インビクタス / 負けざる者たち (2009)【映画084】

      2014/10/31

ひとつの願いが、ほんとうに世界を変えた物語。

インビクタス

昨年 (2013年) 末、95歳で亡くなったネルソン・マンデラ元大統領。

いわゆる教科書的な知識はだいたい頭に入ってたんですが、あんまり詳しくは知らなかったのでちょっと興味が湧いて、本作を観てみることにしました。大好きなマット・デイモンも出てることですし。

そのマット・デイモンは、ラグビー南アフリカ代表の主将フランソワを演じています。やっぱりこの手の優等生キャラはハマりますね。

主将キャラって本来はあんまり好きじゃないんですけど、何だかマット・デイモンがやるとステキに見えちゃうんだよなあ。

あーでもこのひとはどっちかとゆうと自分のプレーを見せて引っ張ってくタイプで、あんまり無理にまとめようとしないところがいいのかもしれません。背中で語るタイプとゆうか。

これはマンデラ大統領とも重なるところがありますね。このあたりふたりの指導者の緩いシンクロ具合も絶妙です。押し付けがましくなく、あくまで自然に。

フランソワの家族は、当時の南アフリカにおける一般的な白人家庭、といった雰囲気で描かれてるのも巧いなあと思いました。黒人の家政婦さん (奴隷?) への態度が温かくて良いですね。

で、この映画の中心であるマンデラ大統領を演じたのはモーガン・フリーマン。本人に似せようとしてる感じはあんまりしなくて、いつも通りのモーガン・フリーマンなんですが、マンデラ大統領そのひとのように見えるから不思議です。

何だろ、佇まいにもともと似たところがあるからかなあ。苦労してるけど優しくて、みたいな心の大きなひとを演じるとハマりますからね。まさにマンデラ大統領のイメージとピッタリ重なります。

マンデラ大統領が主人公なのはたしかなんですが、あくまで円の中心とゆうか、より丁寧に描かれるのはむしろ周囲の人間たち、てところがこの映画のすごいところだと思います。周りを描くことで中心を浮かび上がらせる感覚です。

大統領のガードマンたちを民族融和の象徴的な存在として描くあたりは実に巧みです。

クライマックスのW杯決勝でも、良いなあと思ったのはスタジアムの外のシーン。黒人少年と白人警察官の関係性が素晴らしいですね。

説明的な描写はほとんどないのに、当時の状況に疎くてもスッと入ってくるんですよね。やっぱりイーストウッド監督は巧いです。

静かで多くを語らず、淡々と進んでいくのに、決勝戦に向けてちゃんと盛り上がっていくからすごいです。

マンデラ大統領の偉大さもじわじわと心に染みこむように伝わってきて心地いいです。マンデラ大統領が亡くなった今観ると、この映画の監督がイーストウッドがホントよかったなあと思います。

95年間 (およそ1世紀!) の長く過酷な生涯を全て映画にしようとするんじゃなくて、その中でもっとも重要だったと思われる、わずか1年間の情景を切り取っているところもステキです。歴史の一場面を切り取ったような映画って大好きなんですよね。

ネルソン・マンデラとゆう”人類”の指導者がいかに偉大であったか、本作を観れば一目瞭然なんじゃないかと思います。

おわり。こーた ( @cota1Q82 ) でした。

▼▼▼▼▼

『インビクタス / 負けざる者たち (Invictus)』。2009年アメリカ。クリント・イーストウッド監督。134分。

1990年、アパルトヘイトに反対し27年間も投獄されていたネルソン・マンデラ (モーガン・フリーマン) がついに釈放される。そして1994年、初めて全国民が参加した総選挙が実施され、ネルソン・マンデラは南アフリカ初の黒人大統領に就任する。しかしアパルトヘイト撤廃後も、白人と黒人の人種対立と経済格差は依然として解消されず、国家はいまだ分断状態にあった。マンデラ大統領にとって国民の統合こそが悲願であり、自ら寛容の精神で範を示し、国民に和解と融和を呼びかける。そして、翌95年に南アフリカで初開催されるラグビーW杯を国民融和の絶好のチャンスと捉える。彼は、長らく国際試合から閉め出され弱小化していた代表チームのキャプテン、フランソワ (マット・デイモン) を官邸に招き、国を一つにまとめるためにW杯での優勝が欠かせないと訴えかける。戸惑いつつも、大統領の不屈の信念に心打たれたフランソワは、やがて誰もが不可能と考えた優勝目指してチームを引っ張っていくのだが…。

via: allcinema

 -2000年代の映画 ,

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