猿の惑星: 新世紀〈ライジング〉(2014)【映画】人間に似すぎた猿

      2014/11/18

ヒトの世紀が終わろうとしている。

猿の惑星新世紀

『猿の惑星: 新世紀〈ライジング〉(Dawn of the Planet of the Apes) 』鑑賞。2014年アメリカ。マット・リーヴス監督。131分。

名作SF『猿の惑星』の前日譚『猿の惑星:創世記〈ジェネシス〉』の続編。ウイルスによって滅亡状態に陥った人類と、遺伝子の進化を経て知能や言語を得た猿たちとの対峙(たいじ)が思わぬ事態を引き起こしていく。

via: シネマトゥデイ

主演はアンディ・サーキス。共演にゲイリー・オールドマンほか。

予習がてらに軽い気持ちで観た前作『創世記』 (TV放映を録画で) がかなーり面白かったので、期待大で観にいってきた。

けど前作のが面白かったなあ。トーンダウンと言わざるをえない。アクションシーンが多くなって、アラが目立つようになってしまった。残念。

タワーに登るナゾ

思えば前作も、アクションはちょっとひっかかる部分があったんだよなあ。研究所の窓ガラス一枚一枚から猿が出てくるところとか。あれ見映えはいいけど、中から考えるとおかしいよね笑。

本作は監督が変わってるとはいえ、アクションの辻褄がおかしいのは相変わらず。つかアクション大作なのにアクションが弱いとか笑、最近では珍しい。逆 (ドラマパートがお粗末) な映画は数多あるけどね。

最大の見せ場ともいえる戦闘シーン、朝焼けの中猿たちが乗り込んでくるシーンは、ガチャガチャやっててワケわかんないわりに、イマイチ迫力に欠ける。あんまりノれないんだよなあ。

やっぱり観てるわれわれは「人間」なわけで、猿はその「敵」として描かれてるから、かなあ。そのわりには恐怖感みたいなものも大して感じなかったけど。

それと、圧倒的にナットクできないのは最後タワーに登るシーン。あれ、何で登ったのか意味不明。猿の習性?あんまバカにしてんだろ。

こーゆうシーンを撮りたいから、みたいなご都合主義丸出しな展開が多すぎて、全然ノれなかった。まあ、猿特有の格闘シーンは、高いところだからこそで、面白かったんだけどね笑!

夜明け前の緊張感

アクションがイマイチでも、やっぱり映画として十分鑑賞に堪えうるのは、前半のドラマパートが (とゆうかむしろそっちのほうが) しっかりしているから。

シーザーが銃弾に倒れるまでの、緊張感の積み上げは完璧。まあある意味それ以後は、勢いに任せて一気になだれ込むだけなので、多少ヤケクソでもいい、てことなのかもしれない。さながらジェットコースターが、重力に任せて落下していくが如し。

つか案外、現実の戦争もこんなもんなんだろうなあ。猿たちが戦争へと駆り立てられていくきっかけとなる事件なんて、さながら柳条湖事件みたいだったし。

んで、はじまったら止まらないし、実際の戦争だって、後から冷静に考えると辻褄がおかしいことばっかり。そーゆうヤケクソ感も含めて描いている、てことなのかもしれない。つか狙って作ってんだとしたらかなりスゴイ。

劣る人間たち

ドラマパートでもやっぱり、どっちかっつーと猿が「主」になっちゃってるのが、イマイチのれない部分なのかな、て気はした。前作は猿の造形もさることながら、人間を演じた役者さんたちも素晴らしかったからなあ。

それに比べると本作の人間たちは、劇中の世界観さながら、若干劣ると言わざるをえない。キャラが立ってたのはゲイリー・オールドマンくらいか。

コバの弱さ

あとあと、シーザーのカリスマ性がカッコイイのは言うまでもないんだけど、あの強すぎる心はどーも好きになれない。

それよりも圧倒的に惹かれるのはコバ。うん、この映画、主役はむしろこのコバちゃんだよ。

弱さを抱えたコバのほうが、ずっと人間に近い。そんなところまで似なくていいのに

強いシーザーとのコントラスト、さらにはカリスマを持たない人間たちとのコントラスト、いろんな方向から光をあてられて、実に丁寧に描かれていたと思う。

つか人間リーダーのオールドマンも、「弱い」んだよね。その弱さが素晴らしい。うん、オールドマンてそもそもどっかしら弱さを抱えた役がとても巧い。

人間 (コバちゃんは猿だけど) 、弱さがあるからこそ魅力的だし、ずっと共感できる。

さいごに

コバの最期はあれ、前作のオマージュ?ある意味生みの親ともいえるジェイコブスを蹴落としたのって、たしかコバちゃんだったよーな。

最期まで人間と似たような感じになっちゃうなんて、つくづく哀しい。

つかこの似た感じの末路を無理やりこじつけたくての強引展開だったのかと、何だか妙に腑に落ちた笑。

これ、まだもう何回か続くのかなあ。もうアクションはそこそこでいいから、ドラマパートのみで引っ張っていってほしいなあ。

けど人間がどんどん減っていって、共感を得るのがますます難しくなるよーな気がしないでもない。どーすんだろ。

おわり。

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作品情報

あらすじ

自らが生み出したウイルスによって、人類の90パーセントが死滅した2020年代の地球。サンフランシスコでは、かろうじて生存している人類と驚異的な遺伝子進化を遂げた猿たちのコミュニティーがゴールデンゲートブリッジを挟んで存在していた。人類のコミュニティーでは、衰退を食い止めるためにも、猿たちと対話すべきだとする者、再び人類が地球を支配するべきだとする者たちが、それぞれの考えに従って動き出す。一方、猿たちを率いるシーザー (アンディ・サーキス) は、人類と接触しようとせずに文明を構築していた。

via: シネマトゥデイ

予告編

映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』新予告編 – YouTube

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