福家警部補の挨拶 (大倉崇裕) 【読書】

      2014/02/13

福家警部補は今日も徹夜で捜査する。

福家警部補の挨拶 大倉崇裕

『福家警部補の挨拶』が連ドラ化されると知って、前回のドラマでファンになった身として狂喜乱舞していたのですが、よくよく話を聞くと前回のドラマとはキャストも局も違うんですね。なーんだがっかり。

それにしても前の映像化をなかったかのように新シリーズを製作するなんて、ハリウッドがアメコミをリブートするみたいじゃないですか!日本では珍しいんじゃないかなあ。

でも今回のキャストはちょっとなあ……。つか前回NHK版の永作博美さんがどハマりすぎてたんですよねー。あと何気に前作はぼくの出身大学で撮影してた、とゆうか当時はまだ通ってたので、知ってる風景がたくさんでてきたのもポイント高かったです笑。

登場人物少なめでこぢんまりとした雰囲気なのも原作の世界観と合ってましたし、フジで連ドラ、となるとそのあたりどうなんのかなあ、ちょっと不安です……。

とゆうかドラマはたぶん観ないんですが (笑) 、せっかくの機会なんで原作を読み直してみました。前回のドラマ放送の前後で読んで以来の再読なんで、ざっと5年ぶりくらい、てことになりますかね。

読んでると何となーく雰囲気くらいはおぼろげながら思い出してきたんですが、トリックとか細かいところはすっぽり抜け落ちてて、新鮮な気分で最後まで楽しめました。

ぼくはオリジナルのコロンボは一度もちゃんと観たことがなくて、それよりは三谷幸喜さんの”和製コロンボ”『古畑任三郎』が大好きなクチです。で、和製の次がこの”女コロンボ”。

最初に犯人が殺人を犯すシーンがあって、その後に名探偵がトリックを暴いてゆく、いわゆる倒叙形式の構図は元祖コロンボや古畑と共通です。それ以外にも、社会的地位の高い殺人犯、犯人側のドラマ、すっとぼけた調子で相手を油断させる名探偵、「それともうひとつ」、などなど、いたるところにコロンボへのオマージュを見てとることができます。そいえば古畑も警部補でしたけど、コロンボってどうなんだろう。

収録作品は『最後の一冊』『オッカムの剃刀』『愛情のシナリオ』『月の雫』の4編で、犯人はそれぞれ図書館館長、元科警研の大学講師、女優、日本酒の蔵元と、職業も様々。事件を通していろんなお仕事を知ることができるのも楽しいです。

一番好きなのは『最後の一冊』かなあ。やっぱりぼくも本好きですからね、犯人の気持ちわかります。て図書館はほとんど利用したことないんですけど。

コロンボや古畑が映像作品てこととも関係するのかなと思うんですが、本作の文章自体は無機質とゆうか、小説としての味わいみたいなものは乏しいと感じました。まあミステリって多かれ少なかれだいたいそうなんですが。つかだからこそ逆に映像化しやすい、てのはあるかもしれません。

設定や世界観はちょっぴり浮いてるところがあって、ある種ファンタジー的な趣きもあります。リアリティのなさが絶妙なんですよね。ミステリや探偵ものは、現実離れしてるほうが面白いような気がします。

再読してみて意外だったのは、福家警部補のキャラクタ。あんまり描かれてないんですよね。もっとキャラクタ化されてると思ってました。想像で勝手に膨らませてたのか、あるいは永作さんの影響かもなあ。

まあ本作が初登場ってことでちょっと抑えめなのかもなあ。あるいは続編ではキャラクタの肉付けがじわじわ進んでるのかもしれません。

全体的に会話文が多いので、ページ数の割にサクサク読めてしまいます。ドラマ化で気になってるかたは比べながら読んでみると楽しめるかもしれません。

おわり。名探偵といえば古畑と金田一耕助・こーた ( @cota1Q82 ) でした。

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ぼくが持ってる版とは表紙が違うみたいです。今だとkindle版がお得ですね。

ちなみに連ドラの初回、反町隆史さんが犯人役の『失われた灯』は、続編の『福家警部補の再訪』に収録されているようです。こちらは未読。そのうち読んでみようかなあ。

ちなみにシリーズは3作目の『福家警部補の報告』まであります。こちらはまだ文庫化されていないようで、ちっとお値段がはります。いずれもkindleで読むことができます。

大倉崇裕著『福家警部補の挨拶』。2008年創元推理文庫 (2006年東京創元社) 刊。347ページ。

冒頭で犯人の視点から犯行の経緯を語り、その後捜査担当の福家警部補がいかにして事件の真相を手繰り寄せていくかを描く倒叙形式の本格ミステリ。本への愛ゆえに殺人も辞さない私設図書館長の献身「最後の一冊」、科警研主任として鳴らし退職後は大学講師に転じた”教授”が厭わしい過去を封じる「オッカムの剃刀」、二女優の長きにわたる冷戦がオーディションを機に火を噴く「愛情のシナリオ」、経営不振で大手に乗っ取られる寸前の酒造会社社長が犯す矜持の殺人「月の雫」、以上四編を収録。刑事コロンボをこよなく愛する著者が渾身の力を注ぐ第一集。

via: P1

 -小説

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