誰よりも狙われた男 (2014)【映画】

      2014/11/06

その瞬間、世界の全てが敵となった。

誰よりも狙われた男 フィリップシーモアホフマン

試写会にて『誰よりも狙われた男 (A Most Wanted Man) 』鑑賞。2014年アメリカ / イギリス / ドイツ。アントン・コービン監督。122分。

2014年2月に急逝したフィリップ・シーモア・ホフマン最後の主演作となった、ジョン・ル・カレの小説を実写化したスパイサスペンス。ドイツのハンブルクを舞台に、対テロ諜報チームを率いる男がテロリストの資金源となっている者の正体をつかんでいく。

via: シネマトゥデイ

主演はフィリップ・シーモア・ホフマン。共演にレイチェル・マクアダムス、ウィレム・デフォー、ロビン・ライトほか。10月17日公開。

大好きだったシーモア・ホフマン、最期の主演作ってことで、観る前からかなーり期待していた本作。

予告編 (最下部参照) の感じから、ハラハラドキドキ系なサスペンスを想像していたのだが、思ったよりもずっと地味な展開だった。

うん、けどホフマンの演技を堪能できるって意味では、これくらいの落ち着いたトーンなのは返ってよかったのかもしれない。

つかね、静かだからこその恐怖がひしひしと伝わってくるの。この映画、全体的にジワジワ怖い

9.11以後の諜報戦なんて、ずいぶん古くさいテーマだなあと思ってたけど、最近は「イスラム国」の台頭もあって、ある意味かなーりタイムリーな内容だった。

釣りのたとえ

それぞれの思惑が絡み合って、物語はなかなか複雑。置いてかれないように付いてくのに必死で、観終わった後はどっと疲れた。頭使わされる映画って、疲労感が心地いい

予告編にも出てくる、釣りのたとえがわかりやすい。そのイメージが頭にあると、バッハマン (Sホフマン) の思惑が明快になるので、だいぶ観やすくなると思う。

積み上げが丁寧な分、ラストの畳み掛けは圧巻。契約書にサインしてるだけなのにドキドキできるってかなりスゴイ。

嫌いなのに惹かれる

ストーリーを追いかけてって、結末どーなんの?てのが見どころのひとつなのは間違いないけど、本作はそれ以上に役者さんたちの演技にも注目したい。

何つってもやっぱホフマンがすげー。亡くなっちゃったのがホント悔やまれる。これからの20年くらいが一番いい時期だったのになあ泣。

ホフマン演じるバッハマン。過去は劇中の会話を通して触れられる程度だけど、複雑な背景を背負ってるのが佇まいに滲み出ている。もうね、ずっとこの仕事やってきました感が凄まじいの。

基本的にイヤなやつだけど笑、男気とか執念とか優しさとか、シーンによっていろんな側面を魅せてくれる。

最後のほうでは感情も含めた考えが、観てるこっちまでシンクロしちゃうし、いつの間にかすんげー感情移入しちゃってたってことに、観終わった後で気づかされる。

キャラクタは嫌いなのに、何か惹かれるんだよなあ。ただただずっと観ていたいと思える、数少ない俳優だった。つくづく惜しい。

小悪党たちの物語

ホフマンを支える共演陣もお見事。ウィレム・デフォーは、またお得意の悪いヤツだろゼッタイ笑、と観る前は思っていたのだが、意外や意外、翻弄される役だった。小悪人。

あーそうか、この映画、登場人物がみんな小悪党なんだよな。だから惹かれるんだ。善悪がハッキリしてなくて、ちょっとした善い面とか邪悪な部分が、瞬間瞬間でわずかながらにフワッと覗く

世の中みんなそうだよなあ。圧倒的なリアル感は、その染み出しかたが巧いからなんだな。デフォーは最初悪ぶってるけど、実は善いひとだったり、ときに怯えたり、とっても人間的なキャラクタだった。一番好きかも。

あと素晴らしかったのがレイチェル・マクアダムス

若い正義感全開で、世間知らずのバカっぽい感じが素晴らしくハマっていた。このひとバカっぽい役ホント似合う (褒め言葉ですもちろん笑) 。何よりカワイイしな笑!

さいごに

ラストは何とも言えないやるせなさが残る。うーんモヤモヤ。

決してハッピーな気分にはなれない映画だけど笑、たまにはこーゆうのもいいよね。つか個人的にはかなり好みのラストカットだった。モヤモヤが残るラスト、嫌いじゃない。

おわり。

にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

オマケ

原作はスパイ小説の売れっ子ジョン・ル・カレ。読んだことないけど、これは小説でも (つかむしろ小説のほうが) ゼッタイ楽しめそう、て予感がある。この機会に読んでみよっかなあ。

あとあと、ルカレと言えば『裏切りのサーカス』がちょー有名。ぼくは未見だけど、ずっと気になってる作品。これもこの機会に観てみよっと。

iTunesで観る。▷ 裏切りのサーカス(字幕版)

作品情報

あらすじ

ドイツ、ハンブルク。諜報機関でテロ対策チームの指揮を執るバッハマン (フィリップ・シーモア・ホフマン) は、イッサというイスラム過激派に関わりがあるといわれる若い密入国者をマークする。人権団体の弁護士アナベル (レイチェル・マクアダムス) を介して銀行家ブルー (ウィレム・デフォー) との接触をもくろむ彼を、あえて拘束せずに監視するバッハマン。イッサの動向を追い掛けることでテロ資金源となっている人物にたどり着こうと考える彼だったが、思いも寄らない出来事が次々と降り掛かってくる。

via: シネマトゥデイ

予告編

フィリップ・シーモア・ホフマン、ラストの主演作!映画『誰よりも狙われた男』予告編 – YouTube

 -2010年代の映画 , ,

ad

スポンサーリンク

  関連記事

記憶探偵と鍵のかかった少女 (2013)【映画】タイッサ・ファーミガの美貌にやられる!

真実を知りたければ、思い込みを捨てろ。

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

エクソダス: 神と王 (2014)【映画】

戦う者だけに、「奇跡」は訪れる。

ジヌよさらば〜かむろば村へ〜 (2015)【映画】ひょっとして政権批判?

1円も使わないで生きていく!

プロミスト・ランド (2012)【映画】豊かさとは何か

人生はいつでも、やり直せる。

複製された男 (2013)【映画】

“脳力”が試される、究極の心理ミステリー。あなたは、一度で見抜けるか__。

サンシャイン/歌声が響く街 (2013)【映画】

人生はままならない。でもいつか必ず、太陽は輝く。

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

舟を編む (2013)【映画】

マジメって、面白い。

オール・ユー・ニード・イズ・キル (2014)【映画】

戦う、死ぬ、目覚める__。

ad

スポンサーリンク

  Message

メールアドレスが公開されることはありません。

ad

スポンサーリンク

長いお別れ【映画感想】岸辺の旅(2015)

物理学に、ホール(正孔 / せいこう)という考え方がある。 整然と並んだ電子の列で、そのうちのひとつ

no image
横山秀夫の警察小説にハマる

いまさらですが、横山秀夫さんの小説にハマっています。 サクッと気楽に読める小説を、と手元にあった『深

終わるまでが戦争です【映画】日本のいちばん長い日(2015)

降伏か、本土決戦か__。

迷路荘の惨劇 (横溝正史)【読書】

角川文庫・金田一耕助ファイルの8冊目『迷路荘の惨劇』を読みました。子どものころハマった金田一を、1年

ゼッタイ押すなよ!【映画】人生スイッチ (2014)

押したら、さいご。

  • ランキングに参加しています。当ブログの順位は以下から確認できます。

    にほんブログ村 映画ブログ おすすめ映画へ

    ブログランキングならblogram track feed コタノト!



  • follow us in feedly