんが出てくると映画が締まります。それにしてもあの感じは実業家というよりはヤクザだよなあ。

吉高由里子さん。出演は写真だけ? TV放送だからカットされてたのかな?

高島政伸さん。エンディングで名前出てくるまで誰かわからんかった!

グッときたポイント

和製ハードボイルド

日本でゴリゴリのハードボイルドは難しいなあと思っています。組織を重んじる日本社会にあって、孤独を愛する一匹狼は共感をえにくいです。カッコよくて憧れはしますが、それよりかは組織の中でがんばる方がウケるように思います。

それに、日本に限らず東洋人は「カッコつける」てことに慣れていません。そういう文化を持っていないと言いますか。やりすぎると大抵クサくなってしまいます。バランスが難しいです。

例外的にハードボイルドが似合っていたのは松田優作さんくらいです。松田龍平さんのお父さんですね。

それでも代表作である『探偵物語』には笑いの要素がありました。あの松田優作を持ってしても「笑い」が必要、てのがハードボイルドの難しさを物語っています。

タバコの煙は目にしみますが、吸えるところはめっきり減ってしまいました。それにこの国では拳銃なんか誰も持っていません。自然に持ってるのは「やの字」の方たちくらいです。でもそれだとハードボイルドというよりは任侠になってしまいます。

昭和の雰囲気だとまだなんとかなりましたが、平成の世ではますます難しい感じです。何しろ縛られたくないからってケータイすら持たないのがハードボイルド。情報化社会の探偵としては何とも貧弱です。

昭和は遠くなりにけり。

てわけで日本ではゴリゴリのハードボイルドよりは、多少笑いの要素があった方が良いんじゃないかと思います。和製ハードボイルドといったところでしょうか。

二枚目と三枚目

松田優作さんの場合、めちゃめちゃかっこいい二枚目が三枚目を演じる面白さがありました。

大泉さんはそれとは真逆な感じです。本来三枚目ですが、ときに二枚目を演じることで笑いを生んでいます。

つか大泉さんて一枚目から三枚目まで卒なくこなせてホント幅広いなあと思います。

名コンビ

カッコつければつけるほど笑える感じになってしまう大泉さんと、野暮ったくなればなるほどカッコよくなる松田龍平さんのコントラストが絶妙です。これぞ名コンビ。

「一人っきりの友達、失くしたくねえや」て良かったなあ。あんまりベタベタしてないところが余計に良いです。

すすきの

北海道、それも「すすきの」という街はハードボイルドが似合う土地だなと思います。

札幌には2度ほど行ったことがあります。歓楽街とは無縁の用事でしたが、いずれもススキノのビジネスホテルに泊まりました。陽気を振る舞ってる裏っ側で、何となく悲しみを背負ってる感じのする街です。

歴史的に見ると、函館戦争や屯田兵のように、この国における最後のフロンティアという印象が北海道にはあります。これはヨーロッパ人にとってのアメリカ大陸に似ています。ハードボイルドはそのアメリカで生まれたジャンル。何か繋がるところがあるのかもしれません。

ごめんね

なかなかエンジンのかからないボロ車に謝る件。サイコーに笑えました。

モノの機嫌をとる、て全然理にかなってないけど何かやっちゃいますよねー。

まとめ

オチは何となく予想できちゃいますが、事件の構造自体はけっこう複雑なミステリになってて楽しめました。ボーっと見てるとわけわからなくなるかも。

先にも書きましたが、笑いあり涙あり友情あり、アクションあり謎解きありと盛りだくさんで、何となく得した気分になれます。

なかなかの名シリーズ。公開中の『2』も観たくなってきました。

 -2010年代の映画 , ,

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