真夏の方程式 (2013)【映画033】

      2014/10/31

解いてはいけない、愛が閉じ込めた謎。

真夏の方程式

『真夏の方程式』鑑賞。2013年フジテレビジョン他。西谷弘監督。129分。

あらすじ: きれいな海に面した玻璃ヶ浦で計画されている、海底鉱物資源の開発。その説明会に招待された物理学者・湯川学 (福山雅治) は、緑岩荘という旅館を滞在先に選ぶ。そして、そこで夏休みを過ごす旅館を営む川畑夫婦 (前田吟、風吹ジュン) のおい、恭平 (山崎光) と知り合う。次の朝、堤防下の岩場で緑岩荘に宿泊していたもう一人の客・塚原 (塩見三省) の変死体が発見される。図らずも事件に直面した湯川は、旅館廃業を考えていたという川畑夫婦や、夫婦の娘で環境保護活動に奔走する成実 (杏) らと塚原の思わぬ因縁を知る。

via: シネマトゥデイ

原作を読んでからだいぶ経ってるので、細かいところはすっかり忘れていました。観てるうちに思い出してきたものの、けっこう新鮮な気持ちで楽しめたと思います。噂通りなかなか良い映画でした。

見事な映像化

原作を読んだとき、映像化は難しいんじゃないかなと思っていました。

キレイな海が舞台で、主役は子供です。技術的には可能でしょうが、無理やりやられたらいろいろぶち壊しだよなーと。越えるべきハードルはかなり多いように思えました。

中でもどうするのか気になっていたのが、物語の複雑さ。過去のある「秘密」が絡んでいてかなりややこしいです。詳細を忘れてしまった原因はこの辺りにあると思います。

そうゆう複雑さを感じさせないようにさらっと書いてしまうのは東野さんの得意技なので、小説はサラサラと読めちゃうんですが、映像にするとなるとなかなかやっかいです。2時間程度にどうやってまとめてるのか。

結果はというと、実にうまくまとめたなーとゆうのが率直な感想。これ以上ないというくらいのコンパクトさでした。

事件の背景を説明するあたりは、湯川と捜査一課 (草薙と岸谷) の情報交換という形でクリア。やや説明的ではありましたがそれほど違和感はなかったです。

ちなみにですが、壁に貼った巨大な地図の上に情報の付箋をペタペタと貼り付けていく捜査手法がかっこよかったです。ああゆう感じはかなり好き。

過去の事件を追う構造といい、ちょっと『ドラゴンタトゥーの女』を彷彿とさせます。

狂言回し

映画になると、湯川は「狂言回し」のような役柄になってしまいますね。ちょっと陰が薄くなってしまいます。とゆうか、もともとの小説だとどの作品でもそんな感じなので、本来の立ち位置に「戻る」感じがします。

探偵モノって、お話そのものは「被害者と加害者の物語」なので、探偵はある意味脇役なんですよね。

『容疑者Xの献身』のように、湯川と関わりのある人物が登場するとちょっと変わってきますけど、今回は招かれざる客とゆうか、完全に闖入者ですからね。

ドラマだとやっぱり主役を立てないといけないからなのか、どうしても湯川メインになってしまいます (だからちょっと歪む)。

それで「助手」の岸谷 (や内海。今作は出てこないですけど) が「物語の構成上」必要になるわけですが、映画だとあんまいらないんですよね。草薙も出てくるから余計に霞んでしまいます。

もうちょっと見せ場あってもよかった気がするんですけどね。あれじゃただの運転手兼伝達係だよなあ。

子役すごい

子役の山崎光くん、抜群でした。ちょっと小さいことを除いては (小説の設定は5年生)。

子供の無邪気さと弱さが絶妙で素晴らしかったです。しかし子役で大人を泣かせようってのは、ちょっとあざといよなあ。

杏さんはあんまりイメージと合わないかなと思ってたんですが、いざ観てみたらピッタリでした。

もともとモデルさんだからか、スタイリッシュで都会的な雰囲気がある反面、野性的でアウトドアが似合う感じも持ってるんですよね。すげー不思議な感じ。

前田吟さんと風吹ジュンさんは言うまでもありません。安定感抜群。役よりちょっと老け過ぎかな、て気はしましたけど。

取調室での湯川との対決はこの映画のハイライト。あまりの緊張感で、映画館の温度もちょっと上がったような気がしました (て空調切れただけかもだけど)。

編集があざとい

ちょっと気になったのはカット割りの多さですかね。

ドラマと比べるとはるかに落ち着いてるものの、もっとゆったりしててもいいかなと思いました。

表情のアップが多いのは良いんですけど、切り替えがわずかに早いんですよね。もうちょっとじっくり観たい気もしました。

最後に湯川と恭平が駅で話すシーンは、もっとツーショットで観てみたかった気もします。ちょっとあざといなあと思ってしまって泣けませんでした。

まとめ

オープニングとかロケットとか、僕的にお気に入りの見せ場がちゃんと映画でも見せ場になってて嬉しかったです。

ドラマとは完全に別物として作られているところが潔いです。おなじみの式書いたりとかもないですからね。普通に良い映画。また小説も読み直そうかなあ。

予告編はこちら (1分半ほどです)。

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