グランド・ブダペスト・ホテル (2013)【映画】

      2014/10/31

“伝説のコンシェルジュ”が、究極のおもてなしとミステリーで、皆様をお待ちしております。

グランドブダペストホテル

『グランド・ブダペスト・ホテル (The Grand Budapest Hotel) 』鑑賞。2013年イギリス / ドイツ。ウェス・アンダーソン監督。100分。

格式高い高級ホテルを取り仕切るコンシェルジュと、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた群像ミステリー。常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。

via: シネマトゥデイ

主演はレイフ・ファインズ。共演にトニー・レヴォロリ、シアーシャ・ローナン。他にもF・マーレイ・エイブラハム、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、ビル・マーレイ、オーウェン・ウィルソン、レア・セドゥ、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキンソン、ハーヴェイ・カイテルなどなどなど、超豪華オールスターキャスト。

初ウェス

ウェス監督の映画は本作が初鑑賞。つか本作のプロモーションでその存在をようやく認知した。『ムーンライズ・キングダム』の監督なのね。観てねーけど。

アート系はちょっと苦手なんだよなあ、と不安だったんだが、なるほどこれは楽しい。つかなんつー豪華な顔ぶれ!

これは三谷幸喜監督作品なんかでも感じることだけど、オールスターキャストは内容関係なく (いや内容ももちろん面白いんだけど) 、出てる役者さん眺めてるだけでもうワクワクできちゃうから好き。ええ、ミーハーですがなにか笑?

それぞれの役者さんについては、もう沢山出すぎてて、ひとりひとりコメントしてったらキリがない笑。だから特に気に入ったひとについてだけ書く!

まず錚々たるメンバーの中で、ほぼ主役の若き日のゼロを演じたトニー・レヴォロリがすんげーがむばってたと思う。

一癖も二癖もある強者ぞろいの中で揉まれながら成長していく、てのが役と重なってたりして面白い。無表情なのに愛嬌あってかわいらしいし

カワイイと言えばそのフィアンセ、アガサ役のシアーシャ・ローナン、カワイかったなあ。あー『ラブリーボーン』のコなのね。今度ちゃんと観てみよっと。

ほかで特に気に入ったのは、若き日の作家ジュード・ロウと、悪役ジョプリングのウィレム・デフォーかなあ。

ジュード・ロウはいつもの胡散臭さをあまり感じなかったなあ。レイフ・ファインズがそれ以上にいかがわしいから薄まったんだろうか笑。落ち着いた雰囲気で聞き役に徹する様がとても良かった。

ウィレム・デフォーは、うん、あいかわらず気持ち悪いね。つかトレードマークの長髪がキモさを演出してんのかと思ってたけど、短髪でも十分気持ち悪いのねこのひと笑。あ、ちなみに「キモい」はぼくの中では褒め言葉ですのであしからず。

それ以外のキャラクタだって、もう何てゆうかみんな愛おしい。それにみんなちゃんと見せ場があって、監督さんのキャラクタと役者さんに対する愛情が伝わってくるところもまた素晴らしいんだよなあ。

階層 (回想) の奥深くへ

本作はとんでもない入れ子構造になっている。

冒頭、少女が作家のお墓の前で『グランド・ブダペスト・ホテル』とゆうタイトルの本を開く (あの本欲しい) 。するとその作家の独白から回想に入って、作家が若かりし頃、グランド・ブダペスト・ホテルに泊まったときのシーンへ飛ぶ。

そのホテルで出会った老人から聞いたおはなし、とゆうカタチで老人の回想になって、ようやく本題に入るてゆう構造。ややこしい!

文章で説明するとエライ複雑に聞こえるけど、実際は非常に緩やかに滑らかに下っていくから、抵抗感をほとんど感じない。とゆうか、じんわりと記憶を遡っていく感覚が何とも心地いい

巨大なホテルのどこかにある、秘密の部屋を覗き見しているようなワクワク感があってとても楽しい。

時代は下っていくのに、ホテルはケーブルカーの頂上にある (つまり登っていく) 、てコントラストも実に見事。あんなとこ行ってみてー。

それと、本題の物語がすんごい奥深い階層にある、てのはクセありまくりのキャラクタもすんなり受け入れられる、みたいな効果もあるんじゃないかって感じた。

いきなり本題だと、キャラクタがあんま奇抜すぎて違和感ありまくりのような気がする。こんな人間いねーよとゆうか、ちょっと浮いてるキャラたちが活きなくなっちゃうような気がする。

そー考えると幻想的な舞台やセットだって、記憶の中だから許されるみたいなところがある。現実だとカラフルすぎるけど、思い出の中ならちょっと濃いめの色のほうがしっくりくる。

チャップリン思い出す

時代が時代だし、ナチスを思わせる軍国主義国家が登場したりするせいか、どことなくチャップリン映画を彷彿とさせるテイストなのも面白い。

スキーのアクションシーンとか、脱走計画とか、ものすごく安っぽいんだけどそれが逆にちょっとしたおかしみになってて、動きだけで十分笑えるのもチャップリンぽいなあと思ったところ。

そいや、ところどころで詩の引用があったりして、ものすごくオシャレな会話劇な一方で、会話の合間の独特の間〈ま〉、つまりは何にもしゃべってない部分がいちばん笑えたりする。サイレントで笑い取れる映画って間違いないんだよなあ。

つかつか、こんなにカラフルな映画なのに、モノクロのチャップリンを思わせるってのも何だかすんげー興味深い。何だろ、コントラストが強烈だと、逆にモノクロに近づくみたいなことってあるんだろうか。

さいごに

個性的なキャラクタ、くすくす笑える会話劇、スパイスとしてのミステリ、それにファンタジックな雰囲気、などなどなど……。

この感じって、どこかで出会ったことあるよなあて考えてみたら何のことはない、ぼくの大好きなふたりの作家、伊坂幸太郎さんと森見登美彦さんの作品を足して2で割ったような映画だなあ、なんて思ったりした。ハマるのは必然だったわけだ。

あとグランドブダペストホテルに行ってみたい、みたいなことをちょっと書いたけど、そうなんだよなー、思わず行ってみたくなるんだよなあこの映画

何かぼくは洋画好きなクセに、映画観ても海外のいろんなとこ行きたいなんて、これっぽっちも思わないんだけど (とゆうか映画観て満足しちゃってる節〈ふし〉がある) 本作の世界観はそんなぼくでも、あーこんなとこ行ってみたいなあと思っちゃうくらい、美しくて幻想的。

ウェス監督の映画がキレイってこーゆうことかあ。エライ納得。てまあ、ズブロフカ共和国は架空の国なんだけどね残念ながら。

おわり。

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▼▼▼▼

予告編は以下 (2分ほどの動画) 。

1932年、品格が漂うグランド・ブダペスト・ホテルを仕切る名コンシェルジュのグスタヴ・H (レイフ・ファインズ) は、究極のおもてなしを信条に大勢の顧客たちをもてなしていた。しかし、常連客のマダムD (ティルダ・スウィントン) が殺されたことでばく大な遺産争いに巻き込まれてしまう。グスタヴは信頼するベルボーイのゼロ (トニー・レヴォロリ) と一緒にホテルの威信を維持すべく、ヨーロッパ中を駆け巡り……。

via: シネマトゥデイ

 -2010年代の映画 ,

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