終戦のエンペラー (2012)【映画035】

      2014/12/02

戦いの果てに、わかり合えるのか。

終戦のエンペラー

『終戦のエンペラー (Emperor)』鑑賞。2012年アメリカ。ピーター・ウェーバー監督。107分。

あらすじ: 1945年8月30日、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の司令官としてダグラス・マッカーサー元帥(トミー・リー・ジョーンズ)が日本に上陸。彼は日本文化に精通している部下ボナー・フェラーズ(マシュー・フォックス)に、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す。わずか10日間という期限の中、懸命な調査で日本国民ですら知らなかった太平洋戦争にまつわる事実を暴き出していくボナー。ついに最大ともいうべき国家機密に近づくが、彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる。

via: シネマトゥデイ

何となく戦争映画を観たくなったので行ってきました。日本の夏はともすればそういう気分になりやすい季節です。まああんまり戦争映画っぽくない感じではありましたが。

外からの視点

太平洋戦争の戦後処理をアメリカ側の視点で描いた映画です。

それも東京裁判よりも前、誰を裁判にかけるかってところが焦点です。誰、てのは具体的には「昭和天皇」。戦争責任はどうなのよ、て話です。首謀者なのか、「軍」が勝手に進めた戦争だったのか。

アメリカ人からしたら謎ですよね。日本人からしてもこの時代のシステムはかなりわかりにくいです。

どこまでホントなのかはわからないのであくまで「フィクション」として観るわけですが、「そいえばこの辺の話ってどうなってたのか」てことは考えたことすらなかったなあと思いながら観ました。

降伏までの流れとかはけっこう知ってたりするんですが、「その後」ってゆうとあんまり知らないです。マッカーサーがきて東京裁判あってとかは知ってるんですけど、もっとゴチャゴチャしてた部分って、そういえばどうなってたんだろう、みたいな感じ。疑問に思ったことさえなかったです。

この手の「よく知ってるけどあんまり知らない歴史の一場面」みたいなのを描いた作品はけっこう好きです。

日本に対する偏見みたいなものはほとんどなかったですし、むしろ敬意を感じるほど。それに外側 (アメリカ) から改めて覗くと、いろいろと返ってわかりやすくなって良いです。

「日本は矛盾だらけの国」「白か黒かではなく灰色」てとこはホントにそうだよなあと思いますし、当時に限らず今でもそうです。

国家レベルでも個人レベルでも、矛盾してたって良いと僕は思います。はっきりさせるとかえって息苦しくなっちゃう。

曖昧さをそのまま置いておけるほうが「広い」ですからね。狭くなると踏み外しやすくもなってしまいます。

日本のすばらしい俳優たち

西田敏行さんとか伊武雅刀さんとか、おなじみの素晴らしい役者さんたちが多数出演されてるのは嬉しい限りです。日本の俳優のすごさを世界にももっと知ってほしいですからね。

でもほとんどの役者さんが一人ワンシーンだったのはちょっと残念。掛け合いが観たかったです。

素晴らしかったのは夏八木勲さん。これが遺作かな?とにかくメチャメチャ紳士でカッコイイです。出演シーンも多いですし、日本側の主役といった感じ。

アメリカ側ではやっぱりマッカーサー役のトミー・リー・ジョーンズの存在感がすごすぎ。今では『BOSS』の人として日本でもすっかりおなじみですね。「アメリカの正義」みたいなカッコよくてマッチョな役がとってもよく似合う役者さんです。

あんまり似てないかなと思ってましたが、サングラスにパイプ加えて飛行機のタラップに立つとことかかなりそっくりで驚きました。渋いです。

さいごに

「極秘調査」の緊張感がもうちょっとあったらよかったのになあという気はします。主人公の恋の回想がちょっと退屈で、全体的なテンポが悪くなってた感じです。恋バナ、あんなに必要だったかなあ。

でもラストシーンはけっこう感動しましたし、エンディングで実際の写真が出てきたときにはなぜだかすっごい鳥肌立ちました。

戦争映画なのに悲壮感や暗さといったものは不思議なくらい感じません。それも勝った側の視点だからかな。

でもアメリカ人がこういう映画を作るってのは、ある意味なかなかの意欲作なんじゃないかなあとも思います。

予告編はこちら (1分半ほど) 。

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