ゴジラ (1954)【映画】

      2014/10/31

60周年記念デジタルリマスター版!

ゴジラ 1954年

『ゴジラ』鑑賞。1954年東宝。本多猪四郎監督 (円谷英二特技監督) 。97分。

東京を襲う怪獣ゴジラと人間との戦いを迫力ある特殊撮影技術によって描き出し、特撮映画の金字塔となった特撮ムービー。ゴジラの圧倒的なビジュアルや破壊シーンに加えて、原水爆への批判を込めたストーリーも心に残る。

via: シネマトゥデイ

主演は宝田明。共演に河内桃子、平田明彦、志村喬、菅井きんなど。

ハリウッド版リブートゴジラを観る前に、予習がてら鑑賞。ん?いや昔の作品だから復習か?いずれにしても、ぼくが観るのは今回がはじめて。

60年前の映画とは思えないほどメチャメチャよく出来ていて、楽しく観ることができた。いやむしろ、社会問題なんかは今だからこそ響くようなところもある。深いぞ、初代ゴジラ。

社会派!科学的アプローチ!

ゴジラってシリーズを通してほとんどまともに観たことがなくて、言葉は悪いが「”たかが”怪獣映画」くらいにしか思ってなかったのだが、そんなイメージとはだいぶ違う、ずっと社会派な内容にまず驚かされた。

第五福竜丸の事故を意識しているのは有名なはなしだけど、当時は戦争の記憶もまだ生々しいし、広島長崎の原爆投下や東京大空襲を思い起こさせるような作りになっているのには、なるほどなあと目からウロコが落ちた。

海難事故の被害者とか、対応に追われる海上保安庁、対策に苦慮する国会、事故を追うメディアなどなど、なかなかリアルで面白い。

ゴジラ (つか最初は海難事故) の調査にも、しっかりとした科学的アプローチの精神を感じる。ガイガーカウンターで放射能測ったりとか、今見るといろいろ考えさせられるなあ。

ゴジラがなぜどうやって出現したのかみたいな理由づけもなかなかに本格的で、一定の納得感が得られる。

なかなか全身を見せないゴジラ

最初は足だけだったり顔だけだったり、その全貌をなかなか見せない演出がとても巧い。見えないほうが怖いんだよね。こーゆうテクニックって古びないんだよなあ。

公開時にはゴジラの存在はじめ、けっこう大々的に怪獣映画として宣伝したみたいだけど、当時の反響はどうだったのかなあ。あんまり知らされてないほうが怖かったように思うんだが。

それにゴジラが現れるのって基本夜だから、全体的に暗くておどろおどろしいんだよね。今観るとそりゃところどころチープだけど、それでも十分愉しめるし、ましてや大画面だったらかなりの迫力だったんじゃないかなあと想像できる。

村 (島?) に初上陸するシーンなんてホントに素晴らしい。恐怖に怯える人間の顔のアップだけでゴジラの出現を表現したりとか、さながらホラー映画のお手本みたい。怯え顔もみんな上手いんだよなあ、あんまり嘘くさくない。

あと細かいところでおっと思ったのが、ゴジラから逃げてきた村人が刀を持ってるカット。

刀なんかで敵うわけないってのはわかってるけど、丸腰なのは怖いからとりあえず持ってる」みたいな雰囲気がまざまざと伝わってきて、とってもリアルだった。

芹澤博士と志村喬!

隻眼の科学者芹澤博士が何といっても強烈な存在感を放っている。

そのマッドサイエンティスト然とした風貌は見るからに妖しげで、何とゆうか仮面ライダーの敵みたい (笑) だが、内面の苦悩や葛藤がよく描かれていて、なかなか素晴らしいキャラクタになっている。

ラストの決断はまあ予想通りといえばその通りだけど、科学者としての責任感や矜持といったものがまざまざと感じられて、かなりカッコよかった。

その芹澤博士の師匠筋にあたる古生物学者山根博士は、名優志村喬が演じている。このひとが出てくるとやっぱ画面が締まるなあ。

彼もゴジラのことを研究対象として見ている生粋の科学者。ただ殺してしまうことをもったいないと感じている、どころか水爆実験とゆう人間の愚かな行為によって眠りを覚まされただけの罪のないゴジラを、哀れんでさえいるようなふしがある。

ラストシーンの「水爆実験によって再びゴジラを呼び覚ますことが二度とないように」とゆうラストシーンの独白は、何やら現代に生きる我々への警鐘のようにも聞こえ、かなりグッとくる。

これたぶん公開当時は「人間が描けていない」みたいなしょーもない批判が間違いなく出たと思うんだけど、全然そんなことないよなあ。

ゴジラはむしろ狂言回しみたいな役割で、むしろ主題はそのゴジラをとりまく人間ドラマ、て感じになってるのには、観る前とはそれこそイメージが180度真逆でビックリした。

そいや、あからさまに足を引っ張ったりする愚かなキャラクタが出てこないところも何だかいいなあと思った。ゴジラの存在を公表するかしないかで揉めたりとかはあるけど、何か邪な感情で邪魔してくるキャラがいないってのは観てて清々しい。

デジタルリマスター版!

ちなみに今回ぼくが観たのは、オリジナル公開から60周年記念のデジタルリマスター版 (のTV放送) 。

デジタルリマスターてのはざっくりゆうと、フィルムが傷むことで生じる画面のちらつきやキズをデジタル処理で修復、昔の作品でもクリアな映像で楽しむことができるってゆうスゴい技術。テクノロジーの進歩ありがたや。

修復前後の比較とゆうか、左右分割でビフォーアフターみたいな比較を何シーンか見たのだが、キズや焼けつき、ちらつきが見事に消されていて驚いた。今まで何気なく観てたけどすげーんだなデジタルリマスター。

一方で細かいキズとかちらつきなんかは、あれはあれでなかなか味があっていいなあなんて思ったりもした。いかにも古い映画っぽい。

そんでもやっぱり、クリアな映像のほうが、観ようって気になるよね。古い映画でも抵抗なく観ることができるって、ホント良い時代になってなあ、なんてことを思ったりした。

さいごに

黒い背景にゴジラの吼え声、そしてあのおなじみのテーマ曲をバックに流れるタイトルロールが、シンプルながらもセンスが良くて、のっけからめちゃめちゃテンションが上がる。「賛助 海上保安庁」てのも何かグッとくるし笑。

海難事故の原因がまだわからないときに、漁村の老人が「ゴジラかもしれない」なんてゆうあたりもなかなか面白い。

厄払いをして「怒り」を鎮めようとしてたりとか、ゴジラの位置づけが当初は怪獣ってゆうよりもむしろ神話や妖怪のイメージに近かった、てことにも驚いた。

東日本大震災のとき、「天罰」とか発言して批判された知事がいたけど、なるほどゴジラの扱いって、その「天罰」に近いなあと思う。

当時は「戦争や原爆の恐怖を忘れんなよ」て意味合いが強かったんだろうけど、今はまるまる震災と原発事故に置き換えることが出来る。「科学技術や経済の発展に驕るなよ」てのは今でもまんま通用する。

60年経っても古びていないのは、映画 (とゴジラ) に込められてた社会的科学的なテーマが普遍的だからなのだろう。

ハリウッド版新作ゴジラは、その精神をどう受け継いでいるのか楽しみだなあ。予習がてらに観ておいてホントよかった。

おわり。

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Wikipediaにかなり詳しい情報が書かれていて参考になった。

ゴジラ (1954年の映画) – Wikipedia

あらすじはこんな感じ。

1954年の日本。太平洋沖で船舶遭難事故が発生。何度も行われた水爆実験によって太古の生物が目覚めて暴れたことが原因だった。その凶暴な怪獣は、ゴジラと名付けられる。やがてゴジラは東京を襲い始め、人間側が反撃するも成すすべがない。一方、古生物学者の山根 (志村喬) の娘・恵美子 (河内桃子) とフィアンセのような関係である芹沢博士 (平田昭彦) は、ある研究に没頭しており……。

via: シネマトゥデイ

 -1989年以前の映画 , ,

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