思い出のマーニー (ジョーン・G・ロビンソン)【読書】

   

イギリス児童文学の名作にして、ジブリ映画の原作。

思い出のマーニー ジョーンGロビンソン

ジョーン・G・ロビンソン著『思い出のマーニー (When Marnie Was There) 』読了。2014年新潮文庫 (1964年初出) 刊。高見浩訳。362ページ。

みんなは”内側”の人間だけれど、自分は”外側”の人間だから__心を閉ざすアンナ。親代わりのプレストン夫妻のはからいで、自然豊かなノーフォークでひと夏を過ごすことになり、不思議な少女マーニーに出会う。初めての親友を得たアンナだったが、マーニーは突然姿を消してしまい……。やがて、一冊の古いノートが、過去と未来を結び奇跡を呼び起こす。

via: Amazon (「BOOK」データベースより)

つーわけで、映画を観た帰りに原作を買ってきて読んだ。アンナ (映画では杏奈) とマーニーの心の機微は、本で読んだほうが楽しめるかと思ったのだが、そーでもなかったなあ笑。ま、そもそも児童文学だし、ぼくが翻訳物に慣れてないってのもあるかもしれない。

映画 → 原作の順に読んだので、どうしても比較みたいになってしまう (つかまあそもそも比べてみたいってのが読んだ理由だし) のだが、映画は原作にかなり忠実で驚いた。

もちろん、舞台がイギリスのノーフォーク (リトルオヴァトーンてのは架空の街みたい) から北海道になってたりとか、変更点はたくさんあるんだけど、流れやこの物語がもってる”善さ”みたいなものは損なわずに、巧いこと映画にしたんだなあと感じた。

杏奈は内気な性格で、いかにも思春期の現代っ子とゆう印象だったけど、アンナのほうは何だかそれ以上にヤなヤツで、あんまり共感できなかったなあ。ま、時代や国柄も関係あるのかもしれないが。

読後 (映画だとなんだろ、観終わった後のそれ) の納得感は映画のほうが圧倒的に強いとゆうか、原作のほうは何だかモヤモヤの残る終わりかた。まあオチ知っちゃってて感動が薄い、てのはあるかもしれない。

けどマーニーが風車小屋にアンナを残して去っていった理由、とゆうか、アンナがそのわだかまりをどう払拭したのか、てのが原作にはしっかりと描かれてたのが、何だか救いだなと思った。

映画でははっきりと描かれてなかったんだよなあ確か。何で杏奈がそこを納得したのか全然意味分かんなくて、けっこう致命的だなあと感じてただけに、かなりスッキリした。この一点だけでも、原作読んでよかったなあと思う。

マーニーとの邂逅シーンは、やっぱり小説のほうが「非現実感」は強いと感じた。突然現れたり消えたり、小説だとマーニーの実態をはっきりとは描かなくても成立する分、自由度が増している。小説の強みだなあ。

けどイメージなんかは映画にだいぶ助けてもらったなあと思う。読みながら補完できたとゆうか、映画観てなかったらずっとフワフワしたまま進んで全然入り込めなかったような気がする。

てまあ、映画観てなかったらそもそも一生読むことなかっただろうけど笑。

でも逆に映画のイメージに縛られて読んじゃったから、ちょっともったいないとゆうか、邪道な読みかたになっちゃったなあとも思う。てそんなこと言っても仕方のないことなんだけど……。

かなり鮮やかなイメージを、知らず知らずのうちにしっかりと植えつけてられたってのが、やっぱジブリすげ、てことなのかも、なんてことも思ったりした。

おわり。

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映画の感想はこちら。▷ 思い出のマーニー (2014)【映画】

今回ぼくが読んだのは新潮文庫版。

訳者の高見浩さんとは相性が悪いのか、ちょっと読みにくいと感じた。『羊たちの沈黙』とか、ぼくの中ではT・ハリス翻訳してるひとってイメージが強いんだけど、あれもイマイチ、ハマらなかったしなあ。

おんなじ言い回しが現実と非現実で出てきたりするんだけど、“同じ”感が薄いんだよね。ちょっと気づきにくいとゆうか。

他にもいろいろ出ていて、読み比べてみたいって気持ちもちょっとだけある。

まず昔からある岩波少年文庫版は上下。

ジブリのひとたちがまず参考にしたのは、これ (と原書?) なんじゃないかな。そーゆう意味では、映画の感覚に一番近いのかもしれない。

岩波からは特装版なるものの出ている。ちょっとお高い、と思ったけど、よくよく考えてみたら少年文庫版上下2冊の値段と大して変わらない。

角川からも新訳。マーニー翻訳戦争勃発笑。

原著は講談社から。ホントいろんな出版社が絡んでんなあ笑。噂ではそれほど難しい英語じゃないんだとか。まあ海の向こうでも児童文学なわけだしね。

難しい単語には注釈も付いてるみたいだし、腕試しにトライしてみよっかなあ。

 -小説

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