仕事は楽しいかね? (デイル・ドーテン)【読書】

      2014/09/25

この物語の主人公はあなたです!

仕事は楽しいかね?

デイル・ドーテン著『仕事は楽しいかね? (The Max Strategy) 』読了。2001年きこ書房 (1996年原著) 刊。野津智子訳。181ページ。

大雪で閉鎖になった空港で、偶然出会った老人”マックス”の問いかけに、動揺してしまった35歳の”私”。日々の仕事にゆきづまりを感じ、未来に期待感をもてない私に、老人は一晩だけの講義を開始した…。

via: Amazon内容紹介

つーわけで、今さらながら読んだ。原著が書かれたのは20年ほど前なので、もはやビジネス書・自己啓発書の”古典”と言っていいだろう。

本書にインスパイアされた類書やブログにも似たようなことが書かれているので、内容自体にそれほど驚きはないが、それでも“原典”らしい輝きがあって、大いに楽しく読むことができた。

翻訳本特有の読みにくさ、みたいなものはあって、示される例や笑いがちょっとピンと来ないところはあるものの、それでも十分読みやすい部類に入るだろう。

何よりもテンポがいいし、対話形式、ストーリ仕立てになっているのでサラサラと読み進めることができる。分量も短いし、数時間でサッと読み切れる。内容もスッと入ってきて心地いい。

テクニック的はことはほとんど書かれていなくて、心構えのような、よりファンダメンタルな事項に重点が置かれているので、今読んでもあまり古びていない

そして基本的な内容だからこそ、読むときの状況によって受け取りかたが大きく変わるような気もする。時折読み返してみたくなるような雰囲気がある。

ソーホーン効果のはなしが特に面白かった。ひとつのエピソードとゆうよりは、本書を貫く大きなテーマのひとつ、のようなところもある。

何が生産性に影響を与えるか調べるためにデータ取ろうと (いろいろ試そうと) すると、その行為そのものが生産効率を高める、てやつ。なにやら医学のプラセボ効果とも似ていて興味深い

本書ではほとんどビジネスの例ばかりが挙げられているけれど、科学の世界にも通じるものがあると感じた。確か山中伸弥先生も、本書は良い本だってどっかで言ってたっけ。

科学論文のプロセスなんて、ホント良い例だと思う。

論文になった研究を見ると、目的から結果まですげーキレイに並んでて、研究ってやぱ論理的だよね、て思うけど、実際は泥水をすくうような実験だった、なんてことはよくあるはなしだったりする。

ノーベル賞級の発見が、実は失敗や本来の意図とはズレたところから生まれきた、なんてはなしもよく聞く。

とにかく試す、試すってこと自体に失敗はない。偶然 (chance) に備えて、試し続ける、打席に立ち続ける、てのが成功する唯一の方法、てのはこの上なく刺さる。

いろいろ試すことで、30%向上させよう、てのも現実的な目標だなあと思った。がむばれば届きそう、だけどけっこう難しい、てゆうギリギリのライン。

成功本、みたいなものに疑問を投げかけているのも可笑しい。

人間は記憶を簡単に歪めるからなあ。後から振り返ると理路整然とした道を歩んできたように思いがち。だけど、その道をなぞれば成功できるかというと、まあそんなことはないよね。

つーのは言われるまでもなく当たり前なんだけど、ついついそーゆう成功本て、読みたくなっちゃうんだよなあ笑。

かといって、その成功ただのまぐれじゃん、てのもまた的外れな指摘で、自分が同じ状況に立ったとき、そのチャンスをちゃんと拾えたかって考えると、それもまた難しい。“まぐれ当たり学”、面白い。

後出しじゃんけんなら誰だって勝てるように、「革新」て後からだと簡単そうに見えるんだよね。

他にも、新しいアイデアなんてものはそうそうなくて、古いアイデアの中に埋まってる、て考えかたとか、良いなあと思える教訓がたくさん詰まっている。

つか、この本一冊読んでおけば、読まなくてもいい自己啓発本が世の中たーくさんある笑。とゆうかいろいろ読み漁るよりも本書を繰り返し読むほうがよっぽどためになるんじゃないか、なんてことも思ったりした。

そーゆう意味での入門書的な本書。なるほどなあ、いろんなひとが薦める理由がわかった。

続編も何冊かあるみたいなので、そちらもいずれ読んでみたい。

おわり。

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へ

 -その他の読書

ad

スポンサーリンク

  関連記事

泣いた赤鬼 (文・浜田廣介 / 画・浦沢直樹) 【読書】【絵本】

浦沢直樹版『泣いた赤鬼』読了。やっぱりこのおなはしは泣けます。

ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア (ジェフリー・ブラウン)【絵本】

『スター・ウォーズ』のパロディ絵本『ダース・ヴェイダーとプリンセス・レイア』を読みました。前作より生々しくて、父と娘の距離感などいろいろと考えさせられてしまいました。笑えるけど複雑です。

no image

「本好きへの13の質問」に答えてみる

まーしゃーないな。いっちょ答えたるか笑。

no image

[当たった]みんなのしおり.jpから「スティーブ・ジョブズII」が届いた!

届いたなう。

言葉の問題は重要だ【読書】戦争プロパガンダ 10の法則 (アンヌ・モレリ)

第一次大戦からアフガン空爆まで、あらゆる戦争に共通する正義捏造、自国正当化のからくり。

no image

[読んでる]今読みかけの本を晒してみる。(2012年1月)

2012年1月末時点で僕が読みかけの本を発表します。

人気作家の平凡な日常【読書】3652 (伊坂幸太郎)

伊坂のマル秘!

pepita3 再訪 (井上雄彦)【読書】

『pepita』でガウディの足跡をたどった井上雄彦が、再びスペインの土を踏んだ。カタルーニャを旅し、

no image

【企画】何度でも読み返したくなる、てか読み返しまくったマンガ5選 #5manga 【乗っかります】

乗っかってみたかったんです、こういう企画。

no image

アホー鳥が行く 静と理恵子の血みどろ絵日誌【エッセイ】大人の遊びの流儀

アホー鳥が行く―静と理恵子の血みどろ絵日誌 (角川文庫) posted with ヨメレバ 伊集院

ad

スポンサーリンク

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

スポンサーリンク

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

迷路荘の惨劇 (横溝正史)【読書】

角川文庫・金田一耕助ファイルの8冊目『迷路荘の惨劇』を読みました。子どものころハマった金田一を、1年

ゼッタイ押すなよ!【映画】人生スイッチ (2014)

押したら、さいご。

マイベストグルメ!〜2015上半期〜

2015年の上半期に行ったお店の中から、特に美味しかった5店舗を選んでみました!

  • ランキングに参加しています。当ブログの順位は以下から確認できます。

    にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

    ブログランキングならblogram track feed コタノト!



  • follow us in feedly