ドラゴン・タトゥーの女 (2011)【映画】

      2014/11/07

誰がハリエットを殺した?

ドラゴンタトゥーの女

デビッド・フィンチャーの映画は信頼しています。彼の映画はほぼ全て観てますが、どれも好きでハズレがありません。映像の雰囲気とかテンポとかがちょー好き。

最新作が常に最高傑作、てのは映画監督の理想ですが、フィンチャー監督はまさにそれを地で行ってるかなと思います。

というわけで彼の最新作『ドラゴン・タトゥーの女』を観てきました。

予備知識はこの予告編の動画だけ。観に行こう、て気にさせるにはこれだけで十分です。てかこんなの観ちゃったら期待しないわけいかない。何このセンスの良さ。

んでその期待には見事に応えてくれて、、てか期待以上でした。デビッド・フィンチャーはホントに裏切らない。

オープニングの感じ

オープニングにこだわってる映画って何か、いいね!て気になります。つかみ大事。

この映画がお手本で、1シーン挟んだ後テーマ曲、て流れが最高に鳥肌立ちます。何が始まっちゃうんだろう、的な?理想です。

しかもその後のオープニングクレジットの鳥肌具合もハンパないです。予告編でも使われてる曲、Led Zeppelin『Immigrant Song』のカバーがちょーかっけえ。

R-15なんだけど

目を背けたくなるような暴力シーンだったり、ちょっと過激な性描写だったり。フィンチャー監督の得意分野です。

やるときはマジで徹底的にやる。無慈悲でコワイ。痛いの嫌いです。

でもギリギリなところで下品にはならないんですよねー。多分映像がキレイだからだと思うんですけど不思議。

痛いけど下品じゃない、てのは怖さが倍増です。笑いながら怒る人のが怖いじゃないですか?それと同じ原理です。

スウェーデン版『犬神家の一族』

本筋はだいたいそんな感じです。ちょーざっくり。

フィンチャー監督はサスペンススリラーが評価されて世に出てきたわけですけど、最近は普通に「良い映画」っぽい感じの撮ったりしてて、ちょっと物足りなかったのも事実。

だからこれは久々にガチで来たなあ、て感じです。こういうの作らせたら最高に巧い。

それに子供の頃『金田一耕助シリーズ』を読み耽った僕としては余計に嬉しい。こういうクラシカルなミステリーは大好きです。

てか欧米人でもこういうミステリー書くんだ、てのはちょっと驚きました。この原作が世界的ベストセラーてことは、国や時代はあんまり関係なくこの手のミステリーはみんな好き、てことですね。

分からなくても分かる

細かいところ挙げたらキリがないくらい、とにかくちょー複雑な話で全然よく分かりませんでした。相関図の複雑さとか『犬神家』以上です。

僕がどれくらい分かってないかというと、主人公の名前、憶えてません。。外人の名前むずい。

でも大丈夫、ご安心あれ。ポイントの見せ方が巧いから、分からなくても楽しめます。全く問題ない。いや、「分からなくても分かる」んです。

原作が小説だから当たり前なんですけど、これはもともと「読む物語」なんだと思います。それを「たった」2時間半の映画で全て表現するのは無理だし、理解する必要もないんです。

問題はどこが分かれば話が成立するか、てことなんですけど、あんまり強調しすぎるとつまんなくなっちゃったりするから難しい。どこがポイントか、てのを観る側が無意識のうちに感じられるようにしないといけない。

この映画はそのバランス感覚が絶妙です。例えば相関図の複雑さとかは、それが説明される部分で、今は分からなくても大丈夫だよ、てのが暗示されます。登場人物の会話を通して。そして後でその情報が必要になったとき、その都度ちゃんと分かるように出来ています。

あと、TPOが分かりやすい、てのも良い映画の条件だと思います。

スウェーデンの地理とかもちろん全然知らないんですけど、何となく分かってる気になれます。

また、この映画は孤島が舞台なのですが、その全体図てのは1回も出てきません。でも大体どういう位置関係なのか、距離感とかが抵抗なくイメージ出来るようになっています。

それと、時間。今観てるシーンは現在なのか過去なのか。時系列だとどの位置になるのか。「どれくらい過去なのか」。それを行ったり来たりしても全く混乱しない。フィンチャー監督は時間を操るのがべらぼうに巧いから、この手のお話は得意中の得意ですね。

資料を探索するという緊張感

物語の核となる事件が起こったのは40年前。これを解明する手がかりは残された資料しかありません。

膨大な量の書類と写真。これを紐解いていく。

ひたすらページを繰る、コンピュータのキーをクリックする。フツーだったら退屈極まりないシーンなんですが、デビッド・フィンチャーの手にかかれば、そんな退屈な作業にも信じらんないくらいの緊張感が生まれます。

登場人物が写真のどこを見ているか、何に気づいたか、などがちょーわかりやすく描かれてます。徐々に真相に迫っていく、その緊張感を登場人物と共有できる感じ。すごい。

ちなみにこーゆう作業ではコンピュータが重要なツールになってくるわけですが、本作ではほぼ全てがMacでした。

前作『ソーシャル・ネットワーク』でも、たくさんのコンピュータが登場しますが、その多くはWindowsだったと記憶しています。それが1年で様変わり。こんなところにもAppleの勢いを感じました。

さらに小道具つながりでいうと、ダニエル・クレイグのメガネにもグッときました。メガネ好きには堪んないです。あれどこのなんだろ?

原作本もサントラも

分からないとこがたくさんあったので、原作も読みたいです。てか読む。映画であらすじ知った後でも楽しめるんじゃないか、て気がしています。3部作だから先も気になることですし。

それと、サントラはすでにiTunesでポチりました。このentryもサントラ聴きながら書きました。オープニングテーマはもちろん、他の曲も良い感じでオススメです。

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