ワンクリック (リチャード・ブラント)【読書】

      2014/02/14

ジェフ・ベゾス率いるAmazonの隆盛。

ワンクリック リチャードブラント

リチャード・ブラント著『ワンクリック (One Click)』読了。2012年日経BP社刊。井口耕二訳。288ページ。

売上4兆円の世界最大のショッピングサイト、アマゾン・ドット・コム。本はもちろん、DVD、音楽、ゲーム、食料品などあらゆるものを販売し、さらには電子書籍事業「キンドル」やクラウド事業でも先駆ける世界的な企業だ。そのアマゾンはなぜ本の販売を手掛けることになったのか、インターネットの波をいち早くとらえられたのか、ドット・コム・バブルを経ても生き残り、さらに発展を続けられるのか――。

via: Amazon内容紹介

みんな大好きAmazon

Amazonはほぼ毎日見にいく最もなじみの「お店」だし、本書もkindleで読んだように電子書籍も大好きなのだが、Amazonという企業そのものの成り立ちやその「中身」については本書を読むまでほとんど何も知らなかった。

そもそも創業者のジェフ・ベゾスについても最近やっと名前を知ったくらいで、「坊主頭のデカい人」って以外は何にも知らないし、他の同様に「身近」な企業、例えばApple (とジョブズ) やGoogle、Facebookなどに比べると、情報量が圧倒的に少ない。

これらの企業は本がたくさん出ていたり映画になったりしてるし、一応の基礎知識、誰がどーゆう経緯で作ったのかみたいなことはある程度知ってたりするんだけど、Amazonについてはホントに無知で、しかもつい最近まで無知だってことにも気づいてなかったくらい。

何だか空気のようにいつの間にか使うようになってて、気づいたら身近な存在になってたというか、中身のことなんて一切気にさせないような不思議な自然さがAmazonにはあるような気がする。

言われてみればいつどーやって出てきたんだろ、中身はどうなってんだろ、ベゾスって何者?Amazonて何なの?

本書をそーゆう疑問を一気に解消してくれる、Amazon入門とでもいうべき内容で、Amazonができるまで、大きくなるまで、みたいなことを、創業者ジェフ・ベゾスの生い立ちから現在に至るまでをざっと知ることできる。

ベゾスの生い立ちからAmazon誕生、会社が起動に載るまでの前半部は、面白エピソードを交えた非常にエキサイティングなサクセスストーリー。まあ他の企業を扱ったものと似たりよったりと言えなくもないが、へえ〜という話題もたくさん出てくるし、なかなか楽しく読むことができた。

それに比べて、会社が軌道に乗りはじめてから (一回つまづいたりもするけど) 以降を扱った後半部は、ほとんど社史みたいな内容でやや退屈な印象が残った。

ベゾスが (これもこの手の起業家にはありがちな) ちょー変人だってことはよくわかったんだけど、Amazonがどこへ向かうのかとか含めて、肝心のところは何だか結局最後まで謎だったなあ。

本文が長い割に何が言いたいのかちょっとわかりにくいのに対して、最後の解説 (滑川海彦) がめちゃめちゃうまくまとまってて、ぶっちゃけここだけ読めばよくね、なんてことも思ったり。

以前『ザッポス伝説』で読んだ、会社を買収しに現れたAmazon (とベゾス) とのやりとりがけっこう面白くて、このときのAmazon側の視点が本書で読めるかなとちょっと期待してたのだが、さらっと触れた程度の記述しかなくてちょっと残念だった。

すべてはお客様のために

そもそもネットでモノを売り買いするって、今でこそ当たり前のこととして日常的にやってるけど、全部最初はAmazonが考えたんだよなあ。

何だか怪しいから買わないとか、そもそもどうやって買ったらいいかわからない、とかをなくすために、サイトの構造からデザインの細部までちょーこだわって、いかに信用されるか、いかにわかりやすいかを追求する。

「すべてはお客様のために」を徹底するのは、また買ってもらうため。いや、商品が顧客の元へ届くならAmazonで買ってくれなくてもいい、とさえ言ってるからちょっと違うか。究極の顧客第一主義。

なのに会社はどんどん栄えてほとんど一人勝ち状態になっていく。不思議だなあ。

顧客のためを思ってサイトがわかりやすくなっていくに従って、どんどん無機質な、冷たい雰囲気にになっていく、てのも何だか面白い。顧客からすれば、モノが手に入るならだれから買うかってのはあんまり関係ないもんなあ。

僕自身はトラブったことはないけれど、カスタマーセンターがしっかりしてて対応が素晴らしい、なんてのを聞いたことがある。

全体的に冷たい印象なのに、いざというときは暖かいとゆうツンデレ感も最高で、僕も含めて多くのユーザーがやっぱりまたAmazonで買いたいと思ってしまう。

至るところ逆転の発想めいていて、でもよくよく考えたらみんな当たり前のことをやってるだけのようにも思えるし、でもなかなか真似できなくて、つくづく不思議な企業だなあと思う。

さいごに

ジョブズ亡き後、押し出されるようにじわじわと表舞台にも出てくるようになったベゾス。電子書籍に音楽、映画などなど、事業も何だか好調みたいだし、関連本も増えてきそうな勢い。

その一発目、Amazon&ベゾス入門として本書はうってつけ。Amazonをよく使うひと、でもよくよく考えたらAmazonて何?てひとはまず間違いなく楽しめるんじゃないかと。おすすめです。

おわり。kindleはiPadで読む派・こーた ( @cota1Q82 ) でした。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ 

 -その他の読書

ad

スポンサーリンク

  関連記事

大栗先生、重力を語る【読書】重力とは何か (大栗博司)

宇宙を支配する力の正体。

古典力学の世界 電磁気学の世界【読書】物理学対話 (砂川重信)

ニュートン力学と電磁気学。古典力学的世界像ができるまで。

凶悪 ーある死刑囚の告発ー (「新潮45」編集部)【読書】

この本から事件が動き始めた!

no image

TOEICテスト対策の第一歩【読んだ】ゼロからはじめるTOEICテストの押さえドコ【英語】

ゼロからはじめるTOEICテストの押さえドコ posted with ヨメレバ 土谷 望 テイエス企

孤独のグルメ 巡礼ガイド (週刊SPA!『孤独のグルメ』取材班)【読書】

五郎が訪れたあの名店の魅力を余すことなく紹介!

pepita3 再訪 (井上雄彦)【読書】

『pepita』でガウディの足跡をたどった井上雄彦が、再びスペインの土を踏んだ。カタルーニャを旅し、

no image

ダース・ヴェイダーとルーク(4才) (ジェフリー・ブラウン)【絵本】

ダース・ヴェイダーとルーク(4才) posted with ヨメレバ ジェフリー・ブラウン 辰巳出版

The Feynman Lectures on Physics (Online Edition) 素晴らしい知的財産をWebで

ファインマン先生からのクリスマスプレゼント。

ふたりの微積分 (スティーブン・ストロガッツ)【読書】

数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと。

pepita 井上雄彦 meets ガウディ【画集】

井上雄彦 × ガウディ!

ad

スポンサーリンク

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

スポンサーリンク

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

迷路荘の惨劇 (横溝正史)【読書】

角川文庫・金田一耕助ファイルの8冊目『迷路荘の惨劇』を読みました。子どものころハマった金田一を、1年

ゼッタイ押すなよ!【映画】人生スイッチ (2014)

押したら、さいご。

マイベストグルメ!〜2015上半期〜

2015年の上半期に行ったお店の中から、特に美味しかった5店舗を選んでみました!

  • ランキングに参加しています。当ブログの順位は以下から確認できます。

    にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

    ブログランキングならblogram track feed コタノト!



  • follow us in feedly