マイベスト山崎豊子

      2014/02/14

20代の読書体験における中心的存在。小説と映像で「マイベスト」を選んでみた。

山崎豊子 不毛地帯 華麗なる一族

山崎豊子さん死去

作家の山崎豊子さんが亡くなった。新作の連載を始められたというニュースを目にしたばかり。楽しみにしていたので残念でならない。

山崎さんの作品に初めて触れたのはTVドラマ『白い巨塔』 (唐沢寿明さん主演) だったかな。いや、『大地の子』を読んだのが先かもしれない。

圧倒的な重厚感に惹き込まれて、代表作はほとんど読んだ。世の中の仕組みは山崎豊子作品から学んだといっても言い過ぎではないだろう。

女性作家なのに男のダークサイドを描くのが本当に巧かった。いや、女性だから巧く書けるのかな。権力欲、エゴイズム、面子。男ってホントどうしよもないよなあ。

反面、女性を描くのは下手だったように思う。物静かな尽くす妻、不倫相手 (主に水商売) はその対極に位置するような奔放で自立した強い女性。どの作品でも「男が妄想する女」って感じでちょっとチープ、骨太な男性像との釣り合いが今ひとつだった。

初期の作品は女性を主役にしてるみたいだけど、読んだことないからわからない。どんな感じなんだろう、そのうち読んでみたい。

最近でもバンカーを描いたドラマが流行ってたみたいだけど (観てないし読んでない) 、イマイチ惹かれないのは僕が山崎豊子ファンであることと無関係ではないような気がしている。

僕の中では銀行と言えば『華麗なる一族』の万俵大介、もう何か銀行内部のドロドロとかそーゆうのはこの作品で通過しちゃってるんだよね。それにあちらが「倍返し」ならこちらは「大が小を食う」。あっちは「半」だけどこっちは「万」で、何だかはるかに大きいし笑。

敵はいつだってちょー巨大。銀行だったり商社だったり航空会社だったり、舞台を巡るお話がめちゃめちゃ複雑で、一回読んだだけじゃ何だか良くわからない部分もたくさんあるんだけど、そーゆう圧倒的な難解さがものすごく好きだった。ホントに面白いものって、難しいんだよね。

どの作品も3冊とか4冊とか、とにかく長いんだけど、書き手の凄まじい熱量が伝わってくるからか、一気に読めてしまう。

それに1つの作品の中でも「○○篇」みたいにパートが別れているものも多くて、シーンが変わると雰囲気もガラッと変わって、多面的に楽しめるってゆうお得感もあった。

マイベスト山崎豊子・小説篇

ここで僕がこれまでに読んだ作品を振り返ってみると、『華麗なる一族』『不毛地帯』『大地の子』『沈まぬ太陽』『運命の人』の5作品。意外に少ない。1作のボリュームがそれくらい濃ゆいってことだろう。

そいえば「代表作はほとんど読んだ」なんて先に書いたけど、一番の出世作といってもいい『白い巨塔』はまだ読んでないんだった。映像化の印象が強すぎて、ついつい読んだ気になっていた (そのうち読もうと愉しみに取っておいている間に亡くなられてしまった) 。これもそのうち読みたい。

読んだ作品の中でベストを決めようと思ってこのエントリを書き始めたのだが、ここまで書いた時点でもまだ決めかねている。どれも素晴らしすぎてちょー迷ってしまう。

「銀行」と「鉄鋼」とゆう舞台だけでも凄まじいのに、そこに「家族」の物語を混ぜた『華麗なる一族』の重量感は途轍もなかった。

『沈まぬ太陽』は御巣鷹山篇の臨場感は凄まじかったし、後半のJALの腐敗っぷりには本気で憤った。前半の「アフリカ篇」の過酷さも堪え難かったしなあ。

でもやっぱり過酷さで言ったら『不毛地帯』のシベリア強制労働だろう。マジで読むのが辛かった。小説を読んでて本気で気分が悪くなったのは、後にも先にもこの作品のこの部分だけ。

しかも後半の石油開発のところで再びソ連へ行くことになるのだが、前半の過酷さはそのシーンへの壮大なネタふりだったんじゃないかと思わせるほどで、読んでて本気で震えたのを憶えている。

てわけで、マイベスト山崎豊子、小説は『不毛地帯』。

マイベスト山崎豊子・映像篇

これまでに僕が観た映像作品は、本で読んだ5作品のうち『大地の子』を除く4作品、プラス『白い巨塔』。

『華麗なる一族』『不毛地帯』『白い巨塔』は昔の映画版と最近のドラマ版の2パターンで観ている。

ちなみに僕はちゃんと観たことがない『大地の子』のドラマ版 (上川隆也さんの出世作) だが、ものすごく評判がいいのでいつかちゃんと観たいと思っている。つか『大地の子』は小説もけっこう忘れてるとゆうか、「良かった」てことしか憶えてないので読み返したい作品の筆頭でもある。

さて、小説篇でマイベストだった『不毛地帯』。唐沢寿明さん主演のドラマ版、仲代達矢さんの映画版、共に素晴らしい。

より「壱岐正」 (主人公ね) っぽいのは仲代さんかなと思うけど、最後まで描かれるドラマ版は小説のスケール感と素晴らしくマッチしている。

ライバル鮫島を演じた遠藤憲一さんも強烈な印象。ちなみに、映画版ではこの鮫島、田宮二郎さんが演じていて、少ない出演シーンでも凄い存在感を放っている。さすが「山崎豊子俳優」だ。

他にもキムタク版『華麗なる一族』なんかも捨て難いのだが、やはり映像では唐沢版『白い巨塔』だろう。

前半は主人公財前にはまるで共感できなくて、里見先生 (江口洋介さん) のカッコよさばかりが目についていたのに、最後の最後で何かちょっとじわじわ共感できた感じがして、何とも不思議な気分になったのを憶えている。

今観たらまた違った印象なんだろうなあ。

まとめ

とゆうわけでまとめ。

マイベスト山崎豊子、小説は『不毛地帯』、映像は唐沢版『白い巨塔』に決定。

何だかこうやって振り返っていたら、また読み (観) たくなってきてしまった。まずは読んでない『白い巨塔』かなあ。『大地の子』も気になるし……。どれも長いので、そのうちちまちまと読んでいこうと思う。改めて読み返したらどんな風に印象が変わるのか、今から楽しみだ。

もちろん、絶筆になってしまった『約束の海』も気になるので、ぜひ書籍化してもらいたいところ。

素晴らしい作品の数々、ホントに勉強になりました。ご冥福をお祈りいたします。

書籍はkindle版も充実している。

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