レオン (1994)【映画】

      2014/10/31

凶暴な純愛。

レオン リュックベッソン

『レオン (Leon) 』鑑賞。1994年フランス / アメリカ。リュック・ベッソン監督。111分。

買い物に行っている間に家族を惨殺された12歳の少女マチルダ (ナタリー・ポートマン) は、隣人レオン (ジャン・レノ) に助けを求める。戸惑いながらもマチルダに救いの手を差し出すレオン。彼が殺し屋だと知ったマチルダは、復讐するために殺し屋になりたいと懇願する。

via: Amazon内容紹介

久しぶりに観たのだが、やっぱりこの頃のリュック・ベッソンて抜群にセンスがいい。何だろう、音も色もカンペキなんだよなあ。

「辻褄」を越えるセンス

特にセンスがいいと思うのが、空間の捉えかた。技術的なことはよくわからないけど、例えば表情のアップを撮ったカットでもちゃんと奥行きを感じたりとか、全体的に何だか「広く」感じるのがとってもステキ。

カメラの動かしかたと、人間の動きの調和も絶妙で、画面から伝わってくるピリピリとした緊張感が凄まじい。

前にも書いたことあるような気がするんだけど、リュック・ベッソンの作品て、細かいシーンから全体の展開に至るまで、「辻褄を合わせる」とゆう概念が決定的に欠如してて、繋がりがおかしいことが多々ある。

つまんない映画 (近作にその傾向が強い) だとアラばっかり気になっちゃうんだけど、若いころはセンスの良さでおかしな部分を全部覆い隠せちゃってる。

例えば最初の「仕事」のシーンで、窓の外にいたはずのレオンが後ろからヌッと出てくるところとか、よくよく考えたら (瞬間移動かって意味で) ちょっとおかしいだけど、画がカッコイイから全然気にならない。

ドア越しの邂逅

ドア一枚隔ててレオンとマチルダが向きあうシーンは前半のハイライト。凄まじい緊張感で、先の展開を知っててもドキドキしちゃう。

覗き穴から状況をじっと見つめるレオンがいかにもプロっぽくてステキ。ジャン・レノは余計な動きをしないのが良い。

ついでにいうと、ジャン・レノの動きはもっさりしているので、とてもアクション向きじゃない。けどそれが逆に独特な重厚感を生み出してるから面白い。人間の動き・佇まいは奥が深いのう。

このレオンはやたらと牛乳を飲むんだけど、これがとっても美味しそう。観てると牛乳苦手なこっちまで何だか飲みたくなってしまう。

『クレイマー・クレイマー』のフレンチトーストなんかもそうだけど、お決まりの美味しそうな食べ物 (or 飲み物) が出てくる映画って、それだけでもうある意味「正解」なんじゃないかなあと思う。

「美味しい」映画に駄作なし、かな?

悪役と言えばゲイリー・オールドマン

悪役のスタン (ゲイリー・オールドマン) がどぎつくて、主役を食うほどの強烈な個性を放っている。悪役が光る映画ってのも名作の条件だよなあ。

けっこうな勢いで残忍なんだけど、これもやっぱりセンスの良さのおかげか、あんまり残酷に映らないから不思議。すべてを包み込むセンス、すごいとしか言いようがない。

まあベッソンの悪役は極めてマンガ的で現実感に乏しい、てのもあるけど。

本作も含めた90年代の映画って、悪役と言えばゲイリー・オールドマン、てくらい悪い役ばっかりやってたよなあ、なんてことを思い出した。

今観るととても楽しそうに演じてて、やっぱこのひとは「わるもん」が似合うんだなとつくづく思った。最近は『バットマン』シリーズのゴードン役ですっかり良いひとキャラになっちゃったけど、また久しぶりにイカれた役も観てみたいなあ。

印象的なのはマチルダの父と対峙する前半のシーン。部屋の中にある簾越しのカットが幻想的で好き。

不安定な関係

レオンとマチルダの関係性の変化が本作最大の魅力。

最初は親子のような、庇護するものとされるものといった立場だったのが、途中からは師弟関係へと変わっていき、最後は友情や恋といった感情が支配的になっていく。

順番も含めてそのときどきではっきりとコレってゆうわけじゃなくて、ゆらゆらと行ったり来たり、時には混ざり合ったりと、実に不安定な関係性が見事に描かれている。

描かれている、とゆうよりは、敢えて多くを描いていない (描けない?) ところが逆に効果的で、この何とも定まらない関係性の危うさが、ストーリーともシンクロして余計にドキドキを誘う。

さいごに

今回観たのは劇場公開のオリジナル版。これとは別に完全版てのもあってそっちのほうが評価が高いらしい。

けどこのオリジナル版もコンパクトにまとまってて悪くなかったけどなあ。これ以上盛ると蛇足になっちゃうような気もするんだが、どうなんだろう。機会があったら観て比べてみよー。

おわり。

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