武士の家計簿 (2010)【映画047】

      2014/12/02

刀でなく、そろばんで、家族を守った侍がいた。

武士の家計簿

『武士の家計簿』鑑賞。2010年松竹他。森田芳光監督。129分。

作品情報

あらすじ

会計処理の専門家、御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目の直之(堺雅人)。江戸時代後期、加賀百万石とうたわれた藩も財政状況は厳しく、加えて武家社会には身分が高くなるにつれ出費も増えるという構造的な問題があった。直之は、家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断し、猪山家の人々は一丸となって倹約生活を実行していく。

via: シネマトゥデイ

キャスト

主演は堺雅人さん。誠実な役柄が似合います。堺さんは会計や法律に携わる職業の役が多いですね。ただし、今作で倍返しはありません笑。

共演陣も豪華です。直之の妻が仲間由紀恵さん、父中村雅俊さん、母松坂慶子さん、おばばさま草笛光子さん。みなさん、この人はこういう役だよねってゆうイメージ通りの役です。

特に良かったのは西村雅彦さん。個人的には久しぶりに観ました。妻の父の役です。与三八 (よさんぱち) ってすごい名前。イイ感じに適当で、真面目なときはちゃんとしてる。登場シーンはそれほど多くないものの、存在感がありました。一番キャラがたってた気がします。

コタノト的見どころ

断捨離

借金を返済するため、必要ないものはことごとく処分する直之。今でいうところの断捨離ですね。このシーンを観てると自分の身の回りもいろいろと整理したくなります。我が家もいらないものいっぱいあるからなあ。

いらないものを売ってお金に換える、売れないものは思い切って捨ててしまう。これはお金を貯めるための第一歩ですね。

借金返済に困っている武士でなくても、貯金したい人はまずこのあたりから手つけてみると良いのかもしれません。

貯めたかったまず手放す。うーん、深いです。

家計簿の基本

んで片付けが終わったら次は記録ですね。家計簿です。

今はめんどくさい計算はいろいろなツールが代わりにやってくれるので、この時代とは比べものにならないくらい楽にできます。

でもそのやり方は武士だろうが現代人だろうがおんなじです。使ったお金と入ってきたお金を記録して、実際の手持ちと合わせる。基本は今も昔も変わっていません。

こんなに単純な家計簿なのに、帳尻が合わなくなることがしょっちゅうあるからお金は不思議です。

というか家計簿をつけてると、人間の記憶がいかに信用ならないかってことがよくわかります。物忘れや思い違いはホントにしょっちゅう。お金に関してはとくに都合のいいように解釈してしまいがちですからね。

直之ほど苛烈にやる必要はないですが、やっぱりマメにつけるしかなさそうです。祝言の夜に「その日のうちに (祝言の出入りを) つけておきたい」というシーンがありますが、めんどくさがらずにすぐ付けるのが一番うまくいく方法なんじゃないかと思います。

数式は書け

僕は博士まで出ているので、バリバリの理系といえます (自分ではあんまりそんな感じはしないんで、イマイチしっくりこない) が、暗算は大の苦手です。おつりの計算とか全然できません。

算盤もほとんどやったことないです。なのでさらさらっと暗算できてしまう人は「魔術師か!?」ってくらいに尊敬してしまいます。

直之の息子直吉が、おばばさまからつるかめ算を出されるシーンがあります。それを何も書かずに暗算で解こうとする直吉。

時間はかかるものの最終的に正解するのはすごいんですが、こういうのは頭で考えようとせずに書いたほうが手っ取り早いです。

僕の知る限り、数学や物理学が得意な人はとにかくよく書きます。頭のいい人ほど、頭の中のメモリは有限だということがよくわかってるんじゃないかと思います。限られたメモリを解放するかのように、どんどん書きます。書くことで思考を前進させていく感じです。

直之たちの時代は紙が貴重だったのかもしれませんが、現代人はめんどくさがらずにどんどん書いたほうがいいです。計算に限らず、書いてみると物事がはっきりする、てことはよくあります。

大村益次郎

いきなり出てきてびっくりしました。大村益次郎、大好きです。大村が好きというよりは、司馬さんの『花神』が好きなんですけどね。

これ史実なのかなあ。でも直之の細かい性格は大村とも通じるところがあります。大村が軍費調達のためにとった金策が暗殺された遠因ともいえるほど、経理には細かかったでしょうし、直之の精確さを受け継ぐ息子を見出したというのは筋が通っています。

兵站の重要性を説いてるのも良いですね。経理と兵站は似たところがあって、どちらかが得意な人はもう一方も得意です。石田三成なんかも両方得意でした。

でも日本人、とくに武士階級は、「武士は食わねど高楊枝」なんて言うように、金銭の計算を卑しい行為と考えていたふしがあります。経理に細かい人間はあんまり好かれないんですよね。大村も三成もろくな死にかたしてないのが良い例です。

銭勘定は卑しい、てのは未だに日本人の中には色濃く残っているような気がします。ノーベル経済学賞だけ未だに受賞者が出てない、てのもこのことと全く無関係ではないような気がします。お金はちょー大事だし、みんなホントは大好きなんですけどねー。

さいごに

何だか映画とあまり関係ないことをたくさん書いてしまいました。原作は新書ですし、ドラマっぽさはあんまりなさそう。気になります。

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