ブルージャスミン (2013)【映画】

      2014/10/31

虚栄という名の花。

ブルージャスミン ケイトブランシェット

『ブルージャスミン (Blue Jasmine) 』鑑賞。2013年アメリカ。ウディ・アレン監督。98分。

ニューヨークでのセレブ生活が崩壊し、妹の住むサンフランシスコへとやって来たジャスミン (ケイト・ブランシェット) 。質素な生活を送る妹 (サリー・ホーキンス) の厄介になりながらも、虚栄心が捨てられずに周囲にまるで馴染めない。おのずと精神もますます疲弊していく。それでも華やかな生活を諦めることができず、再びセレブな舞台への返り咲きを期して躍起になるジャスミンだったが…。

via: allcinema

といったあらすじだが、この映画、正直ストーリーはどうでもいい。それよりも観るべきは、何といってもケイト・ブランシェット!

ケイト・ブランシェット!

アカデミー賞の演技ってどんなもんじゃい、てのが気になって観にいったのだが、なるほどこれは受賞もナットクである。

ケイト・ブランシェットって今までのイメージは良妻賢母とゆうか、夫よりも一歩下がったところにスッと立ってる気の利いたステキ女性、て感じだった。何よりも美人だし。『ベンジャミン・バトン』なんかがそんな役じゃなかったっけ。

『ゼロ・グラビティ』のサンドラ・ブロックみたいに宇宙空間で悪態をついたりだとか、『アメリカン・ハッスル』のエイミー・アダムスのように、生きていくためには何でもする、みたいな感じではない。

反面、面白味はイマイチ。キレイだけど、何かちょっと物足りない。そんなイメージだった。

でも本作のケイトは、そんなステキイメージをかなぐり捨てて、精神を病みながらもセレブへ返り咲くために何でもする女を、まさに全力で演じている

役が乗り移るってのはときどききくけど、鬼気迫る演技がジャスミンに乗り移ったかのようで凄まじい。女優魂ここにあり。

それにしても昨年度の主演女優賞は、ホントにレベル高かったんだなあと改めて思った。

ろくでなしばっかり

登場人物がどいつもこいつもしょーもないやつばっかり、てのが良い。『アメリカン・ハッスル』もそんな感じだったなあ。人間は決して完全じゃないから面白いし、そんな不完全なキャラクタこそ親しみも湧くってもんだ。

ところどころ、あー自分もこーゆうとこあるよなあと思って自己嫌悪に陥っててハッとした。(自分も含めた) 人間の醜さが何とも生々しいんだけど、おかしみとのバランスも絶妙で、不快感を快く楽しむことができる。

妹のジンジャー (サリー・ホーキンス) はバツイチで2人の子持ち。と聞くと、一見たくましく生きてるように思えるけど (まあ実際たくましいんだけど) 、ちょっと抜けたところがあってダメ男ばっかり好きになっちゃう。

キュートなんだけど垢抜けない、とゆう何ともいえない雰囲気がとてもよかった。

で、元旦那、現彼氏、新彼氏と、彼女を取り巻く男たちがことごとくろくでもない笑。それもみんなタイプの違うしょうもなさ、てのもスゴイところ。よくこんなダメ男のヴァリエーションたくさん描けるなあ笑。

ジンジャーを主人公にしても十分面白いおはなしになるんじゃないかって思った。

ジャスミンの元夫ハルは、胡散臭さ全開のアレック・ボールドウィンがハマり過ぎてて素晴らしい。特に何もしなくても、佇まいだけでもう十分胡散臭くて可笑しい。大好きな役者さん。

あーあと、ジャスミンのバイト先の歯医者もしょうもなかったなあ笑。

まともなキャラクタってゆうと、ジャスミンの新恋人ドワイト (ピーター・サースガード) くらいか。けど他のキャラのアクが強すぎるせいか、何だか全然面白味のないキャラクタだった笑。映画的にはひとりだけ面白くないヤツ、てのがある意味ちょっと面白かったりもする。

現在と過去を行ったり来たり

過去のシーンと現在のシーンを行ったり来たりする展開も大好き。はなしがジワジワと見えてくるあたりも、いいね!

てかストーリーがどこへ向かってるのか、てのがイマイチよくわからないとゆうか、特にどこかへ向かってるような感じもしなかったのに、しっかりとオチがあって、最後は収まるべきところへストンと落ちるって結末が見事ゆうほかない。

はなしの方向が見えないといつもは不安になるんだけど、本作に関してはそんな不安感が逆に心地よかった。まあ、ストーリーはけっこうどうでもいいなこれ、と思いながら観てたから、うまいことまとまって驚いた、みたいなところもある。

んで、まるで救いのない終わりかたも良い。突き放すエンディングって、個人的にははあんまり好きじゃないなんだけど、本作に関してはこれしかない!って感じで妙に腑に落ちた。

セレブに返り咲いたところで、結局は同じことの繰り返しだと思えたからかな。エンディングからが真の意味での再スタート、て考えると少しだけ希望が持てる、と言えないこともない。

さいごに

『欲望という名の電車』とゆう古い映画 (舞台) と似たところがあるらしい。昔からタイトルだけは聞いたことがあって、気になっていた作品。今度観てみよっと。

ウディ・アレン監督の映画を観たのは今作がはじめてだった。台詞がいちいちオシャレだったり、会話劇が楽しくて好みな感じなのは思っていた通り。

過去の作品はいーっぱいあるので、こちらもちょっとずつ観ていくことにしよー。またひとつ楽しみが増えた。

おわり。

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予告編は以下 (1分半ほどの動画) 。

 -2010年代の映画 ,

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