サイド・エフェクト (2013)【映画055】

      2014/10/31

事件に潜む、もう一つの副作用〈サイド・エフェクト〉。

サイドエフェクト

『サイド・エフェクト (Side Effects)』鑑賞。2013年アメリカ。スティーブン・ソダーバーグ監督。106分。

金融マンであった夫マーティン (チャニング・テイタム) が違法株取引で逮捕されたのを機に、以前に患ったうつ病を再発させてしまったエミリー (ルーニー・マーラ) は、交通事故や自殺未遂を引き起こすように。診察にあたる精神科医バンクス (ジュード・ロウ) は、かつて彼女を診ていたシーバート博士 (キャサリン・ゼタ・ジョーンズ) に相談。エミリーが抱える症状の詳細を聞き出し、彼女の了承も得て抗鬱剤の新薬アブリクサを投与する。症状が快方に向かっていたある日、マーティンがナイフで刺されるという事件が起き……。

via: シネマトゥデイ

ヒッチコックの流れを汲む落ち着いた雰囲気のサスペンスはかなり好みで、だからこそ観にいってきたわけですが、ストーリーがかなりイマイチでちょっと期待はずれだった感はあります。

監督も俳優さんも素晴らしいのに、脚本がなあ……。途中までの展開はすげー面白かったんですけど、後半がけっこうぐだぐだ、何かちょっと残念な感じでした。

ソダーバーグ監督の作品はすっごい久しぶり (たぶん『オーシャンズ13』以来!) に観たんですが、スタイリッシュな映像はやっぱりめちゃめちゃセンスよくてかなり好みの感じ。

何か最後の劇場映画、てことでも話題になってますけど、まだ50歳だしわざわざ辞めるよなんて言わなくてもいいのになあ。これからは製作とかTVの仕事をやってくみたいですが、また心変わりして監督復帰してくれたらいいのに、なんて思わずにいられませんでした。

主演はジュード・ロウ。何だかこの人は翻弄される役がとてもよく似合います。一見卒がなさそうに見えるけど、何となく脇が甘い感じがするとゆうか、何か抜けてるんですよね。

で、それよりも断然主役はこっちだろ、てのがエミリー役のルーニー・マーラ。もう彼女見たさに観にいったようなもんです。

『ドラゴン・タトゥーの女』のリスベット・サランデル役は素晴らしかったんですが、あれはキャラクターそのものが魅力的でしたし、見た目もかなり特異。別の、もっと普通の感じの役 (てまあ本作もだいぶ普通じゃない役なんですけど) だとどうなんだろ、てのが気になってたんですが、本作でこの女優さんそのものが十分魅力的だってことを確信しました。

表情がホントに多彩なんですよね。普通にしてるとめちゃくちゃ美人て感じもしないのに、本気出すとヤバイくらい美しいですし、かと思ったらすっごいキュートな表情をする瞬間もあったり。

喜怒哀楽全ての感情を演じ分けてますし、エミリーを観てるだけで十分楽しめる映画、ホントに素晴らしいです。ほとんど彼女の演技力で成り立ってるよなあ。

お芝居に狂気を感じるハリウッドの役者さんて、男優だとけっこうたくさんいるんですけど、最近の若い女優さんではあんまり思いつかないです。名前だけで出演作観にいきたくなる女優さんですね。これからもどんどん良い作品に出てほしいなあ。

キャサリン・ゼタ・ジョーンズは精神科医とゆう知的な役柄ですが、全身からにじみ出るエロは全然隠し切れてません笑。つかまあ結果的にはそれでいいわけですが……。

存在感はやっぱり随一ですね。路上でキレてジュード・ロウを張り倒すシーンとかちょー怖い笑。あ、でもメガネはとっても似合っててステキでした。どこのブランドだろ。

あとチャニング・テイタムははじめてまともに観たんですけど、この人もムンムンだなあ。男性フェロモン全開。苦手です……。

とまあ好き嫌いはあるものの、4人とも素晴らしい役者さんですし、キレイな映像も好みの雰囲気。にもかかわらず、何でこんなに釈然としないんだろ。

ストーリーはイマイチだったとはいえ、それなりに楽しめるどんでん返しもあったし、そんなにつまらないってわけでもないんだけどなあ。

と、こっからはネタバレになっちゃうかもしれませんが、あれこれと考えてみたところどうもやっぱり結末が好かん、てのが最大の理由っぽいです。

その前の真相へ至る展開もちょっと急なんですよね。そーゆう話ならもうちょっと効果的な伏線とか撒いといてほしいなあと思います。あんまりうまく回収もしてない感じがしますし。

バンクスの倍返しもまるですっきりしません。それまで散々翻弄されまくりだったのに、最後の最後で突然有能になるのが全然納得いかないです。

そもそもそんなに誠実な男でもなさそうですし、うまく立ち回って今の地位を手に入れたって感じなんですよね。この事件で確かにいろいろと追い詰められるものの、全てを失ったってわけでもないですし、そこまで躍起になって真相を暴こうとする意味がわからない。

どうせならもっと絶望的なくらいどん底まで貶められて欲しいし、そっから起死回生の逆転劇、て感じならわかるし痛快だったのかもしれないんですけどね。全然そんな感じじゃないです。

つか全体的にエミリーの物語で、ずっと彼女寄りの視点で描いてるので同情できる部分もたくさんあるよなあと思ってしまいます。

なのに急に最後突き放すのはあんま救いがないよなあとゆう印象が残ります。後味悪すぎ。

つーわけでもうちょっとメリハリが欲しかったし、エミリーに対する救いがあってもよかったなあと思うわけです。勝ち逃げでもよかったような気するし。

と、いろいろ文句みたいなことをたくさん書きましたが、俳優さんたち、特にルーニー・マーラの演技はとっても素晴らしくてそれだけでも観る価値ありかなと思います。

それと、結末知ってから改めて観たらいろいろと発見があるような気もします。ヒッチコックの映画なんかも一回観ただけじゃよくわかんなくて、何回か観かえしてみらいろいろと細かい仕掛けがわかって何これすげー映画、てのがたくさんありますからね。

本作もそんな匂いがします。答え合わせ的な感じでまたいつか観たいなあ。

おわり。

本作の予告編はこちら (1分半ほどの動画です) 。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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