複製された男 (2013)【映画】

      2014/10/31

“脳力”が試される、究極の心理ミステリー。あなたは、一度で見抜けるか__。

複製された男 ドゥニヴィルヌーヴ

『複製された男 (Enemy)』鑑賞。2013年カナダ / スペイン。ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督。90分。

ノーベル文学賞作家でポルトガル出身のジョゼ・サラマーゴの小説を実写化したミステリー。至って普通の日々を送ってきた教師が、ある映画に自分と酷似した男が出ているのを見つけたことから思わぬ運命をたどっていく。

via: シネマトゥデイ

主演はジェイク・ギレンホール (二役) 。共演にメラニー・ロラン、サラ・ガドン、イザベラ・ロッセリーニなど。

感想を一言で表すと、意味わからんかったー!けどけっこう好き

意味わからん

意味不明、て噂を何となーく耳にしていたので、最初っからかなーり集中して観た。ちゃんと観てないと置き去りにされるかと思っていたのだが、まずまずはなしには付いていけて、何だわりと意味分かるじゃん、なんて思っていたのだが……。

何だかいろいろ出そろって、さてさてこれからどーやってまとめてくれるのかな、てところで唐突に終わったからかなりビックリした。それも強烈なラストカットで。何あの蜘蛛今思い出してもギモヂワルイ笑

えっつかホントに終わり笑?やっとはなしが繋がりはじめたのに!

もうなんか途中ちょっとでも意味分かるかもとか思ってごめなさいごめんなさい。けど最後の最後で後頭部をガツンとぶん殴られる感覚、嫌いじゃない。

どころかテイストはかなり好きだし、こーゆうワケわかんない映画ってたまーに観たくなる。こんなのばっかり観てるとムシャクシャするし頭おかしくなりそーだけど笑、一年に一本くらいなら観てもいいかな。

息苦しい画質 & 緩急自在の編集

終始重苦しい映像にはイチイチ惚れ惚れする。

ヴィルヌーヴ監督の前作 (つか撮ったのはこっちが先?) 『プリズナーズ』の、すっごい冷たくてスタイリッシュな質感がめちゃめちゃ気に入ってた (だから本作も観にいった) んだけど、本作はそれと真逆のむさ苦しい画質。つかこーゆう感じもイケんのね。

舞台はトロントなのに、何だか中南米とかアジアの新興国みたいな質感だった。息が詰まる。もわもわ。つかトロントってこんな街だったっけ。もっと「青い」イメージだったんだけどなあ。

グニャッと捩じれたビルとか、巨大な蜘蛛が街を覆ったりとか、現実と非現実が混ざったような独特の世界観は何とも不気味でかなり気に入った。

編集も天才的に巧い。登場人物は少ないし、おはなしも進んでんだか何だかよくわからないのに、ところどころ細かいカット繋げたりとかして巧いこと緩急をつけてくれるから、観ていて全く飽きなかった

音楽はちょっとしつこいつーか、狙いすぎな感じがしたけど。

どっちがどっちなのか

主役のジェイク・ギレンホールはもともと好きな俳優さんなんだけど、このひとは悩める男をやらせたらホントによくハマる!苦悩する佇まいが素晴らしすぎるし、焦って吃りまくるところなんかもかなり好き笑。

この手の一人二役のおはなしって、見た目で明らかにどっちがどっちってわかるように作る場合が多いけど、本作は敢えて全く同じにしてるから、どっちがどっちなのか見た目じゃ区別できない

なのに表情や雰囲気でちゃんと演じ分けれてるのが何気にかなりすげーなあと思った。しかも後半はところどころ、あれ逆転してんのかな?みたいに思わせるようなところもあるから恐ろしい。

まあ、変装のために買ったグラサンは、ゴツすぎて逆に目立ってたけどな!つか全然似合ってねー笑。

野暮な公式サイト

ちなみにオチとゆうか「答え」は最後まで明かされない、とゆうかそもそも「ない」とぼくは思ってるんだけど、公式HPを見てたら監督の意図みたいなのが載っていた。

映画「複製された男」公式サイト » ネタバレ含む禁断の作品レビュー

うーん、こーゆうのは作り手側自らが明かすべきじゃないと思うんだけどなあ。少なくともぼくはこのページの存在を知って、ちょっとガッカリした。

つかね、そもそも潜在意識を描こうとしてるわけでしょ。つーことはさ、監督の意図だって潜在意識では違うかもしんないじゃん

それが本人の意図しないまま作品に表れちゃう、なんてことは往々にしてあるわけで、監督がある種の「答え」みたいのをバラしちゃうってのは解釈の幅を狭めちゃって面白くない。何だか野暮だなあと感じた。

けどまあこのページを見たところで全てが繋がるって類の映画でもないし、半分納得半分まだモヤモヤ、てのが実感かなあ。そーゆう意味では「潜在意識」てのを巧いこと描けているような気もする。

収束する!

こっからはぼくなりの解釈、てほどでもないけど、結末に関して思ったことをちょっと書いてみようと思う。

なので、これから本作を観ようと思っているひとは読まずに「さいごに」まで飛んでいただきたい。それと、あんまりまとまってないんであしからず。

アダムが主人公で、アンソニーが「そっくりなひと」て構図だから、てっきりアダムが「主」みたいな感じで観てたんだけど、ひょっとして逆なんじゃないか、みたいなことはちょっと考えた。

いや逆とゆうか、「混ざる」みたいな。後半はそれこそどっちが何なのかよくわかんなくなっていく

アンソニーは死んでしまったようにも見えるけど、そのまえにアダムに乗り移ってるような感じもするし、どっちか一方が勝ってもう一方は消えちゃった、てゆうはっきりした描像は何か違うような気がするんだよなあ。あんまりしっくりこないとゆうか。

それよりは、二人が「収束」してひとつになった、てのが一番しっくりくるような気がする。だからラストシーンのギレンホールは、厳密にはアダムでもアンソニーでもないんじゃないかな。

おーそうか!ここまで思いつきで筆進めてきたんだけど、なるほど「どっちでもない」てのに何かすげーナットクいって、テンション上がった笑。

てもう一回観たらまた違ったイメージになりそうだけど笑。

さいごに

観終わった瞬間、もう一回観たい!と思った映画は久しぶり。観てる途中でも「あーちょっと巻き戻したい!」て思う瞬間が何度もあった映画館なのに笑。

それくらい仕掛け満載で、何度観ても楽しめそうな作品だった。しかも観るたびごとに印象が変わりそうだしなあ。てその辺りは確かに潜在意識とちょー関係ありそう

ちなみにアダムの恋人役メラニー・ロランと、アンソニーの奥さん役サラ・ガドンはどちらもステキで、モテモテなギレンホール羨ましいなあ笑、なんてことも思ったりした。

おわり。

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▼▼▼▼

あらすじはこんな感じ。

何も刺激のない日々に空虚なものを感じている、大学で歴史を教えているアダム・ベル (ジェイク・ギレンホール) 。ある日、何げなく映画のDVDを観ていた彼は、劇中に出てくる俳優が自分自身とうり二つであることに驚く。彼がアンソニー・クレア (ジェイク・ギレンホール) という名だと知ったアダムは、さまざまな手を尽くして彼との面会を果たす。顔の作りのみならず、ひげの生やし方や胸にある傷痕までもが同じであることに戦慄する。

via: シネマトゥデイ

予告編はこちら (1分半ほどの動画) 。

ノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴの原作。ちょっと立ち読みしてみたら、改行なしで何ページも続いたりとかいかにも難読そうだった。けどいつかトライしたいなあ。

 -2010年代の映画 ,

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