トランセンデンス (2014)【映画】

      2014/11/22

もし、コンピュータに科学者の頭脳をインストールしたら__。

トランセンデンス ジョニーデップ

試写会にて『トランセンデンス (Transcendence) 』鑑賞。2014年アメリカ。ウォーリー・フィスター監督。119分。

究極的な人工知能を開発研究する天才科学者が反テクノロジー団体の凶弾に倒れ、その死の間際に感情を含む彼のすべての脳データをコンピュータ・ネットワーク上にアップロードされたことから巻き起こる予測不能の運命を描く。

via: allcinema

クリストファー・ノーラン製作総指揮。ノーラン作品で撮影監督を務めてきたフィスターは、本作が初監督作品。主演はジョニー・デップ。共演にレベッカ・ホール、ポール・ベタニー、ケイト・マーラ、モーガン・フリーマンなど。6月28日公開。

本国アメリカでの評判があまり良くかったみたいなので、どーかなと思っていたのだが、うーん確かにすこぶるイマイチ笑

テクノロジーのめざましい進歩

かつて井上陽水さんが、まさに本作のように自分の脳をコンピュータにアップロードすれば、寿命500年とかも可能みたいなことを言っていた。

それを聞いた10年ほど前はほとんど夢物語だと思っていたようなことが、(まあそこまで嘘くさくない程度には) ひょっとして実現できるかも、と思えるくらいのところまで、テクノロジーはめざましい進歩を遂げているんだなあ、なんてことを感じた。

コンピュータにアップロードされたウィルが、シャットダウンしようとした瞬間にエブリンに語りかけてくるシーンでは思わず鳥肌が立った。盛り上げかたが巧くて、ちょっとだけ感動できる。

さらにLANケーブルを差し込んで、オンラインに放たれたウィルが、スマホに電話を掛けてきたり、タブレットを介して人間とやりとりするなんて、まるで『マトリックス』の世界みたい。

『マトリックス』は完全にヴァーチャルな世界でのおはなしに落とし込まれていたけれど、本作は何しろ現代が舞台なわけだし、ここでもやっぱり、SFの”F”部分がだいぶリアルに近づいてきたんだなあと感じた。

ま、どっちが面白いかってのはまた別の問題なんだけど。

自我の証明

アップロードされた”私”の情報は、はたして”私”なのか?自我の証明、とゆう話題が盛んに出てくる。

私が私だとどうやったら説明できるのか、何やら哲学的な問いで、人間でも答えるのは難しい。

現代の「科学」は、16世紀後半に哲学から分かれるカタチで誕生したわけだが (当初は自然「哲学」と言った) 、人工知能の研究が進むにつれて、再び哲学に戻ってきた、とゆうか哲学を取り込みつつあるらしい。

だから最近は哲学ブームがきているのか、てところと繋がって、妙に得心がいったりもした。

超越〈トランセンデンス〉しすぎ

と、ここまでは主に良かった部分を書いてきた (とゆうか良い部分はちょっとしかない) わけだが、いろいろとツッコミどころも満載だった。

コンピュータの中に脳をインストール、て発想自体 (とゆうかそれだけ) は面白いんだけど、それ以外の設定がかなりヤケクソなのだ。

何とゆうか、超越〈トランセンデンス〉しすぎちゃってて物語に全然入り込めない。ルール作りがヘタだと、せっかくのアイデアも台無しだよなあ。

まず人工知能の研究者ばかりを狙うテロって、何だその地味なテロ笑。しかも後半は人類の存亡を掛けた危機にまではなしが大きくなってくるのに、解決策はほとんどそのテロリスト集団頼み、て一体どーゆうわけなの。

テロ集団にしたって、科学技術を忌み嫌う、てのはまあ分かるんだけど、だったらどっかの山奥で、もっとオーガニックな暮らしを送るみたいな方向へいってもいいような気がする。

テロ活動をするのに科学の恩恵を受けまくってるわけで、矛盾も甚だしい (ウィルも論理的におかしいみたいなことを言っている) 。

あとエブリンがウィルのために楽園みたいな秘密研究所を作るんだけど、2年間全くバレないってのも奇妙すぎる。オンライン上でウィルがうまいこと隠蔽してたってことなんだろうか。何でもありだな。

しかもあの瘴気みたいな、何でも直 (治) しちゃう煙、何だよあれ笑。ナノテク最強すぎるだろ。

操られてる兵士たちも、もう完全にゾンビみたいだった。あーそういえば、地下の秘密研究所とかどことなく『バイオハザード』 (ゲームのほうのね) と似た雰囲気があったなあ。

あとあと、ウィルの唯一の弱点が、銅製の金網で電波通らないって何だそれ笑。あんだけ無敵なら何か他にいくらでもやりようあんだろ。あまりにチグハグで、まるで釣り合いがとれない。

さいごに

変装しないジョニデはどうかなと思ってたけど、ちょっと風変わりな科学者って役はけっこうハマっていた。

ボソボソとくぐもった喋りかたは、『風立ちぬ』の二郎っぽいインテリ感があるし、何しろ感情が読み取れないところがいい。

まあけど、本作の真の主演はレベッカ・ホール。これ完全にエブリンの物語なんだよなー。

マジメとゆうか一途とゆうか、そんな性格で突っ走りすぎちゃうところが良かった。じわじわと翻弄される役はやっぱり合う。

そんで結局のところ何気に一番まともなのが、ケイト・マーラ演じるテロリストのブリーてゆう笑。妹のルーニー・マーラは好きでよく観るけど、お姉さんのほうは本作で初めて観た。

優等生が無理してる、みたいなちょいキツめの役だったけど、いつもこんな感じなのかなあ。普通の感じだとどんななのか気になる。

つーわけで、ジョニデは主演といいながらほとんど画面の中にいるので、ジョニデ目当てで観にいくとちょっと拍子抜けするかもしれませんー。

おわり。

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あらすじはこんな感じ。

人工知能PINNの開発研究に没頭するも、反テクノロジーを叫ぶ過激派グループRIFTに銃撃されて命を落としてしまった科学者ウィル (ジョニー・デップ) 。だが、妻エヴリン (レベッカ・ホール) の手によって彼の頭脳と意識は、死の間際にPINNへとアップロードされていた。ウィルと融合したPINNは超高速の処理能力を見せ始め、軍事機密、金融、政治、個人情報など、ありとあらゆるデータを手に入れていくようになる。やがて、その進化は人類の想像を超えるレベルにまで達してしまう。

via: シネマトゥデイ

予告編は以下の通り (1分50秒ほどの動画です) 。

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