追跡者 (1998)【映画】

      2014/10/31

あれから5年、いま「追跡者」が、あの「逃亡者」にせまる!

追跡者 トミーリージョーンズ

『追跡者 (U.S. Marshals) 』鑑賞。1998年アメリカ。スチュアート・ベアード監督。131分。

『逃亡者』の捜査官ジェラード (トミー・リー・ジョーンズ) を主役にしたサイド・ストーリー。護送中の外交保安官殺害事件の容疑者で元CIA工作員のシェリダン (ウェズリー・スナイプス) が、護送飛行機で発生した事故に乗じて脱走。が、同乗していたジェラードが追跡を開始、外交保安局のロイス (ロバート・ダウニーJr.) が捜査に加わる。追跡が進むうちに、ジェラードは奇妙な事実を発見、シェリダンの背後に巨大な陰謀が渦巻いていると察知する。

via: allcinema

主演はトミー・リー・ジョーンズ。共演にウェズリー・スナイプス、ロバート・ダウニーJr.ほか。

スピンオフ以上!

つーわけで、アクション・サスペンスの傑作『逃亡者』のスピンオフである。

今でこそ当たり前 (つか作りすぎ) になったけどスピンオフって形態だけど、本作公開当時はまだまだ物珍しかった、とゆーか「スピンオフ」って言葉自体それほどメジャーじゃなかったように思う。

前作のキャラがよかったからって、二匹目のどじょうを狙うと普通はロクなことないんだけど、この『追跡者』はその手の続編として片付けてしまうにはもったいないくらい、ホントによくできている。

やっぱりサミュエル・ジェラードってキャラクタには、ひとつの映画に収まりきらないほどの魅力があるんだなあ。もうね、映画史に残る強烈なキャラクタだと思うわけです。『逃亡者』にしたって完全に主役を食うほどの存在感だったしなあ。

それに前作ではある意味悪役だったけど、今作は主人公側、完全に正義のヒーローとして描かれてるから気持ちいい。何だか収まるべきポジションにいるって意味では、前作以上の落ち着きがある。

ぶれないジェラード

ジェラードを演じるトミー・リー・ジョーンズが相変わらず素晴らしい。もうどこまでがキャラでどこからが地なのかわからないくらいにハマっている。つかもう完全に同化しちゃってて、このひと以外のジェラードってちょっと想像つかない。

このひとだったらこう動くに違いない、みたいな納得感があるんだよなあ。捜査状況を上司に勝手に報告しはじめたロイス (ロバート・ダウニーJr.) のケータイを池に捨てるとことかホント好き笑。

投げかたが良いのはもちろんのこと、取り上げてから捨てる前にボタンをテキトーに弄るところがサイコーにそれっぽい。

マヌケな豚のTシャツも何だか妙に似合ってるし、つかあれ着てても威厳があるって、どんだけの存在感なんだ。

そいや、前作では連邦保安官補だったのが、今作では連邦保安官上級代理てなってる。ちょっと出世したってことなんかな。相変わらず保安官てシステムがよくわかんない。アメリカの警察関係てホント、ムズい笑。

ニセの真相

前作は一応「妻殺しの冤罪を晴らす」てゆうルートがあらかじめ観客に示されていたわけだけど、本作はそもそも何が起こってるのかよくわからない、とゆう別種の面白さがある。

最初提示されていた背景はウソ、てのをジェラードが見破るんだけど、その後明かされる「真実」も実は偽物で、はなしが二転三転してややこしい。

「実はこうなんですよ」て感じで真相をはなされると、ひとってけっこう簡単に信じちゃう。でもジェラードは「自分の目で見たものしか信じない」とばかりに真相にはあまり興味がなさそうで、このあたりもキャラを裏切らないなあと思う。

『逃亡者』でキンブルに言った「私にはどうでもいいことだ」を地でいく感じ。とにかく仕事は、逃亡者を捕まえるってゆう、ただそれだけ。至ってシンプルで分かりやすい。

わかりやすい位置関係

ジェラードってゆう個性的なキャラを抜きにしても、本作の展開はなかなか面白い。

中国領事館から墓地を経由して、老人ホームへ逃げ込む一連の追跡劇は本作最大の見どころ。

かなりの広範囲で、たくさんのキャラクタが入り乱れてんのに、誰がどこにいて何やってるか、てのがすんごい分かりやすくできている。

位置関係がわかりやすい、てのはぼくが考える良い映画の条件のうちのひとつ。それでいてテンポも良くてムダがないんだからカンペキ。さすが編集出身の監督さんらしく、カット割りが巧いんだよなあ。

まあ、「敵」であるウェズリー・スナイプスが元特殊工作員てのは、何だか安易でガッカリな設定ではあるんだけど。つかさ、あのロン毛の扮装は逆に目立つだろ笑。一発で見抜かれてるし。

さいごに

「おれは動いてないとイライラするって知ってるだろう」て台詞とか、ウェズリー・スナイプスがビルから飛び降りるシーンとか、ところどころ『逃亡者』のオマージュっぽいシーンがあるのも面白い。

今をときめくロバート・ダウニーJr.が若造の役で出てたりとかも、今観ると楽しかったりする。そーなんだよなあ、このひとってもう完全に悪人顔なんだよなあ。正義のヒーロー役はつくづくピンとこないなあて思う。

そんなわけで『逃亡者』とおなじかそれ以上に楽しくて、続編とかスピンオフって括りで簡単に片付けてしまうにはもったいないくらい、素晴らしい作品だと思う。

おわり。

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『逃亡者』の感想はこちら

逃亡者 (1993)【映画089】

 -1990年代の映画

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