月に囚われた男 (2009)【映画083】

      2014/11/18

契約期間: 3年、赴任地: 月、労働人数: 1人。このミッションは何か、おかしい。

月に囚われた男

広大な宇宙 (とゆうか月) でひとりぼっち、とゆう内容なのは知っていたので、何となく『ゼロ・グラビティ』みたいな世界観を想像してたんですが、全然違いました。

最近観た作品でいうとむしろ『オブリビオン』に近い感じです。つかあちらは本作をパクったんじゃないかと思えるくらい、いろいろ似たところがあります。近未来、任務の内容、”企業”の存在、などなど。

月と地球、アクションとミステリ (?スリラー?ジャンルなんだろ)などなど、もちろん違うところもたくさんあって互いに独立して楽しめることは間違いないので、パクリってのはちょっと言い過ぎかもしれません。

本作だって過去のSF映画から影響受けてるなあと思えるところはたくさんあって、人工知能のガーティは『2001年宇宙の旅』のHALっぽいですし、基地の微妙な安っぽさなんかは『エイリアン』や『プロメテウス』と似たような雰囲気があります。

よくいえば、何だかいろんな名作のエッセンスを寄せ集めたようなお得感がある、てところでしょうか。

近未来、月で3年間ひとりぼっちで作業をしているサムとゆう男が主人公です。あと2週間で契約満了、地球に戻れるのを楽しみにしています。

こーゆう孤独ってのはどうなんだろう。ぼくならけっこう耐えられるんじゃないかって気がしないでもないです。あ、でも外部と完全に断絶されてるとかはちょっとツラいかなあ、何かしらの通信ルートは欲しいですね。

それ以外はまあ、本作くらい文明が進んでれば困ることもなさそうですし、そんなに苦にならないんじゃないかって気がします。期限もわかってますし。

『南極料理人』を観たときには、こんなとこ行くのやだなあと思ったんですけど、あれは他にも人がいたからそう思ったのかもしれません。完全にひとりなほうが気楽です。ガーティとゆう話し相手もいますしね。

そのガーティ、巧いなあと思ったのは「スマイル」みたいな顔の絵文字です。何ともカワイらしいですし、あるのとないのとじゃ印象がだいぶ変わります。素晴らしいUIのデザイン。将来この手のシステムが実現したらぜひつけるべきだなあと思います。

ちなみにデザイン繋がりだと、”ルナ産業”の企業ロゴもけっこうカッコよくて好きな感じです。これって韓国の企業って設定なんですかね。基地の中にところどころハングルが書いてあったり、韓国語の台詞も一部にあったり。TV電話で話す重役も東アジア系だったしなあ。

そのわりに特にふれるわけでもなく、何なのかちょっと気になりました。

話を戻すと、ガーティは敵なのか味方なのかわからないところも何とも不気味です。声がケヴィン・スペイシーてのも、何かやらかしそうな気配がムンムンで絶妙ですね。

声のみの出演のケヴィン・スペイシーを抜きにすると、ほぼ全編サム・ロックウェルの一人芝居です。いや、ふたりとゆうべきかな。ひとりなんだけど。

ちなみに回想とかTV電話で出てくる奥さん (ドミニク・マケリゴット) と娘さん (カヤ・スコデラーリオ) はどちらもカワイイですね。ふたりとも知らない役者さんだなあ。

ふたりのサムは、どっちがどっちなのかちゃんとわかるようになってるのが巧いなあと思います。服だったり顔の傷だったり、あと一方にはなるべく帽子をかぶせたりなんかしてて、演出も丁寧です。でもやっぱり雰囲気や佇まいはロックウェルの演じ分けだよなあ、素晴らしいです。

主従とゆうか、途中から主人公が入れ替わる感じなのも面白いですね。決定的な転換点があるわけでもなく、何だかじんわり移っていく感じもステキです。

映画の全体的な質感から、何となくモヤモヤするエンディングなのかなあと思ってたんですけど、けっこうバシッと決まるあたりも良い意味で裏切られた感覚です。

サムはこの後どんな人生を歩むのかなあ、みたいな余韻が残ります。登場人物の”その後”をいろいろと想像したくなる、てのは名画の条件なんじゃないかなとゆう気がします。

「宇宙!」みたいに大きなスケール感のわりに、ほとんど密室劇の一人芝居、てゆうアンバランスさが心地いいんですよねー。めちゃくちゃ好きな雰囲気でした。

けっこう都合いいなあと思える展開も多々あって、ツッコミだしたらキリがなさそうな感じなんですが、そーゆう細かいところには目瞑ってもいいかなと思えるような才気 (狂気?) みたいなものが感じられて面白かったです。

おわり。宇宙は嫌い・こーた ( @cota1Q82 ) でした。

▼▼▼▼▼

『月に囚われた男 (Moon)』。2009年イギリス。ダンカン・ジョーンズ監督。97分。

近未来。エネルギーの枯渇した地球は、新たな燃料源が存在する月へその希望を求めた。そして、宇宙飛行士のサム・ベル (サム・ロックウェル) が世界最大の燃料生産会社ルナ産業との3年契約により、エネルギー源ヘリウム3を採掘して地球へ送るという仕事のため月へたった独り派遣される。以来、彼は月面基地サラングを拠点として、人工知能を搭載したロボット、ガーティ (声: ケヴィン・スペイシー) を相棒に月面での作業に取り組み、また唯一の慰めだったTV電話での妻テス (ドミニク・マケリゴット) との会話も衛星事故で交信不能になった今では、孤独感とも格闘していた。だが、その苦痛に耐える任期もあと残り2週間となった時、作業中に事故を起こしてしまう。やがて、基地内の診療室で目覚め安堵した刹那、そこに自分と瓜二つの人間がいることに気付くサム。これを機に、彼は周囲で起きている出来事が果たして幻覚なのか現実なのか、判別が出来なくなっていく…。

via: allcinema

▼▼▼こちらの記事もよろしければ。

オブリビオン (2013)【映画】

南極料理人 (2009)【映画】

 -2000年代の映画 ,

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