シービスケット (2003)【映画063】

      2014/10/31

一度や二度のつまずきは誰にでもある。

シービスケット

『シービスケット (Seabiscuit)』鑑賞。2003年アメリカ。ゲイリー・ロス監督。141分。

1929年10月、アメリカは株の大暴落で大恐慌時代に陥った。それまで自動車ディーラーとして成功を収めていたハワード (ジェフ・ブリッジス) は、皮肉にも最愛の息子を交通事故で亡くし、妻にも去られてしまった。そんな彼は1933年、運命的に出会った女性マーセラ (エリザベス・バンクス) と結婚。そして、乗馬の愛好家である彼女に影響を受け、競馬の世界に傾倒していく。やがて彼は、馬に人一倍愛情を注ぐ元カウボーイ、スミス (クリス・クーパー) を調教師として雇う。スミスは“シービスケット”と呼ばれる小柄で気性の荒いサラブレッドの潜在能力に目を付け、ハワードにその馬を購入するよう進言する。そして、誰もが手を焼くその馬の騎手に、気が強くて喧嘩っ早い男レッド (トビー・マグアイア) を起用するのだった。

via: allcinema

劇場公開時に映画館で観たのはもちろん、以降何度も観ている大好きな映画。実在の競走馬シービスケットの物語で、もうこれでもかってくらいに競馬の素晴らしい部分が全て詰まっている。

競馬の魅力って、それこそ一言では言い表せないくらいいろいろあるけど、一番は何だろうて考えたときに「馬がいる風景の美しさ」てのはもう何の説明もいらないくらい単純に素晴らしいよなあと思う。

牧場、調教コース、競馬場などなど、場所や状況によって風景の色合いはいろいろ変わるんだけど、どこだろうとそこに「馬がいる」ってだけで画になってしまう。本作はそーゆう美しい風景の数々を実に見事に映してて、ホントにステキだなあと思える。

競馬場のシーンは特に秀逸。レース中の興奮はもちろん、パドックでこれからレースに挑む緊張感から、勝利後の祝福や称賛といった熱狂まで、実際の競馬を観ているような一連の流れを体験することができる。

ストーリーは出来過ぎなくらいの感動ドラマだけど、こと競馬に関しては、これくらいの感動物語はわんさかあるので、そんなに嘘くさく感じない。

境遇的にはオグリキャップに似てるところもあるし、フィクションだけど所々『みどりのマキバオー』(大好き!) なんかと似たところもあるなあと感じる。

馬主、調教師、騎手の三者が公平に描かれているのも良いし、役者さんたちも落ち着いた芝居で、あんまり余計なことをしないので、とっても静かに進行する。

台詞も少なめだし、描写だけで話が進んでいくところもたくさんあって、ちゃんと観てないとちょっと置いてかれてしまうかもしれない。

調教師スミスを演じたクリス・クーパーが特に素晴らしい。もともと好きな役者さんだけど、いつもはちょい役や悪役が多いので、メインのいいひとなのは何だか嬉しい。

ハワードの妻エリザベス・バンクスもステキなんだよなあ。クライマックスの、レースを観たくないけど観たくなっちゃうところとか、競馬ファンの心情をホントによく表現してると思う。

実況アナウンサーのウィリアム・H・メイシーの胡散臭さも最高で、とってもいいアクセントになっている。

“アイスマン”を演じたゲイリー・スティーヴンス (実際の名ジョッキー!) はお芝居の素人とは思えない素晴らしい存在感。何気に一番おいしい役どころなんだよなあ。

とっても長い映画の中で、一番好きなシーンは何といっても「世紀の対決」。

スタートのベルから無音になって、レースに聞き入る人々の資料写真をバックに聞こえてくる実況が徐々に大きくなっていって、バックストレッチを疾走する2頭が映って……。何度観ても鳥肌が立つ素晴らしいシーン。

全編に渡ってちょー落ち着いた雰囲気だからか、盛り上がるレースシーンの興奮が凄まじいんだよね。やっぱり人生も映画もメリハリが大事なんだよなあ、なんてしみじみ。

美しい映像とともに暖かい感動を与えてくれる名作。

競馬が好きな人はもちろん、競馬のことはよく知らないって人にもちょーオススメ。競馬に興味を持つきっかけになりうる、とってもステキな映画だと思う。

おわり。こーた ( @cota1Q82 ) でした。

シービスケットの作品情報

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