真夏の方程式 (東野圭吾) 【再読】

      2014/07/17

君は科学の楽しさを知らない。この世は謎に満ちている。

真夏の方程式

東野圭吾著『真夏の方程式』再読。2011年文藝春秋 (2013年文春文庫) 刊。413ページ。

あらすじ: 夏休みを伯母一家が経営する旅館で過ごすことになった少年・恭平。仕事で訪れた湯川も、その宿に滞在することを決めた。翌朝、もう一人の宿泊客が変死体で見つかった。その男は定年退職した元警視庁の刑事だという。彼はなぜ、この美しい海を誇る町にやって来たのか……。

これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは__。

via: Amazon内容紹介

映画を観たらまた読みたくなったので再読しました。ちなみに以前読んだときの感想はこちら。

真夏の方程式 (東野圭吾)【読書】 | cotanote

映画との比較

映画を観てきたばかりなので、どこがどう変わってるのかなんかを比較しながら読みました。細かい設定が変更されてるものの、印象的なセリフはほとんどそのまんま。映画はホント、原作に忠実に作られてたんだなーという感想です。

細かいところは忘れてたんで、映画で抱いた違和感とゆうか、ちょっと「?」だったところは、小説がばっちり補ってくれたのでスッキリしました。

逆に映画はかなりスリムになってたので、小説を読んでしまうとちょっと無駄だなあと感じるところもあったり。

ガリレオシリーズはほとんど無駄な描写がないと思っていたんですが、それでもまだカットできるところがあるってすげーなあと思います。

映画の感想でも書きましたが、改めてホントに良い映像化、素晴らしいです。

映画で満足してしまった人は読まなくてもいいくらい笑。もちろん僕が今回やったように、比較しながら楽しむという読みかたもできますとゆうかオススメです。

探索系ミステリ

事件の構造はかなり克明に頭に入っていたので、改めてどうこうということはありません。確かめ算をした感じ。でも徐々に真相に迫っていくところは何度読んでも面白いです。

映画ではけっこう省かれていた東京班 (草薙と内海。映画では岸谷) の捜査が特によかったです。過去の事件を掘り起こしてくってゆう構図が僕は好きみたいです。

えられた情報を手がかりに、一歩一歩確かめながら調査を進めていく。こういう展開は科学の研究とも通じるところがあるように思います。だから好きなのかな。

研究でも新しいものを発展させるよりは、過去の埋もれた業績を掘り出す作業のほうが楽しいと感じる口だったからなあ。

この事件みたいな探索系は、ホントに自分的にあんまり外れないです。

教育者湯川

事件そのものよりは、湯川が随所で語る「科学観」がいろいろグッときます。いや、科学観とゆうよりは「教育観」といったほうがいいかな。

本来子供嫌いなはずの湯川ですが、科学者という人種はそれ以上に「教える」という行為が大好きです。ときにちょっと鬱陶しいくらいに教えたがり。それは、わかったときの歓びを知っているからだと思います。

君は科学の楽しさを知らないだけだ。この世は謎に満ちあふれている。ほんの些細な謎であっても、それを自分の力で解明できた時の歓びは、ほかの何物にもかえがたい

via: P61

僕も教えるのは大好きです。でも「自分の力で解明できた」ように導くには、本当に深く理解できていないといけないのでとても難しいです。

さらに湯川先生は、気になることをそのままにしておくことは罪悪だともいっています。

気になる、というのは知的好奇心が刺激されていることを意味する。好奇心を放置しておくことは罪悪だ。人間が成長する最大のエネルギー源が好奇心だからな

via: P233

そして好奇心を放置しておくと、成長できないどころか間違った方向へと進んでしまう危険性も孕んでいます。

理科嫌いは結構だ。でも覚えておくことだな。わかんないものはどうしようもない、などといっていては、いつか大きな過ちを犯すことになる

via: P63

過ちを犯さないためには、わからないことを考え続けなければなりません。

学校の宿題や試験ならいざ知らず、身の回りでおこる (かもしれない) 真に取り組むべき問題は、すぐに答えを出さなければいけないとゆうわけではないありません。何も焦る必要はないのです。

途轍もなく困難な問題でも、投げ出さなければいつか答えが出せる日がきます。そう信じて、考え続けるのです。

今回のことで君が何らかの答えを出せる日まで、私は君と一緒に同じ問題を抱え、悩み続けよう。忘れないでほしい。君は一人ぼっちじゃない

via: P412

全ての答えを丁寧に教えてくれるのがいい先生ではありません。湯川先生の本職、物理学の先端研究の世界では、そもそも答えを誰も知らない、なんてことばかりです。

一緒に寄り添って考え続けてくれるひとこそ、真に素晴らしい教育者なんじゃないかなーと僕は思います。

さいごに

半分くらい映画の感想も混ざってしまいました。でもミステリなのに何度読んでも面白いって、相当すごいことだと思います。やっぱり好きなんだなーこの小説。ガリレオシリーズの中でも一番好きかも。

そうゆうのを再確認する意味でも、ちょっとガリレオシリーズ読み直していこうかなーなんて思っています。

あとこの小説はやっぱり夏に読むのがいいですね。未読のかたは、この夏休みにでも是非。

↑ 僕はハードカバーで読みましたが、今なら文庫化されています。

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