物理学対話 (砂川重信)【読書】

      2014/03/07

古典力学から量子力学まで。

物理学対話 砂川重信

物理学の、特に科学史的な面白さがコンパクトにまとまっているステキな啓蒙書です。

対話形式

A教授のもとへ、卒業生のB君が訪ねてきて、物理学の発展史についてあれこれと教えてもらう、とゆう対話形式をとっています。

B君は経済学部卒から電機会社に就職したとゆう文系の人間。そんなひとが暇つぶしに物理学の研究室をしょっちゅう訪ねてくるなんて、何だか『ガリレオ』シリーズみたいで面白いです。

けどB君は草薙刑事と違って根っからの理系オンチではありません。てか質問がめちゃめちゃ的確、賢すぎます笑。

それにしても対話形式はやっぱりわかりやすいですねー。読んでて「あれ?」とか「じゃあこれはどうなの?」なんて思った疑問、どころか思ってもみなかったものまで含めて、B君がどんどん質問してくれます。

会話形式だったり物語形式だったり、何かしらの感情にのせて提供されたほうが、マジメな教科書を読んでるよりもスッと入ってきます。

科学の発展史

数式もモリモリ出てきますし、けっこう専門的な内容も含んでいますが、そんなちょい難しめなレベルもちょうどいいです。初級ではないけど難しすぎるってわけでもない、そーゆう中級向けの本て圧倒的に数が少ないように思います。

まあでも式は図に近い扱いですし、わかんなくても気にせず読み進められるんじゃないかなとゆう気もします。

それよりはどーゆう思考過程で科学が発展してきたのか、てのを追いかけるのが、本書の正しい楽しみかたにして最大の魅力なんではないかと思います。

古典物理学から相対論、量子力学までとゆう非常に幅広い範囲をカバーしてますし、本書だけですべて理解できるわけもありません。個々の細かいところはそれぞれ専門書で学ぶとして、全体の大きな流れを掴むほうが先決です。

その手の良書ってあんまりないんですよね、需要ないのかなあ。ぼくはけっこう好きなんですけど。

こんだけの内容まとめようと思うとかなりの大著のなっちゃいますからね、コンパクトにまとまってるのはホント素晴らしいと思います。

砂川節

“砂川節”ともいえるような、独特の表現や”毒”がちょこちょこ現れるのも、本書の魅力のひとつです。学生紛争やらなんやらで不安定だった当時の状況なんかが垣間見えるあたりも面白いですね。

ぼくなんかが生まれる10年以上前に書かれた本ですし、当時を体験してるかたが読んだらまた違った面白さがあるのかもしれません。

現代のような情報の洪水の時代には、どのような情報が本質的な意味をもっているかを見極めることが、いちばん大事なことですね。そうしないと、情報におぼれて、物事の本質をまったく見失ってしまいますね。

via: P34

40年以上前から「情報の洪水」なんて言われていたのかあ。この頃から洪水なら、今の”現代”は何なんだろうなあ、何だかちょっと恐ろしいです。

おぼれず見失わないための本質って、案外本書のような昔の本に書かれてたりするもんだよなあ、なんてことを思ったりもしました。

本書の構成

「古典力学」「電磁気学」「特殊相対性理論」「量子力学」から構成されています。後の章へ進むに従って、10ページずつくらい長くなってくような感じです。

それぞれの分野がどのような疑問から出発し、どう完成したか、そして課題は何か、という流れになっています。ほとんど時系列と言っていい流れで、人類がどのように考え、科学が発展してきたのか、転換点はなにか、などの大きなうねりがとてもよくわかります。

前の章で扱われた分野の疑問を受けるカタチで後の章がスタートしているので、順番に沿って読むのが一番楽しめる読みかたなんではないかと思います (てぼくはどんな本でも頭から読むタイプなんですが) 。

以下、それぞれの章でグッときたところを、なんて思ったんですが、だいぶ長くなりそうなので一旦切って、改めて書こうと思います。ではでは。つづく。

▼▼つづきのエントリはこちら。

古典力学の世界 電磁気学の世界【読書】物理学対話 (砂川重信)

▼▼▼▼▼

砂川重信著『物理学対話 古典力学から量子力学まで』。2012年河出書房新社刊 (1970年『新物理学対話』復刻新版) 。218ページ。

古典力学、電磁気学、相対性理論、量子力学。基本となる考え方を対話形式ですべて押さえた一冊。読み物としても楽しめる、物理学の神髄がここにもある。不朽の名著、待望の復刊!!

via: 表紙オビ

▼▼▼もくじはこちら (章のみ) 。

  • 第1回目の対話 古典力学の世界
  • 第2回目の対話 電磁気学の世界
  • 第3回目の対話 特殊相対性理論の世界
  • 第4回目の対話 量子力学の世界
  • あとがき

 -その他の読書

ad

スポンサーリンク

  関連記事

金哲彦のマラソン練習法がわかる本【読書】

超人気コーチがはじめて明かす100日練習メニュー。

凶悪 ーある死刑囚の告発ー (「新潮45」編集部)【読書】

この本から事件が動き始めた!

伊坂幸太郎さんの本棚

伊坂幸太郎さんのエッセイ集『3652』[感想] で言及される本 (や映画) の中で、気になるものをピ

カレーの海で泳ぎたい (続木義也)【読書】

一日1カレーでインドが見えてくる。

新しい超伝導入門 (山路達也)【読書】

リニアモーターカーだけじゃない!世界を変えゆく超伝導の原理をざっくり解説。

本気で5アンペア / 5アンペア生活をやってみた (斎藤健一郎) 【読書】365日の5アンペアライフ

3.11を忘れない。節電、足下からの脱原発と快適な都会暮らしを目指す日々を紹介。

no image

TOEICテスト対策の第一歩【読んだ】ゼロからはじめるTOEICテストの押さえドコ【英語】

ゼロからはじめるTOEICテストの押さえドコ posted with ヨメレバ 土谷 望 テイエス企

MIT白熱教室【TV】これが物理学だ!

マサチューセッツ工科大学 (MIT) のウォルター・ルーウィン教授による「物理学」の講義が、『MIT白熱教室』と題してNHK・Eテレで2013年1月5日から放送される。今から楽しみだ。

no image

ダース・ヴェイダーとルーク(4才) (ジェフリー・ブラウン)【絵本】

ダース・ヴェイダーとルーク(4才) posted with ヨメレバ ジェフリー・ブラウン 辰巳出版

no image

アホー鳥が行く 静と理恵子の血みどろ絵日誌【エッセイ】大人の遊びの流儀

アホー鳥が行く―静と理恵子の血みどろ絵日誌 (角川文庫) posted with ヨメレバ 伊集院

ad

スポンサーリンク

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

スポンサーリンク

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

迷路荘の惨劇 (横溝正史)【読書】

角川文庫・金田一耕助ファイルの8冊目『迷路荘の惨劇』を読みました。子どものころハマった金田一を、1年

ゼッタイ押すなよ!【映画】人生スイッチ (2014)

押したら、さいご。

マイベストグルメ!〜2015上半期〜

2015年の上半期に行ったお店の中から、特に美味しかった5店舗を選んでみました!

  • ランキングに参加しています。当ブログの順位は以下から確認できます。

    にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

    ブログランキングならblogram track feed コタノト!



  • follow us in feedly