内田博幸復活号【優駿2012年3月号】

      2014/02/14

先月号ですが。。

3月号は毎年恒例のDVD連動企画。今年の特集はこちら。

[DVD連動大特集]名実ともに誉れ高き精鋭 栄光の10億円ホースたち〜賞金ランクングでみる歴代名馬の変遷〜

賞金王特集

JRAの賞金額は年々挙がってるので、近年の名馬が上位に名を連ねます。いずれの馬についても賞金にスポットを当てた書かれているので、いつもとはまたちょっと違った内容でそれなりに楽しめました。

ただし特に面白かったのはこちらの企画記事。

時代が違えば10億円ホース!?
昭和の名馬が21世紀を走ったら
姫園淀仁=文

夢の対決とかの妄想企画はあんまり好きではないんですが、この企画はそれとはちょっと違うかなという感じです。

結構くだらない(褒め言葉です)ことをデータに基づいて大マジメに計算してます。バカをマジメにやる精神が好き。

頑張って計算した甲斐があったのか、面白い馬が何頭か浮かび上がってきています。

第3位のトラツクオー。

1950(昭和25)年7月にデビューすると、2歳時だけで12戦。ダービーが21戦目、重賞初制覇となった菊花賞はなんと32戦目だった。デビューから菊花賞までの期間は約15カ月。つまり毎月2回以上もレースに出走していたのだ。

すご。

もしもネットがあったなら、「トラツクオー無双w」と書き込まれていたかもしれない。

うんうん、いかにもありそう。

ランキング8位はタカオー。この馬は走る労働者、いや、走る24時間営業といった方がいいかもしれない。

ダービーから菊花賞への道程が凄まじい。現代への置き換えが秀逸。

現代ならば、ウインバリアシオンが「ダービー→エプソムC→宝塚記念→ラジオNIKKEI賞→七夕賞→函館記念→小倉記念→関屋記念→札幌記念→神戸新聞杯→毎日王冠→菊花賞」というローテーションで走るようなもの。ゲームの世界でも壊れるよ。

ホントに故障しないのは凄いと思う。

寺山修司すごい

今年は近代競馬150周年てことで、寺山修司さんの文章を1年間かけて振り返っていくみたいです。

これはリアルタイムで読みたかったなあ。絶対ファンになってたと思う。

寺山修司の世界
[復刻]第32回日本ダービー論 抒情的な幻影《1965年7月号より再録》

グッときた部分引用します。いいなあ。

「わからないよ。
競馬に常識なんてことはないからね」
と私は言った。
「それに勝利って奴は嫉妬深くてね。
こっちが忘れようとしている頃には、きっと追いかけて来るもんだ」

二分三十秒という「スープのさめない」距離のレースだが、数年の旅路に匹敵する肉体と精神の消耗があるから、ほんとうに強い者でなければ勝てないからである。

勝たずの獲れる馬券は、いわば「偶然」である。
私は「偶然のない人生」の方が、似合うと思っているのだ。

ブエナビスタ

現役時代はあんまり好きじゃなかったけど、いなくなってから気づくその存在の大きさ。読み物良かったです。

[特別読物]文●平松さとし
馬を信じて、自分を信じて。
ブエナビスタとともに

25分に及んだ審議の結果、降着が決まると「早く休ませてあげたい」と地下馬道にいざなった。「『1着なのに口取りはないの?』という感じでキョトンとしていた」

こういうカワイイところが多くのファンに愛された理由なのかな。

現役時代ブエナが使った頭絡や引き綱は今、妹のジョワドヴィーヴルに受け継がれている。

前走期待を裏切った妹のクラシックはどうなるのでしょう。

内田博幸復活

今号通して大きな話題だったんだなあと感じたのが、内田博幸騎手の復帰。連載のエッセイなどでも盛んに言及されていました。

ケガして休んでるのはもちろん知ってましたが、長引いてんなーくらいにしか思ってませんでした。こんなに壮絶だったとは。

[優駿ロングインタビュー]文●石田敏徳
内田博幸
自分がいるべき場所への生還

まさに「生還」て言葉がぴったりです。

「身体の芯がずれてしまっているような感覚があったんです。これは絶対、首がヤバイことになってるなと。場所が場所だけに”本当にまずい”と思ったので、妻の電話して病院を探してもらったんです。そうしたら慈恵医大で受け入れてくれることになった。全身、泥だらけだったのでとりあえずシャワーを浴びてから病院に向かったのですが、その間もずっと、片手で顎を押さえて絶対に首は動かさないように気をつけていました」

いやいやシャワーとか浴びてる場合じゃねえからマジ。

ところが当直の若い医師は、レントゲン写真を見るなり真っ青になって「ストップ!」と叫んだ。意味が分からずポカンとしている内田に、彼は切迫した口調でこう畳み掛けた。
「いいですか、あなたは今、首の骨が折れていて、少しでも動いたら死んでしまいます。だから絶対、1ミリたりとも動かないでください」
そう強く念押しする傍ら、若い医師は手術中の頸椎の専門医に連絡を入れ、すぐに来てもらうよう頼んだ。彼が懸命に訴える声が内田の耳に聞こえてきた。
「でも先生、本当なんです。自分で歩いてこられたし、喋ってもいるんですが、本当に首の骨が折れているんです」

この辺読んでて、文字通り「戦慄」しました。本当に凄まじすぎる。

内田はなんと薄い氷の上を渡り歩いていたことだろう。いくら本人は「絶対に首を動かさないように気をつけていた」といっても、常人以上に強い首の筋力が支えになったといっても、何かの拍子に力が加わって骨がずれてしまう危険性は十分にあった。その瞬間に氷は割れ、彼は二度と戻れない暗がりに落ちてしまっていたのである。

本当に、よくぞ「生きて還って」きてくれたと思います。

間もなく始まる春のGIシリーズ。がむばってほしいです。

 -雑誌

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