キック・アス (2010)【映画094】残酷さとナンセンスのバランス

      2014/12/02

正義の心で、悪をKILL。

キックアス

あんまり内容知らずに観はじめたんですが、まず「ヒーローもの」てところにちょっと驚きました。しかもけっこうちゃんと (?) ヒーローやってます。単なるおバカ映画じゃないんですね。

でもむしろ、これはもっとバカバカしくてもよかったんじゃないかな。単なるおバカ映画でよかったとゆうか。面白い発想だなあと思う反面、何とも中途半端だなあと思ってしまったのも確かです。

残酷さとナンセンス

まず気になったのは、必要以上にバイオレンスなところです。うーん、あーゆう痛いの嫌だな。何とゆうか、もっとナンセンスな内容なら、残酷でもいいような気がするんですよね。

例えば『天才バカボン』なんかはけっこうカンタンに人が死ぬ、とゆうかバカボンのパパが殺しちゃうんですが、暴力的な印象はほとんどありません。

これは主人公側であるバカボン一家がほとんど成長しないてことと関係があるように思います。ナンセンスは成長しちゃいけないんです。成長すると、現実感が出てしまいます。そーすると暴力行為も途端に残虐さを帯びはじめます。

「成長しないし、カンタンに死ぬ」とゆう状況は、全体としてみるとある意味ずっと残酷なのかもしれませんが、少なくとも劇中での暴力は目立たない。

でもどちらが正義か、みたいな「主観」が入ってくると、バランスが崩れちゃって残酷さが際立ってくるのかなと思います。

本作の「主人公」は、とりあえずヒーローになってみることで、ちょっと成長しちゃうわけです。それって何だか不公平なんですよね。視点が偏ってる。

悪党一家の団欒、みたいなものもけっこう描かれてるのに、彼らはむざむざと殺されちゃうわけですよ。悪人だからって殺していいのかと、疑問に思ってしまうわけです (続編はその復讐、みたいな流れみたいですが。暴力は暴力を生むんだなあ)。

例えば北野武監督の『アウトレイジ』は、どっちが正しいとかはなく淡々と暴力だけを描いてて、かえってあんまり残酷な感じはしないんですよね。何だか現実感が薄いとゆうか。まあ痛そうですけど笑。

ナンセンスならキャラクタは成長しちゃいけないし、成長するなら残酷さも減らさないといけない。何だかそのあたりのバランスが大事なような気がします。中途半端だなあと感じたのはこのあたりに原因があるように思います。

I’m Hit Girl

とはいえ、ヒットガールがめちゃくちゃカッコイイです。これが噂のクロエ・グレース・モレッツちゃんですか。はじめてまともに観ました。目隠すと誰かに似てるなーとずっと思ってたんですが、何のことはない芦田愛菜ちゃんですね。ウケる子役って全世界共通なのか笑。

予告編 (本エントリの一番下にあります) でも観れますけど、”I’m Hit Girl.”てセリフんとこがとにかくカッコイイです。

女性で軽快なアクションがここまで様になる役者さんて意外と少ないんで、この路線でもりもり活躍して欲しいですね。まだ子供だから身軽でいろいろできる、てのはあるかもしれませんが。そのあたりだいぶ成長しちゃった続編ではどうなのか、ちょっと気になります。

とにもかくにも、クロエちゃん観るだけでも十分楽しめる映画ですね。キックアス関係ねー笑。

ダサさのセンス

バカバカしくて残酷な内容に反して (笑) 、映像は洗練されててセンス良いです。シーンの繋げかたが巧いんですよね。あ、あとアメコミ風の回想シーンも面白かったです。

キックアスのスーツも色づかいが絶妙なんですよね。絶妙にダサい笑。濃いめの緑に黄色いラインて、これ以上ないダサい配色。「ダサさのセンス」も素晴らしいです。

▼▼▼▼

散々「成長すんな」て書きましたけど、変わるためにはカタチから入ってとりあえずやってみる、続けてみるって大事だなあ、なんてことを思ったりもしました。

まあいずれにしても、この手のあんまり得るものがない映画は最高です。だからこそ、やっぱり成長とかしなくていいのになあ。

おわり。

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▼▼▼▼

『キック・アス (Kick-Ass) 』。2010年アメリカ・イギリス。マシュー・ヴォーン監督。117分。

アメコミ好きでスーパーヒーローに憧れるニューヨークの高校生デイヴ (アーロン・ジョンソン) 。ある日彼は、インターネットで手に入れたコスチュームを身に纏い、勧善懲悪のヒーロー”キック・アス”として街に繰り出す。しかし、何の能力も持たない彼は最初のパトロールでチンピラにボコボコにされ重傷を負ってしまう。ところが、その治療で体中に金属を埋め込み、神経の損傷で痛みにも鈍感になったデイヴは無類の打たれ強さを身につけていた。そして、懲りずにパトロールを再開したデイヴ。すると、その様子を野次馬が動画サイトにアップしたことからキック・アスの名はたちまち知れ渡り、一躍時の人に。だが、そんなキック・アスの活躍ぶりを知った地元マフィアのボス、ダミコ (マーク・ストロング) は最近起きた組織のトラブルを彼の仕業と勘違いし、キック・アスの抹殺へと乗り出す。ところが、実際はキック・アスの影で別のヒーローが暗躍していた。その正体は、ダミコへの復讐に燃える元警官の”ビッグ・ダディ” (ニコラス・ケイジ) と、彼が手塩に掛け恐るべき殺人マシーンへと鍛え上げた娘”ヒット・ガール” (クロエ・グレース・モレッツ) だった。やがてキック・アスは、この親子とダミコの血で血を洗う戦いの渦に巻き込まれていくのだが…。

via: allcinema

▼予告編はこちら (2分ほどの動画です) 。

 -2010年代の映画 ,

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