なまいきチョルベンと水夫さん (1964)【映画】

      2014/11/07

天然100%ウミガラス島生まれです。

なまいきチョルベンと水夫さん オッレヘルボム ポスター

『なまいきチョルベンと水夫さん (Tjorven, Båtsman och Moses) 』鑑賞。1964年スウェーデン。オッレ・ヘルボム監督。92分。

スウェーデンの児童文学者アストリッド・リンドグレーンの「わたしたちの島で」を基に、牧歌的な島で展開する子どもたちと動物たちの交流を描く人間ドラマ。手つかずの自然が広がる美しい島を舞台に、そこで生きる人々の喜怒哀楽を笑いを交えて映し出す。

via: シネマトゥデイ

主演はマリア・ヨハンソン。共演はクリスティーナ・イェムトマルク、ステファン・リンドホルム、ルイーズ・エドリンドほか。

感想を一言で表すと、チョルベン、ブサカワすぎる笑!けどそれだけじゃなくて、おはなしもかなりよく出来ててビックリ!

「感想」は別で書くとか言いながら、前回のエントリからはだいぶ間があいてしまった。観なくても書ける「情報」的なことは以下に書いたので、そちらも合わせて読んでいただければ。

新宿武蔵野館で『なまいきチョルベンと水夫さん』を観てきたよ!

基本スキップ

とにもかくにも島の子供と動物たちがみんなカワイくて、眺めてるだけでほのぼのとした気分になれる映画である。

演技なのか素なのかよくわかんない、ちょっと素人子役っぽいコたちなんだけど、とにかく全力で演じているのが何とも微笑ましい。

顔のアップを多用するカット割りとかはさすがに古くさいなあと感じるけど、子供たちの表情がいちいちステキなので大して気にならない。

もうとにかく何もかもが全力で、基本全力疾走だったりとかは日本の男のコなんかと通じる部分がある笑 (チョルベン女の子なんだけどな!) 。

つか走るってゆうか、基本スキップなんだよね笑。デフォルトの移動手段がスキップとか、すげーじわじわくる笑

んで全力すぎてしょっちゅう海に落ちては、愛犬の水夫さんに助けてもらってる。オープニングからびしょ濡れで、大人に着替えろって言われてホントに着替えてきたりするところもけっこう好き。あ、服が変わってるって笑

子供の世界の普遍性

これは『スタンド・バイ・ミー』観たときも感じたことだけど、子供たちの世界って、国も時代も関係なく共通なんだなあってよく思う。

スタンド・バイ・ミー (1986)【映画】

たぶん何色にも染まってないからなんだろうけど、子供が巧く描けてる映画ってそーゆう普遍性みたいなものを強く感じる。

つか何が言いたいかってゆうと、『団地ともお』っぽさをスゴイ感じるんだよねこの映画笑

NHKアニメワールド 団地ともお

50年前のスウェーデンの島が舞台のおはなしが、日本の (たぶん郊外の) 団地のおはなしと似てるとか、まあぼくの勝手な想像でしかないんだけど、何気にけっこうすげーことだと思う。

チョルベンは「ともお」ってゆうよりは「よしのぶ」かな体型的に笑。スティーナが「ともお」で、ペッレが「みつお」あたりかなあ。

あーそう考えるともっとメジャーなところで『ドラえもん』に置き換えてみるのもいいかも。チョルベンはジャイアンねもちろん笑。スティーナがスネ夫で、ペッレがのび太。しずかちゃんはマーリンかな、ドラえもんは水夫さんだな笑。

チョルベン主人公じゃねえ笑

これは『団地ともお』の「ともお」にも感じることなんだけど (つかだから似てるなあと思ったんだけど) 、チョルベンが主人公じゃないんだよねこの映画笑

後半なんか特にペッレの物語でしょ完全に。何かこの主人公っぽくない感じがすげーいいんだよなあ。

水夫さんなんかもっとヒドくて、途中あんま出てこなくなったり、劇中の世界でもかなり雑に扱われてかわいそう笑 (まあちゃんと物語的な意味があるんだけど) 。

あーそうか、「主人公じゃない」てのが何で好きなのか自分でもイマイチよくわかってなかったんだけど、ちょっと哀しいところが好きなのかもなあ。

秀逸なプロット

避暑地の島の、牧歌的な暮らしを描いたほのぼの系映画なのかと思って観ていたら、後半の展開が実によくできていてかなり驚いた。さすがリンドグレーンすげー!

水夫さんはもちろんのこと、アザラシのモーセ、ペッレが飼ってるうさぎのユッケ、スティーナのおじいちゃんのヤギ、ちょこちょこ出てくる不穏な野ギツネといった動物たちが全部繋がる快感といったらもう!

モーセとゆう新しいペットを手に入れたチョルベンが、今まで大好きだった水夫さんを邪険に扱ったりとかってのはちょっと『トイ・ストーリー』みたいな哀しみがある。

トイ・ストーリー (1995)【映画】

うさぎのユッケの件なんかはマジかと思ったくらい本気で悲しいし、水夫さんにその嫌疑がかかるあたりとかホントよくできてて秀逸と言うほかない。

カエルにキスする件 (下の動画) とかクスッと笑える細かいものも含めると、かなりたくさんの伏線が仕掛けられている。しかもその全てが実に適度でユルいから、スッと入ってくる心地よさがある。

秀逸な展開の随所に子供たちの感情がみごとに混ざり合って、笑えるのに何か哀しいってゆう、何とも言えない素晴らしい映画になっている。

まあ、モーセの鳴き声だけはリアルすぎて若干怖いけどな笑!

泣き笑いみたいな顔になっちゃう

これもぼくの持論なんだけど、真に笑えるおはなしって、ちょっとだけ哀しい要素を含んでいるんだよね。

『団地ともお』なんかもそうだし、ピクサーの作品にも多いんだけど、本作も笑いと哀しみの配分が絶妙なんだよなあ。

泣ける映画って嫌いつーか、ぼくは映画で泣けないひとなんだけど、何てゆうか「泣く」まではいっちゃわないんだけどちょっと哀しい、みたいなおはなしがホント好き。

本作もそんな映画で、観終わったあとで泣き笑いみたいな表情だったり感情になるとゆうか、日常ではあんまり味わえない、(良い意味で) 不安定な気持ちになれる。

笑いと哀しみのバランスが絶妙で、アンバランスな感情になるってゆうコントラストも何だかステキ!

すべてのキャラクタに見せ場が!

大人たちも子供の考えをちゃんと尊重してて、このウミガラス島には本当に良い時間が流れているなあと思う。行ってみたい (あーこの思わず行ってみたいってのも、ぼくの中での良い映画の条件だな何気に) !

ちなみに夕方 (つか日が長いだけで夜なのか) がホントにキレイで、夕日をバックにしたシルエットのシーンは実に素晴らしい画になっていて、おはなしや展開だけじゃなくて「映画」としてもちゃんと素晴らしい

登場人物のすべてにちゃんと見せ場があるのも作り手側の愛情が感じられるから好き。根っからの悪人が出てこない、てところも何だか清々しくて良いんだよなあ。

モーゼを金に換えようと企むヴェステルマンが物語的には悪役だけど、子供たちが貯めたお金を受け取るのをためらったりとか、やっぱり普通にいいひとなんだよねあのおっさんも。

最終的には受け取るんだけど、そのほうが子供たちのためになると思って受け取ったみたいなところがあって、子供扱いしない敬意、みたいなものが感じられるのがスゴく良い。

あーけど野ギツネは一応完全な悪役か笑。けど追いつめたのに撃たずに逃がしてあげたりとか、救いがある。

さいごに

前半は人間関係がよくわからなくて、そっちの理解にアタマを使わされた汗。

まあ普通に観てればじわじわ分かってくるんだけど、最初のほうではあまりに説明されないので「これだいじょぶか?」とちょっと不安になった笑。

公式サイトに簡単な相関図みたいなのがあるので、気になるひとはざっと目を通しておくといいかもしれない。

なまいきチョルベンと水夫さん

つかこの作品、もともとはTVドラマだったのを映画化したって流れらしい。原作の一部分のエピソードだけを扱っていて、てかてかそもそも原作はドラマの後に書かれてて、脚本は原作者のリンドグレーンが書いてるらしい。

TVドラマ → 映画化なんて最近の流行りじゃん!それを50年前に実現していたなんて、ちょー最先端じゃないかすげーぞチョルベン笑。こーなったら原作もぜひ読みたいなあ。

おわり。

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▼▼▼▼

あらすじはこんな感じ。

活発な少女チョルベン (マリア・ヨハンソン) は、風光明媚なスウェーデンの避暑地ウミガラス島に住んでいる。彼女は愛犬水夫さんといつも一緒で、夏をこの島で過ごすスティーナ (クリスティーナ・イェムトマルク) やペッレ (ステファン・リンドホルム) とも仲良しだ。ある日、チョルベンはヴェステルマン (マンネ・グルンベリエル) さんにアザラシの赤ちゃんをもらい大喜びするが……。

via: シネマトゥデイ

予告編はこちら (1分50秒ほどの動画) 。

 -1989年以前の映画 , ,

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