ジャージー・ボーイズ (2014)【映画】君の瞳に恋してる

      2014/10/31

夢、栄光と挫折__。それでも僕らは歌い続ける。

ジャージーボーイズ クリントイーストウッド

試写会にて『ジャージー・ボーイズ (Jersey Boys) 』鑑賞。2014年アメリカ。クリント・イーストウッド監督。134分。

名匠クリント・イーストウッドが監督を務め、ブロードウェイの大ヒットミュージカルを基に描くドラマ。1960年代にザ・ビートルズと並ぶほどの人気を誇ったアメリカのポップスグループ、ザ・フォー・シーズンズの光と影を数々の名曲と共に映し出す。

via: シネマトゥデイ

主演はジョン・ロイド・ヤング。共演にエリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ヴィンセント・ピアッツァ、クリストファー・ウォーケンなど。9月27日公開。

観る前は全然期待してなかったのだが、あまりにも素晴らしすぎて、ちょっと言葉にならないほど感動してしまった。イーストウッドのこと信じててホントよかったー笑!

つまらなさそうなイーストウッド映画

『ジョジョ』でおなじみ漫画家の荒木飛呂彦さんが、『超偏愛!映画の掟』とゆう著書の中で、「イーストウッドの映画は、観る前はあまり面白そうに思えない」と言っていた。

ぼくにとって本作がまさにそうで、ミュージカルはあんまり得意じゃないし、ザ・フォー・シーズンズとかほとんど知らんし、て感じで全然期待せずに観にいったのだが、これが実に良い映画すぎて驚いた。

もうね、こんな素晴らしい映画が存在していいのかってほど良すぎて、なるほどイーストウッドつまんなそうってこーゆうことか!と激しくナットクしてしまった。

何だろ、宣伝がどーこーてわけでもないし、もうイーストウッドが監督してるって信頼感だけで観るしかないんだけど、毎回逆の意味に裏切られることが多いから、これで良いのか笑。

つかこれハードルさげる手なのかむしろ笑。だとしたらすごすぎるぞ。

つーわけで、ぼくみたいにザ・フォー・シーズンズをまるで知らなくても全く問題ない。彼らの生い立ちから、丁寧に描いてくれる。それも全くムダのない演出で。

イーストウッドのミュージカル!

イーストウッドの演出は、とにかく余計なことをしないから大好き。

一方で「ミュージカル」てのはちょっと過剰ともいえるような嘘くささが良さだったりもして、その浮世離れした枠組みに対して、イーストウッドがどう折り合いをつけるのか、てのがちょっと楽しみでもあった。

つかね、この映画、いわゆる「ミュージカル」ではないわ。むしろ伝記の方に重心が置かれてて、(突然歌い出す感じの) 「ミュージカル」を期待して観ると、ちょっと拍子抜けするかもしれない。

逆に言うと、ぼくみたいに「ミュージカル苦手」てひとでも、スッと入り込むことができる。何つーか、イーストウッドがミュージカル撮るとこーなんのか!てゆう驚きとナットク感。収まりがすごくいい

どーゆうことかというと、歌のシーンは全部「リアル」なんだよね。歌手の物語だから、極めて自然なカタチで歌いはじめる。

考えてみれば当たり前で、彼らにとっての「歌」は全部現実とゆうか、生活の一部。だから歌うのは全部ステージだったり練習だったり、とにかく街中で当然感情を歌い上げたり、なんてことはしない。

んで逆に、感情は「語り」として出現する。登場人物が突然画面に向かって、このときどんなことを考えていたのか、とかをスクリーンのこちら側に向かって語りかけてくる。ときにはステージ上で歌っている最中に。

普通のミュージカルは「歌」で現実世界からハミ出すけど、本作ではそれが逆転してる感覚で、これがすっごい楽しい。まさに”イーストウッドの”ミュージカル!素晴らしい。

音楽と画の融合

普通のミュージカルっぽくないとはいえ、歌のシーンの感動と高揚感は同等以上に素晴らしい、てのは何だかむしろ得した気分さえ味わえる。

4人がはじめて揃う「Cry for Me」、電話越しに歌う名曲「Sherry」誕生秘話、すべてのシーンの盛り上がりかたがハンパない。

ステージで歌った彼らに向かって、スクリーンの中の観客たちが拍手するシーンがたくさん出てくるんだけど、映画を観てるこっちまで、つられて思わず拍手したくなっちゃうほど圧倒的。

構成は逆でも、音楽と画の融合、て意味では紛れもないミュージカル。つか、やっぱ音楽の力ってすげー!て心から思える。

古き良きアメリカ

舞台が50〜60年代、てのも何だかサイコーにカッコイイんだよなあ。

昔を懐かしむ映画って基本的には大っ嫌いなんだけど笑、この時代はファッションとか街並とか全部好きで、そーゆうのがかなりリアルに再現されてる本作は、セットや衣装眺めてるだけでもウットリできる

この時代に作られた映画なんかも好きだしなあ。何で好きなのかはちょっとよくわかんないんだけど、アメリカが憧れだった時代だからなのかなあ。てまあ、ぼくはまだ生まれてないけど笑。

The Royal Teensの「Shorts Shorts」(タモリ倶楽部でおなじみの曲!) がかかるボーリング場のシーンとかホント素晴らしくてワクワクする。

Short Shorts-The Royal Teens-1957 – YouTube

君の瞳に恋してる

本作最大のハイライトは、フランキー・ヴァリ (ジョン・ロイド・ヤング) の「Can’t Take My Eyes Off You (君の瞳に恋してる) 」。

ヴァリやザ・フォー・シーズンズを知らなくてもこの曲は聴いたことあるはず、つか全く聴いたことない日本人ているんだろうかむしろ

ほかの予備知識がなくても、この曲が出てくる、てだけでもう十分だと思う。あー!知ってるこの曲!てなるゼッタイ笑

んでこのシーンの感動が凄まじくて、ぼくは震えすぎて呼吸の仕方がわからなくなるほどだった。

映像解禁されてたけど、ここだけ観てもちょっとピンとこないだろうなあ。

【特別映像】劇中の「君の瞳に恋してる」解禁! 佐野元春も胸打たれた『ジャージー・ボーイズ』 | シネマカフェ cinemacafe.net

いろんなひとたちがカヴァーしてる名曲で、Boys Town Gangのディスコナンバーが最も有名。

Boys Town Gang – Can’t take my eyes off you – YouTube

日本人もいろんなひとがカヴァーしてるけど、オリジナル聴いちゃうとどれもダサい。

劇中でヴァリが、複雑すぎるから音を減らそう、て言ってるのに、みんな余計な音を足しちゃってる感じなんだよね。

あと「ポップスにしてはハード、ロックにしてはヤワ」てゆう中途半端さも、カヴァーしやすい絶妙なニッチさだったのかな、なんて思った。

ちなみにヴァリ本人のオリジナルはこちら。

Frankie Valli Can’t Take My Eyes Off You – YouTube

ヘンな声だよなあ笑。ファルセット素晴らしい。

演じたジョン・ロイド・ヤングの声も絶妙なヘン声で、クリストファー・ウォーケンの「お前の声は神様からの贈り物」てセリフに抜群の説得力があった。

ちなみにYouTubeには、ヴァリの声とはどーも違う感じなのに「ザ・フォー・シーズンズのオリジナル」と言ってる曲がけっこうあって、紛らわしかった。聴くかぎりシナトラのカヴァーぽいんだよなあ。

そのシナトラ版はこちら。確かにこれもオリジナルに近くて良い。

Frank Sinatra-can’t take my eyes off you-mahmoud zico – YouTube

カーテンコールのような幸福感

いわゆる歌って踊るミュージカルっぽいシーンはエンディングのみ。このシーンの躍動感も素晴らしい。

今までミュージカル演出を避けてきたのは、ここで一気に爆発させるためだったのか!てくらい、いろんなものが一気に弾けまくる。

イーストウッドて、けっこうラストで破綻させること多いよねそいえば。落ち着いた雰囲気で丁寧に積み上げてきてるから、破綻したときの感動が尋常じゃない。

舞台のカーテンコールって、役者さんたちが役を離れてみんな笑顔で挨拶するじゃん。あの達成感に包まれてる雰囲気って大好きなんだけど、本作のエンディングもまさにカーテンコールのような幸福感が得られる。

だってクリストファー・ウォーケンまで踊ってるんだよ!あの強面の無表情で!何だろこの笑い泣きしちゃう感覚。思い出しただけでもまた鳥肌立ってきた。

観てるこっちまで思わず踊り出したくなってきて、座ってるのが心底苦痛。んで実際、映画館からの帰りは、小躍りしながら駅までスキップ笑。

さいごに

おはなしはすっごい単純。若者たちが夢に向かってがむばって、成功したと思ったら亀裂が生まれて、そこからまた再生する。

こんなシンプルなはなしに、天の邪鬼なぼくが感動するとは思わなかった。つか自分が一番驚いている。ヴァリがトミーに向かって言う「お前は音楽に対して努力していない」てセリフに、なぜだかすげーグッときた。

音楽の力ってホント凄まじい。歌のシーンは鳥肌立ちまくりだったし。

こんなに良い映画があって良いのかって思うほど素晴らしい映画。今のところ間違いなく今年のベスト!

おわり。

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作品情報

公式ページはこちら。▷ 映画『ジャージー・ボーイズ』オフィシャルサイト

あらすじ

あらすじはこんな感じ。

ニュージャージー州の貧しい町で生まれ育った4人の青年たちは、その掃きだめのような場所から逃れるために歌手を目指す。コネも金もない彼らだが、天性の歌声と曲作りの才能、そして素晴らしいチームワークが生んだ最高のハーモニーがあった。やがて彼らは「ザ・フォー・シーズンズ」というバンドを結成し、瞬く間にトップスターの座に就くが……。

via: シネマトゥデイ

予告編

予告編はこちら (1分半ほどの動画) 。▷ 映画『ジャージー・ボーイズ』日本版オリジナル予告編 – YouTube

 -2010年代の映画 ,

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