古典力学の世界 電磁気学の世界【読書】物理学対話 (砂川重信)

      2014/06/26

ニュートン力学と電磁気学。古典力学的世界像ができるまで。

物理学対話 砂川重信

だいぶ時間が経ってしまいましたが、以下のエントリのつづきです。

▼▼

物理学対話 (砂川重信)【読書】 (コタノト!)

これの最後に、細かいところについてはおいおい書きますなんて言っておきながら、かれこれ1ヶ月くらいが過ぎてしまいました。

まあ本書で扱われている物理学の壮大な歴史からみたらほんのわずかな時間でしかないですが、時が経つのは早いものよのう。

気を取り直して、1章から順にグッときたポイントを拾っていきます。

古典力学の世界

ニュートンは人間の五感から隠された、より深い自然の本質の一端をあばきだすことに成功したわけだ。

via: P25

僕にも、何かニュートンの偉大さが少しはわかってきたような気がします。

via: P19

第一回目の対話は古典力学。天動説からはじまって、天文学を中心にはなしが進んでいきます。細かい目次はこんな感じ。

  • 天体の運動
  • 運動の法則
  • 万有引力の法則
  • 土星の環
  • 力学的自然観

天動説ってのもなかなかよく出来ていて、現代人でもちゃんと否定しようと思ったら大変なんじゃないかと思います。

そいえばアメリカ人の20%くらい (?) はいまだに地動説を知らない、みたいな記事を最近も見かけたような……。

そんな天動説がどのように否定されて、地動説にとって変わったのか、てのを眺めながら、科学的な物事の考えかたを学んでいこう、とゆうのがこの章の位置づけです。

つかまあ高校物理で真っ先にこのニュートン力学を学ぶ意義も、この「科学の考えかた」を学ぶためだからなあ。

ぶっちゃけ物体の運動がどうこうなんて、それが解けたところで、「だからどおした」てはなしですからね。

一見シンプル (だけどそれなりに難しい) なテーマを例にとって、科学ってやつをちゃんと訓練しとこうぜ、てことなんだよなあ。

ちなみに天動説から地動説へのパラダイムシフトについては、サイモン・シンの『宇宙創成』なんかにもっとみっちり書かれています (また読み返したい) 。

本書の記述だけだと正直良く分からない部分もあるので、過去の記憶をたよりに、行間を埋めながら読んだ、てのが実情です。

▼▼▼▼

力学の発展に伴って、人間の自然観が変わってくるあたりも面白いです。

古代の自然観は、目に見えて手を触れることができる「実在」のみを信じようぜ、とゆう「素朴実在論」から、古典力学の完成によって、初期条件さえ決まればあとは全部決まっちゃうんだよ、とゆう「力学的自然観」へ。

そしてこの考えかたがさらに後の物理学の発展で修正されて……。そーゆう自然観の変遷を追いかけるのが本書最大のテーマとも言えます。

電磁気学の世界

「べつに君にわかると思ってかいたわけでもないのだ。しかし、この数式をみたボルツマンという大物理学者は、”これは神がかいたものではないか”といって、マックスウェルの方程式の美しさに感動したそうだ。私もボルツマンが感激したのは無理もないと思う。」

(略)

「そう高踏的にでられると、われわれ俗人は科学者との断絶を感じますよ。もうすこし、わかりやすくお願いでいませんか。」

via: P39

2章は電磁気学です。砂川重信さんといえば『電磁気学』、ぼくも以前に読んだことがあるので、この章はその内容を思い出しながら読みました (また読み返して勉強しないとなあ) 。ちなみに細かい目次は以下の通り。

  • 遠隔作用と近接作用
  • クーロンの力の果たす役割
  • ガウスの法則
  • 電流による磁場
  • 磁場の電流に作用する力
  • 電磁誘導の法則
  • 電気工学
  • 古典物理学的世界観

「旅の地図」としてマクスウェル方程式が最初に提示されて、ひとつひとつ説明しながら進んでゆく、とゆう構成がわかりやすいです。

君が電磁気学の考え方をほんとうに理解することができるか否かは、君の先入観がどれだけ強くないかにかかっている。なるほど、真空というのは、その名のとおり、物質のまったくない空虚な空間だ。だから真空とよぶわけだけれど、その真空が何の物理的性質ももたないと、誰がきめたのだね。

via: P43-44

電磁気学は真空に関する学問なんだぜ、てことがけっこう最初のほうで示されています。これはわかりやすい。

真空、つまりは空間の性質について考えるんだぜ、てのは後で出てくる相対論を何となーく意識しながら読み進めることができます。繋ぎかたが巧い。

相対論との繋がりは、アンペール・マクスウェルの法則や電磁誘導の法則のところでも出てきますね。帯電体の運動によって電場や磁場が変化するわけですが、そもそも運動って相対的なんじゃないのか、帯電体に対して静止してるか運動してるかで、電場なのか磁場なのか見えかたが違ってくるんじゃね?とゆう疑問です。

それと、いきなり真空の性質がどうこうなんて言われても (当時の科学者ですら) ピンとこないので、とりあえずエーテルとゆうものを仮定します。

このエーテルって何なの?とか、そもそも何で遠隔作用じゃダメで、近接作用て考えかたを採用するの、とか、電磁気学を学ぶと、さまざまな疑問が浮かんできます。

そーゆう数々の疑問が、新しい物理 (ここでは相対論) を生むきっかけになってるのが面白いです。繋がりがちょーよくわかります。

そう。わからないことだらけだ。だからこそ、私なんかのような人間のすることもあることになる。

via: P49

わからないことをわかるようにしてくのが科学だともいえるからなあ。

まあでもそんな大それたことじゃなくても、自分にとっての「わからないこと」を大切にするだけでも、理解を進める良い助けになるような気がします。

科学者にとって、もっともたいせつな能力は想像力だ。それが創造力につながるのだ。

via: P72

何とゆうか、うまいことゆうなあ。

▼▼▼▼

この後、電磁気学が完成したことで新たに湧き上がってきた様々な疑問を解決するカタチで、特殊相対論、さらには量子力学へとはなしが進んでいきます。

電磁気学から相対論への流れは非常にスムースで分かりやすいんですが、少々長くなってきたので、またまたここで一旦切ります。

つづきは次回、と言いたいところですが、何かここまで書いたらちょっと満足してしまいました……。気が向いたらさらに書く、かもしれません。

▼▼▼▼

▼▼こちらの本も参考に。

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