伝え方が9割 (佐々木圭一)【読書】祖母とのコミュニケーション

      2014/02/14

なぜ、伝え方で結果が変わるのか?

伝え方が9割 佐々木圭一

佐々木圭一著『伝え方が9割』読了。2013年ダイヤモンド社刊。212ページ。

伝え方にはシンプルな技術があります。この本は、著者が膨大な時間とトライ&エラーで導き出した方法論を整理しました。料理のレシピのように、誰でもコトバをつくれるよう体系化してあります。誰でも自分の日常から、試行錯誤の上で伝え方の技術を身につけることもできますが、それだと辿り着くまでに十数年かかってしまいます。効率がよくありません。
この本は、著者のように回り道をしなくても魅力的なコトバを最短でつくれるよう構成してあります。

via: Amazon内容紹介

異常に売れている本で、書店でもたびたび見かけて気になっていたのだが、kindleでセールをしていたのでちょっと買って読んでみた。

著者さんはコトバを仕事にしてるわりには日本語がところどころ怪しいのだけれど、構成がしっかりしてるからか、スラスラとあっとゆう間に読めてしまう。つまりは本書自体の伝え方がうまい、とゆうことで、さすがと言うほかない。

なかなか本質的で大切なことも書いてあるのだが、いかんせん読みやす”すぎて”、そのエッセンスがぼやけてしまっているようにも感じた。わかりやすさをとったのだろうが、たとえ話が絶望的にチープで、もうちょっと何とかならなかったのかなあと思う。何だかもったいない。

タイトルにある「9割」てのはちょっと誇大広告めいていて好きになれないのだが、本書の中で「3割くらい盛るとちょうど良い」みたいな記述もあるように、昨今はちょっと言い過ぎなくらいのほうが何かと刺さりやすい。本書が売れているのがその良い例、と言えるだろう。

仮に3割ほど割り引いたとしても、伝え方が占める割合は半分より多いわけで、内容よりも大切ってことになる。中身と同等かそれ以上に伝え方が大事、とゆうことだろう。いずれにしても大事なことに変わりはない。

そんなちょー大切な伝え方だが、そのエッセンスはそれほど多くはない。タイトルに「9割」なんて入ってるわりに、実のところその内容は……。いや、やめておこう。

大切なのは「相手のことを考える」「コンテキスト (文脈・TPO) を考える」「全体の流れを考える」といったところだろうか。

祖母との暮らし

僕は80代の祖母と暮らしている。ボケてはいないが、耳が遠い。

それにやっぱり年を取ると物覚えは悪くなってくるのだろう。興味のないことや、特に新しい概念なんかははほとんど覚えないので、何回も尋ねられたりする。良い意味でも悪い意味でも年相応とゆう感じだ。

例えばプロ野球の「クライマックスシリーズ (CS) 」のシステムなんてのは一向に覚える気配がない。毎年聞かれるのは当然 (母___祖母からみたら実の娘___だって毎年聞いてくる) として、試合を見るたびに毎回聞いてきたりもする。

ちょこちょこルールも改定されてるし、ステージ毎に違ったりするかなり複雑なシステムで、細かいところは僕もわからなくなることがあるくらいなのだが、祖母の頭からは「レギュラーシーズンの後に行われるポストシーズンとしてのCS」という概念それ自体が抜け落ちているように思える。

で、こういうゴチャゴチャしたシステムが入ってきたせいで、昔からある日本シリーズのシステムまでよくわからなくなっている。「昔から変わってないじゃないか」なんて母は憤る (なぜ憤るのか僕にはよくわからない) のだが、ちょっと変わると今までわかっていたことも含めて全部わからなくなる、なんてことは世の中にたくさん存在する。

まあこんなことは知らなくても何も支障はないし、聞かれるたびに説明すればいい話なのだが、一事が万事こんな調子で、本当に伝えたいことがあるときにその意図が伝わらなくては困るので、こちらも言動を考えないといけない。

祖母の耳が遠いのは如何ともし難いので、こちらが工夫しなければならない。耳が遠いなら書けばいいじゃないかと思うかもしれないが、全く聴こえないわけではないし、いちいち書いて伝えるほどでもないような何気ない家族の会話、というのは非常に多い (とゆうかほとんどそれしかない) 。

伝達手段を変えるとかそうゆうことではないのだ。それに読むのだって煩わしいだろう。高齢者である祖母は、視力だって年相応に衰えている。

とゆうわけで伝え方である。

こちらが伝えたいことを一遍に伝えようとして一気にしゃべると、まず伝わらない。そもそも呼びかけないで用件から入ると、2回に1回くらいは、自分に話しかけられていることさえ認識されないので、最初の説明は徒労に終わる。

正常な聴力でも、耳を傾けるという行為にはかなりの集中力を要する。良く聴こえなければなおのことしんどい。周囲に対してある種の警戒力を緩めてしまうのは仕方のないことだろうと思う。

ときには肩を叩くなりして、注意をこちらに向けるのが第一歩。そこからひとつずつゆっくりと、相手の理解を確認しながら用件を伝えていくことになる。「相手のことを考え」て伝えるのだ。

こちらの言葉が伝わっていないようならば、表現や言い回しを変えるのも有効だ。

学生のころコンビニでバイトしていた友人が、「セッター」(タバコのセブンスターのこと) とゆう単語を聴き取れなくて困った、とゆう話を聞いたことがある。年齢に関係なく、知らない単語は聴き取れない。

相手のわかりやすい理解のしかたが、こちらがわかりやすいと思ってしているしゃべりかたと一致しているとは限らない。いろいろ表現を変えたり、ときにはモノを見せたりジェスチャを交えながら、しっくりくる表現を試していく。この点「表現の幅を増やす」というのを日頃から意識しておくのも大切といえる。

そのときの状況とまるで関係ない話、とゆうのも伝わりにくい。場所やタイミング、つまりは「コンテキスト (文脈) を考え」て話すことが大切だ。料理の話は料理をしているときに、洗濯の話は洗濯をしているときにするのが効果的。

全然関係ないときに話すと無駄な労力を要するだけでなく、がむばって伝え切ったところで祖母の頭に残らない可能性が高い。

こんな感じで相手のペースを考えて伝えることがちょー大切、とゆうか全てだ。祖母の理解のスイッチを探して押していく感覚、とゆう言いかたが一番しっくりくるだろうか。

こんなのは当たり前だと思うかもしれないが、実際にやろうと思うとなかなかうまくできないのが現実である。現に母などは、祖母とのコミュニケーションで1日1回は軽微な失敗している (ように僕には見える) 。

相手のペースで話すのはまどろっこしいし、何よりも面倒くさい。パパッとすませたいという気持ちがついつい先立ってしまう。

が、こちらのペースで進めると、結局二度手間三度手間になって一層疲れるし、伝わらないことで無駄なストレスを抱えることになる。

そーゆうイライラは溜まるだけでなく、表情や言動にも確実に現れる。そしてそうゆう感情に限っては、相手にも容易に伝わる。「何でこの人はこんなにいつもイライラしてるんだろう、何だかうるさい人だなあ」などと思われてしまっては、そもそもの段階で話をまともに聞いてくれなくなってしまうかもしれない。

(ちょっとだけフォローしておくと、祖母と母の関係とゆうのは「近すぎる」のかもしれない。「親子ならわかるだろう」とゆう期待や甘えは誰しも持っているもので、僕も母に対してはついついキツく言ってしまうことがある。「祖母と孫」とゆうちょっと緩い関係だからこそ、一歩引いて冷静に見られるのかもしれない)

さいごに

何だか本書と関係ない話をつらつらと書いてしまったが、本書で挙げられているような、ビジネスや男女関係以外の、家族や高齢者との会話といったシーンでも本書に書かれているようなことを意識するのは有用だよ、とゆうことを言いたかったのだ。繰り返しになるが、意識すべきは以下の3つくらいだと思う。

「相手のことを考える」「コンテキスト (文脈・TPO) を考える」「全体の流れを考える」

そしてこれが何気に一番重要な第0法則なのだが、「コミュニケーションは技術であり、鍛えることができる」ということだ。自分はコミュ力がない、と気づいているひとこそむしろ「のびしろ」があるとさえ言える。鍛錬のためのテクニックが本書には満載されているので、読んでみるとタメになるかもしれない。

本書を読んだなら、後はひたすら実践して磨くこともちょー重要だと思う。本書を読んだからって、明日から巧みな話術を操れるようになるわけでは決してない。

100%確実に成功する伝え方なんてものは存在しない。せいぜい確率をちょっと高めてくれるだけ。でもそのちょっとした心がけが、人生では大切だったりするんだよなあ。

だいたい言いたいだけ・こーた ( @cota1Q82 ) でした。

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