アース (2007)【映画045】すごいぞ地球!

      2014/10/31

主演、地球。46億歳__。

アース

『アース (Earth)』鑑賞。2007年BBC。アラステア・フォザーギル, マーク・リンフィールド監督。96分。

作品情報

あらすじ

今からおよそ50億年前、巨大な隕石が地球に衝突し、その衝撃により地球は23.5度も傾いてしまう。この傾斜は四季の移ろいや多様な地形を地球にもたらし、生命の誕生に重大な役割を果たすこととなった。北極を基点に地球縦断の壮大な旅に出た撮影隊は、ホッキョクグマ、象、ザトウクジラの親子に導かれ、さまざまな命の営みに出会う。

via: シネマトゥデイ

キャスト

主演は「地球」。Amazonの商品ページにもそう書かれています笑。

地球のあらゆる姿が驚くほど鮮やかな映像で描かれていて、まさに主演と呼ぶに相応しい内容です。それぞれの動物や植物たちが助演といったところでしょうか。撮影してるのはもちろん人間ですが、人間はおろか人工物も全く写りません。裏方に徹しています。

ナレーションは渡辺謙さん (日本語吹替版で鑑賞のため) 。

NHK大河ドラマ『坂の上の雲』でもナレーションをされていましたが、あれも「近代日本」が主役というべき作品でした。で、今回は「地球」。落ち着いた語り口は、まるで「地球」自身が人格を伴って語っているかのような雰囲気があります。壮大なスケールにぴったりの重厚感。

コタノト的見どころ

ひたすら描写

動物たちの動きを淡々とひたすら描写しています。とてもシンプルな構成。「描写」という表現がホントにしっくりきます。動物を、植物を、自然をただただ撮っています。それがとっても心地いいです。

動物が主役の映画はフィクションでもドキュメンタリーでも実はあまり得意ではないんですが、それは人間の勝手な感情が入り込んでいる場合が多いからです。この映画にはそういった「想像」の部分を極力排しているので好感が持てます。

ナレーションも必要最小限で、ほとんどが事実のみを語っています。温暖化とか環境破壊とか、説教臭いことをいちいち言わないところも良いです。

最後にちょっとだけ、「この素晴らしい地球を守るための行動を」みたいなメッセージは出てきますが、その辺りをどう受け止めるかはあくまで観る側次第。そんなに押し付けがましい感じがしない、てのが逆にグッときます。

早回しによる超現実

人間による演出と言える部分は音楽くらいでしょうか。映像を邪魔しない程度に、それでいて効果的に。音楽があるから映画として成立してるといってもいいくらい。癒されます。

それと、随所に現れる「早回し」が面白いです。定点観測を超倍速で見せてくれるので、昼夜や四季といった「変化」をありありと感じることができます。

植物の成長が特に素晴らしいです。草木も生きてるんだってことがはっきりとわかります。

現実だけど、現実には決して見ることができない「変化」を表現することに成功しています。地球そのものが「活動」してるってことがよーくわかります。

こーゆう「変化」や「活動」は極めて当たり前のことで、みんな「知ってる」と思ってることなんですけど、やっぱり実際映像として見せられると「スゲ」と感じます。

動物たちの動き!

動物たちの動きや営みも非常にシンプルです。

水を求めて歩く。獲物を求めて走る。飛ぶ。泳ぐ。文字通りの一挙手一投足がとても美しいです。ただ走っている、その筋肉の躍動を観察するように観る。それだけでも十分楽しめました。

動きが面白いのは生物だけじゃないですね。水が落ちるとか風が吹くとか、自然の動きも同様にシンプルで圧倒的です。

飽きさせないストーリー

あまりにシンプルすぎると飽きてしまいますが、この映画にはしっかりとしたストーリーがあります。

北極から赤道を通って南極へ。そして最後はまた北極へ。ゾウや鳥、クジラとともに旅をしながら進んでいく、という構成になっていて、メリハリが利いています。

ストーリー、といってもそれほど強固なものでもなくて、映画の背骨ほどの役割。いろいろ脱線もしながらゆるーい感じで進んでいきます。

話がまた戻ってきたときに、「お、そういえばさっきのゾウの群れはどうなった?」みたいな感覚で楽しめます。ギリギリ飽きさせない程度のほどよい緩急、巧いです。

環境映像のようにとてもシンプルで淡々としているのにも関わらず、最後まで全く退屈しませんでした。

群れ!群れ!群れ!

とにかく個々の動物よりも「群れ」としての活動に注目しているシーンが多くて素晴らしいです。何百、何千という動物たちの群れの空撮。圧倒されます。

ただひたすら移動するトナカイの群れと、それを追うオオカミ。

ゾウの群れと、ライオンの群れの対決。

集団でヒマラヤ越えに挑む渡り鳥の群れ。

クマから子供を守るセイウチの群れ。

全編群れまくりです。

文字通り生死に関わる状況では、「群れ」そのものが意思をもっているかのように振る舞うところがめちゃくちゃ機能的。個々の動物たちの間に何か神経回路のようなものが組み込まれてるんじゃないかと思えるほどに統率された動き。美しいです。

さいごに

「生きる」ということについていろいろと考えさせられました。生きるために食べる。生きるためにどこかを目指す。生物にとって最も基本的な行動原理ですが、日常生活で意識することはそう多くないような気がします。

極寒から灼熱までどんな厳しい環境でもその場所へ出かけていって、こういう映画撮っちゃう「人間」てやっぱり最強だよなーとも思いました。映画にヒトは全く出てこないのに、逆にそれが最強の証になってるとゆう。

でも壮大な地球の営みに比べたら、僕というひとりの人間はホントにちっぽけだよなあとも思います。個と集団、生物と地球、いろいろ深いです。

ドキュメンタリー映画を観たのは実に久しぶりでしたが、やっぱり良いですね。特に自然系は癒されるし考えさせられます。ハマっちゃいそうです。

iTunesはこちら → アース(日本語吹替版)

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