100歳の華麗なる冒険 (2013)【映画】

      2014/12/02

100歳になっても未来は予測不可能。だから人生はおもしろい!

100歳の華麗なる冒険

試写会にて『100歳の華麗なる冒険 (Hundraåringen som klev ut genom fönstret och försvann / The 100-Year-Old Man Who Climbed Out the Window and Disappeared) 』鑑賞。2013年スウェーデン。フェリックス・ハーングレン監督。115分。

スウェーデンのベストセラー小説「窓から逃げた100歳老人」を映画化し、ヨーロッパ各国で大ヒットを記録したアドベンチャーコメディー。100歳の誕生日に老人ホームから逃走した男性が繰り広げる、成り行きまかせの珍道中が展開する。

via: シネマトゥデイ

主演はロバート・グスタフソン。共演にイヴァル・ヴィクランデル、アラン・フォードほか。11月8日公開。

いやあサイコーに面白かった!しんみりするシーンがひとつもなくて、終始明るさに満ちあふれている。それでいて適度にユルくて、いたるところクスクス笑える。100歳老人、恐るべし笑!

まさにアドヴェンチャー

老人が主人公のほのぼのロードムービー、みたいな映画を想像してたけど、そんな生易しいもんじゃなくて、良い意味で裏切られた。ブラックジョークてんこ盛り、行き当たりばったりのドタバタ珍道中。

つかこれロードムービーですらなくて、まさにアドヴェンチャー〈冒険〉てタイトルがピッタリ!(原作のタイトルのがステキで、何でこんなだっせー邦題に変えたのかなあなんて思ってましたごめんなさい)

コメディだしスパイ映画だし爆破もスゴい (笑) し、ひとりの男の激動の生涯を描いた大河ドラマだし、歴史上の人物もたくさん出てくるモノマネ映画だし笑、いろんなジャンルが詰まってて、お得感がものすごい。

ノーベルを生んだ国で、爆弾狂の主人公って笑。設定からして天才まくる。

スウェーデン版『フォレスト・ガンプ』みたなことも言われてるけど、ちょっと印象違うかなあ。

つかね、過去のパートよりも現代パートの展開が面白すぎて、偉人たちとの交流はちょっと霞んじゃってるように感じた。いや、ぼくが世界史に疎いから、大して惹かれなかっただけかもだけど。

あ、そんでもオッペンハイマーが出てきたのにはちょっとアガったなあ笑。あとあと、レーガンの件もサイコーだった。つかレーガンちょー似すぎ笑。全体的にみんな似てるから、モノマネ映画としても楽しめる、てのはある。

けどまあ、少なくとも『フォレスト・ガンプ』みたいな深い感動は全くない笑 (もちろん良い意味で) 。

どんな愉快な映画でも、大抵しんみりするシーンて挿まれてたりする。そーゆうシーン入れなくちゃいけない、て決まりでもあんのかと思うけど、そんな「泣き」のシーンが巧くいってる映画って、実はかなり少ない。多くは退屈でしかなかったりする。

本作はそーゆうしんみりするシーンがマジでひとつも出てこない

極論をいっちゃうと、コメディとかアクションに泣かせるシーンていらないんだよね。つかヘタに交ぜて退屈になるくらいなら、いっそないほうが潔い。

独特の「間」

それにこの映画、随所に「間」が素晴らしくて、イチイチ可笑しい。全体的にのんびりしてるのは主人公がおじいちゃんだからか、はたまたスウェーデンのお国柄なのか。

スウェーデンて、何だか程よく「抜け」てるんだよね。あんまり押し付けがましくないとゆうか、全体的にすっごいテキトーな感じがする。これももちろん良い意味で!

これは「暗いシーンがひとつもない」てこととも関係するけど、シーンごとの「間」が独特だから、全体のメリハリとか緩急を意識する必要がないんじゃないか、て気がした。

場面ごとの「間」でメリハリが効いているとゆうか、普通の映画 (とゆうか物語) がひとつの「波」で表されるとしたら、本作はいくつもの波が重なり合った「波束」って描像がしっくりくる

全編突っ走ってるようだけど、何だか全体的にフワフワしてて、のんびりしてるけどテンポもいい。そんなとらえどころのない二面性は、独特のユルい「間」に潜んでいるんじゃないかな、て気がする。

残虐だけど下品じゃない

死体で遊んだりとかの、きっついブラックジョークはコーエン兄弟の映画みたい。

よくよく考えるとけっこう残虐、てシーンもちょこちょこあるんだけど、上品さを失わないから不快な気分には全くならない。とゆうか、そもそもあまり残虐だと思わない (コーエン兄弟はどうも下品で好きになれない) 。

いや、トイレのシーンとか下ネタもけっこうあるし、決して上品ではないか笑。けど下品まではいかない距離感。純粋に可笑しさだけを感じることができる。素晴らしいバランス。

ポスターにもある (そして予告編にもチラッと出てくる。最下部参照) 「象」のシーンはホントにサイコーだったなあ笑。ゼッタイ何か起こるぞって空気が充満してんだけど、予想のはるか斜め上をいってくれた笑。

テキトーさが愛おしいキャラクタたち

この映画、全ての登場人物がとにかくテキトー (笑) てのも魅力的まくる。何かマジメに生きてるヤツがひとりもいない笑。いや、個々人はちょーちゃんと生きてるんだけど、はたから見たらぶっ飛びすぎな人たちばっかりでしょ。

警察とか信じがたいほどテキトーだし笑、悪党たちのバカさ加減なんかも実に絶妙。

そいや、あのゴロツキたちってバイク・クラブを名乗ってて、そのジャケットがちょー重要小道具だったりもするんだけど笑、何かそんな設定って『ミレニアム』にも出てきたよーな……。

あれっていわゆる暴走族のことだよね。スウェーデンでは悪党イコール暴走族なのか?あるいは『ミレニアム』のパロディ笑?

あとこれはパロディてのとはちょっと違うけど、スウェーデンではキツネってどーゆうイメージを持たれてんだろ、てのがちょっと気になった。

とゆうのも、オープニングでキツネが猫を殺しちゃうシーンが出てくるんだけど、『なまいきチョルベンと水夫さん』でも野ギツネって憎むべき存在として描かれてたんだよね。

スウェーデンではキツネってそーゆう位置づけなんだろうか。日本では化かしたりとか、ちょっと狡賢いイメージだけど、お稲荷さんとして祭られてたりとかもして、そこまで極端に悪役ってわけでもないよーな……。

スウェーデンとキツネ、頭の片隅に置いておきたい、ちょっと気になるテーマ。

壮大なシーンのチグハグ感笑

そいやこの映画、橋の爆破とか「死体」の行く末とか、主人公たちが出てこない、けっこうどーでもいいシーンがめちゃくちゃ壮大で、そのチグハグ感も何だかじわじわ可笑しかった。

資料映像みたいな画 (しかもほとんど一瞬しか映らない) にこそ金が掛かってんじゃね?つか狙ってんのかむしろ笑?

チグハグと言えば、風景もだよなあ。スウェーデンの、たぶんホンっトに何にもないド田舎が舞台だけど、ビックリするくらいに景色がキレイなんだよね。ザ・長閑

物語のしょうもなさ (さらっと言った笑) やテンポと、風景が全然マッチしてなくてモヤモヤさせられる笑。ゆったりしてんのか過激なのかよくわかんない、何とも不思議な世界観は、このチグハグな景色とも関係があるんじゃないか、て気がした。

さいごに

行き当たりばったりなのに、全部うまいこと繋がって、最終的に丸く収まる展開は見事とゆうほかない。

暗い気持ちになる要素が微塵もなくて、ブラックコメディなのにどこか上品で、ユルさが絶妙な素晴らしい映画。スウェーデン、サイコーです!

おわり。

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オマケ

原作は世界的ベストセラー『窓から逃げた100歳老人』。ぼくは絶賛積読中笑。映画も観たことだし、そろそろ読もーかと思っている。

そいや、(予告にもちょっと出てるけど) 窓から逃げるシーンはとっても良かったなあ。おじいちゃんだからゆっくりだし大したアクションじゃないのに、なぜかすっごいダイナミックだった!

作品情報

公式ページはこちら。▷ 映画『100歳の華麗なる冒険』

こんな太っ腹な企画も開催中 (2014/11/30まで) !当たるといいなあ。

アランと旅に出ようプレゼントキャンペーン『100歳の華麗なる冒険』

あらすじ

かつて爆弾の専門家として各国要人と渡り合い、数々の歴史的事件に立ち会ってきたアラン (ロバート・グスタフソン) は、100歳の誕生日に老人ホームを抜け出す。その後予期せず高額のお金が入ったケースを手に入れた彼は、ギャングと警察両方から追跡されるハメに。途中出会った個性的な仲間たちを巻き込んだ珍道中を通し、アランは自身の波瀾万丈な人生を思い返していく。

via: シネマトゥデイ

予告編

映画『100歳の華麗なる冒険』 – シネマトゥデイ

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