メイドインジャパンを実現するiPad【Sports Graphic Number 799】眞鍋ジャパンが目指す世界一のデータバレー

      2014/02/14

あまりにグッときたので、単独entry。

長友くんが表紙の『Number』799号は、目覚めよ、ニッポン力。と題して、サッカー、野球、ラグビーなど様々な競技の「日本流」を特集していてなかなか面白い。

雑誌全体の感想は改めて別エントリで書くとして、今回はこちらの記事に注目して、ちょっといろいろ書いてみようと思う。

[汗と頭脳の結晶]文●米虫紀子
眞鍋ジャパンが目指す世界一のデータバレー

スポーツとApple製品が好きな僕が、とてもグッときた記事。

僕がバレーボールを観ない理由 〜長い長いまえおき〜

最初に断っておくと、僕はバレーボールの試合はあまり観ない。

スポーツ、特にボールゲームは全般的に好きなので、TVをつけて試合をやっていれば何となくで観ることはあるが、好んで観ようとは思わないし、バレーという競技自体、観ていてあまり面白いと思わない。

なぜか?

これは以前にもちょっと書いたことだが、サッカーは「読むより観て楽しいスポーツ」、野球は「観ても読んでも楽しいスポーツ」だと思っている。

これに対してバレーボールは「観るより読んで楽しいスポーツ」というのが僕の考え。

まず放送のあり方の問題。旬のタレントを呼んで盛り上げるというあの感じはどうも好きになれない。

ただそんなことよりも、とにかく試合展開が早すぎてついていけない、というのがある。観ながらいろいろ考えたいのにどんどん進行してしまう。

ゲームを決めるプレー、勝敗を分けるポイントが何だったのかという、スポーツ観戦の醍醐味ともいえる部分がとても分かりにくい競技だなあと思う。

それとは対称的に、『Number』でときどき「読む」バレーボールは、データを交えた考察など、とても面白いなあと思う記事が多い。

そんなわけで、バレーボールは「読む」スポーツであって「観る」スポーツではない、というのが僕の考え。

眞鍋ジャパンの基本戦略

バレーボールをあまり観ない僕でも、女子バレー日本代表「眞鍋ジャパン」のレベルが年々挙がってきていることは知っている。

ロンドン五輪では本気でメダルも狙えるみたいなので、少しだけ注目もしている。

ただ、TV中継を観ていても、強くなってきた理由や方法といったものがイマイチよくわからない。

今回の記事は、この疑問にほとんど答えてくれていたと思う。

記事の内容から、「眞鍋ジャパン」の基本戦略を見ていこう。

まずもっとも基本的な、というか日本が世界と戦っていく上での立脚点、みたいなものはどこにあるのか?

眞鍋政義監督はこう言っている。

「バレーボールは2m24cmのネットという障害物がありますから、身長が高く、腕が長い方が有利には違いない。でも、例えばバスケットならゴールが上にありますが、バレーはゴールが床なんですよ。ボールを落とさなければ点数が入らないスポーツなんです」

スポーツに限らず何事もちょー基本的なところからスタートするというのはとても大事なことだと思う。その点この考え方はものすごく好感が持てる。

それにしても「ゴールが床」、て考え方は盲点だったなあ。言われてみればごくごく当たり前のことだけど、今まで考えたこともなかった。

そしてこの考えから導かれる日本の生きる道はというと、ディフェンス力の向上以外にない、ということになる。

中でも「ディグ」がちょー重要。

ディグとはスパイクレシーブのこと。拾って拾って拾いまくる、てことだ。

強化のための最強ツール

さてではどうやってその「ディグ力」を強化するのだろう?

根性?

いやいや、徹底的なデータ解析である。そしてこの「データ解析力」こそ、眞鍋ジャパンが世界に誇れる最強の武器と言える。

その世界一の「データ解析力」を支えるツール、それがみんな大好きiPadである。

昨年、そんな選手たちを強力にサポートする日本女子バレー独自のアプリケーションが開発された。文部科学省のマルチサポート事業の支援を受けて、チームが具体的な要望を出し、やりとりを重ねて完成させた映像分析ソフト「Eye Volley Pad」だ。コマ送りや一部分を拡大して見るなど、自分が求める映像のパーツを効率よく見ることができる。

たとえばどんな使い方をしているのか。

たとえば相手の一人のブロッカーを拡大し、その目線まで追うことができる。ブロッカーがずっとセッターの方ばかり見てスパイカーを見ていないから、時間差攻撃が有効だ、など攻撃のアイデアも膨らんだ。

そんなとこまで解析してんだスゲ。ちょっとコワイ。

さらにさらに、

これさえあればバレーをする上で必要な情報にはすべてアクセスできる、というものが欲しかった

てことで、

選手とスタッフに1人1台、iPadが支給された。

持ってるのは監督だけではないんですね。それにしても選手全員とは太っ腹。まあそれでメダル獲ってくれれば安いもんか。

真のメイドインジャパンになる日は来るのか

それにしても、世界に誇れるメイドインジャパンの「データ解析力」を支えているのが米Apple社のiPad、てのは何とも皮肉だなあ、と思った。

すっかりApple派になってしまった僕としては、眞鍋ジャパンにがむばってもらって、是非ともロンドンでメダル獲って欲しいところ。そうすれば、メダルへと導いてくれたiPadにもたくさん注目が集まるはず。いや、もうこれ以上注目される必要もないか。

それにしてもあの、試合中に時折見られるiPadを使って選手と話す様は、どんなプレゼンよりもものすごい説得力を持ってるよなあと思う。

「iPadのようにすぐに電源が入って軽快に動くものと、パソコンのようにわざわざバッグから出して、電源を入れて、ちょっと待たなければいけないものでは、わずかかもしれませんが、差は生まれるものだと思います」
その差が、練習や試合で疲労した選手が、「ちょっと映像を観ようか」と腰を上げるか上げないかの分かれ目になってくる。

こんなのiPadじゃなくてもタブレット端末ならもはや当たり前だと思う。だからこんなところがすごいとかそういうのを言いたいのではない。

日本の企業もこういう感覚的な配慮、ディテールにこだわった開発ができているのだろうか。

この手のこだわりは、日本は本来得意なはずである。「眞鍋ジャパン」の成功が何よりもそれを示している。

「Android vs. Apple」みたいな記事は最近よく目にするが、僕はまだまだ全然勝負になっていないと思っている。

どっちの販売台数がどうだとかそんなことで比較するよりも、眞鍋監督の手元を見れば一目瞭然。よっぽどどっちが優れてるかが分かるというものだ。

ガジェットも含めた真の意味での「メイドインジャパン」になる日は果たして来るのだろうか。

それこそ「眞鍋ジャパン」と日本企業が手を組んでハードウエアも開発する、なんてやってみたら面白いと思うのだが…?

 -雑誌

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